
クワ 【桑】 mulberry
[その他の名称]
ヤマグワ【山桑】、ホングワ【本桑】

クワ科クワ属の落葉広葉樹。環孔材。
学名 : Morus spp.

日本各地に自生し、樺太、朝鮮、中国にも分布。木材としての蓄積は極めて少なく貴重材である。

辺心材の区分は極めて明瞭で、辺材は黄白色、心材は黄褐色であるが、老樹になると黒味をおびる。光沢があり木理は美しい。

木質はやや重硬で加工はやや難しい。木肌は緻密で仕上がり面は美しい。狂いは少なく、心材の耐朽性、保存性は高い。
気乾比重 : 0.62

床柱や和家具、楽器、彫刻用材、碁石笥などに用いられる。茶道具の材料としては最高級とされる。
三宅島など伊豆七島産の桑材は「島桑」として江戸指物に重用されている。

桑の木は、雌雄異株または同株で4月頃に緑色の球状の花が咲き、7月頃に赤色から黒紫色の果実が熟し、食べられる。
樹皮は黄色の染料や和紙の原料となる。
葉は養蚕に利用され、カイコは桑の葉しか食べることができない。
柘は、ヤマグワの旧字。