
クス、クスノキ 【樟・楠】 camphor wood

クスノキ科の常緑広葉樹。散孔材。
学名 : Cinnamonum camphora

関東以南の暖地、特に海岸に多い。また、台湾・中国にも分布。
なお、「楠」は南国から渡来した木を意味する。

辺材と心材の境界は明瞭で、辺材は灰白色〜淡黄褐色、心材は紅褐色〜暗緑を帯びる。
材はくすんだように見えることもあるが、時に美しい杢が出ることもある。

木肌は緻密で、耐湿・耐久性に優れる。加工は容易。乾燥時には狂いが出やすい。
気乾比重 : 0.52

造作材や家具材、彫刻用材などに用いられる。特に、箪笥の引き出しや衣裳箱に用いると、衣類を虫害から防ぐ効果がある。

樹高は20m以上に達し、葉は長楕円形で、先端がとがる。
幹は枝分かれが多く樹形が悪い。
五月頃、黄白色の小花をつけ、黒色の小さな実を結ぶ。
材や葉からは樟脳(しょうのう)が採取される。材のままでも芳香が強く、虫害を防ぐ。
根瘤が付きやすく、玉杢や葡萄杢などの美麗な杢が現われる。