
カヤ 【榧】

イチイ科カヤ属の常緑針葉樹。
学名:Torreya nucifera

本州中南部から四国、九州の主として暖帯に生育。また、朝鮮にも分布する。樹高20m、周囲3mに達する。成長は極めて遅く、蓄積量は少ない。

心辺材の区別はやや不明瞭で、辺材は黄白色、心材は褐色を帯びた黄色。木理は概ね通直で、年輪幅は狭い。独特の匂いがある。

材はやや重硬で、光沢があり緻密で美しい。加工しやすく耐朽性に富む。樹脂分が多いので経年変化が美しく、独特なしぶい黄金色になる。
気乾比重 : 0.51

水や湿気に対して腐りにくいので風呂桶などの浴室用具や船舶材に賞用される。特に有名なものは、碁・将棋盤で、宮城県日向地方と奈良県春日山産が産地として名高い。そのほか彫刻にも用いる。

葉は扁平線状、革質で厚く、先端は鋭い。雌雄異株。四月頃開花。実は広楕円形で、核は食用・薬用とし、また油を搾る。
イヌガヤはイヌガヤ科に属するまったく別の樹木である。