禅宗って、何宗?


    時々お参りの方から、「このお寺は禅宗ですか。」と
  聞かれることがあり、返答に窮してしまいます。
  一般的に「禅宗」という言葉は「坐禅をする宗派」という位の
  意味に使われていますが、この意味では、「禅宗」には、
  臨済宗(りんざいしゅう)と曹洞宗(そうとうしゅう)、黄檗宗
  (おうばくしゅう)が含まれます。

    臨済宗は、鎌倉時代に栄西禅師さまが中国から招来
  されました。臨済宗は、お祖師さま方の言葉や行状を収録
  した「公案」を中心にした坐禅で、この公案と取り組みながら
  坐禅修行をし、悟りをめざします。
  現在臨済宗には、建仁寺派、南禅寺派、妙心寺派、広島県では
  仏通寺派など、十四派があります。

    曹洞宗は、永平寺の御開山、道元禅師さまが中国から
  伝えられ、総持寺御開山、瑩山禅師さまが広められました。
  現在、永平寺・総持寺の両大本山をはじめとして、約一万
  五千ヶ寺、僧侶二万人、一千万檀信徒を有しています。
  また、曹洞宗には、永平寺・総持寺というふたつの大本山が
  あっても、曹洞宗○○派という具合に分かれてはいません。
  よく、「一軒の家に、お父さんとお母さんがいらっしゃるように、
  ふたつの大本山があっても、ひとつの家なのです」という説明が
  されています。善昌寺もこの曹洞宗のお寺です。

  曹洞禅は、「修証一如、只管打坐」といい、悟りと修行は同一の
  もの、悟りをめざして坐禅をするのではなく、坐禅の姿そのものが
  悟りの姿であると教えます。
    臨済禅は看話禅(公案を考えながら坐る坐禅)、曹洞禅は
  黙照禅(心を無にして黙々と坐る坐禅)といわれますが、写真などを
  見ていちばん分かりやすいのは、通路の方を向いて坐禅している
  のは臨済宗の坐禅、壁の方を向いて坐っているのは曹洞宗と
  思っていただいて、まず間違いないでしょう。

    黄檗宗とは、浄土とは西方にあるのではなく、自己の中に
  浄土を見いだし、阿弥陀仏を発見しようという、禅と浄土思想の
  合致した念仏禅の教えで、普茶料理、煎茶等独自の文化を
  弘めました。
  おなじみの、お経にリズムを与える「木魚」は、江戸時代に
  この黄檗宗と共に伝えられたといわれています。

    以上簡単に説明しましたが、一般的に「禅宗」といわれます
  のは、臨済宗・曹洞宗・黄檗宗をひとからげにした呼び方で、
  簡単に「禅宗のお寺」といわれますと、靴の上から足を掻いて
  いるような気がいたします。