
シナノキ 【
】
[その他の名称]
アカシナ

シナノキ科シナノキ属の落葉広葉樹。散孔材
学名 : Tilia japonica

北海道、本州、四国、九州に分布。蓄積量の大部分は北海道が占める。高さ20mに達し、大径木になる。

辺心材の境界はやや不明瞭で、一般に辺材の幅は広く淡い黄白色、心材は淡い黄褐色を呈す。年輪は不明瞭である。樹皮は、粗厚で暗灰色をしている。

木質は軽軟で均質。木肌は緻密で表面仕上がりは良好。材の保存性は低い。切削などの加工性はよいが、木材中に含まれる糖のため、尿素樹脂接着剤による場合は接着不良を起こす。
気乾比重 : 0.37〜0.50

器具材、彫刻材、ベニヤ板、鉛筆材、マッチの軸木など。
ラワンやメランチの合板が市場に出回る以前は、北海道産のシナ合板が多量に市場に出ていた。

科の木と書くのは当て字。
欧米では、リンデンと呼ばれ、街路樹として親しまれている菩提樹 (西洋科樹)と同類。
また、類似種にアオシナと呼ばれる大葉菩提樹(オオバボダイジュ)があるが、シナノキに比べ一般に径が小さく、材の色は白い。
花や果実は薬用に、皮は麻布や縄の代用とし、また製紙原料として使われる。ヘラノキとも言う。