おむすびの詩
「おむすび」
風邪をひいて
扁桃腺がはれてしまった
北軽の母へ電話をした
「お母さん風邪ひいちゃったよ」
つぎの日友だちが
母に頼まれたといって
風邪薬にうがい薬――
体温計――
それとおむすびを
もってきてくれた
母のつくってくれる
おむすびは大きいので
はずかしいから小さくしてくれと
いつもいっているのに
またまた大きなおむすびを――
つめたくてあったかいおむすび
いきなりかじりついたら
中から漬物が
ごちゃごちゃ出てきた
長野県の女子高校生の詩です。親元を離れて寮か下宿にいるの
でしょう。風邪をひいたとき、お母さんの届けてくれた大きなぶかっこう
なおむすびに、母の愛を感じている姿が目に浮かんでくるようです。
今の世の中は、何でもありますし、何でも買えます。
その反面、ちょっとみんな忙しすぎるような気もします。能率や合理性を
もとめるあまり、親の都合を子供におしつけすぎてはいないでしょうか。
私のところでも、中学生の末っ子が毎日お弁当を持っていっています。
家内は毎日大変ですが、子ども達もいつか母親の心を知るときがくる
ことでしょう。
以前、子ども達・孫達の心に残る「杖ことば」を残しておくように、と
どなたかに聞いたことがあります。「杖ことば」とは、何かのおりにふっと
思い出して、心の支えになってくれるような「ひとこと」のことです。
よく「忙しい」という字は、りっしんべんに亡、心をなくすと書くといいますが、
忙しくて心を見失ってしまうようなとき、悩んで悩んで、どうしようもなくなった
ようなとき、ふっと思い出して、心を温めてくれるような、そんな「ひとこと」が
あるものです。
子ども達、孫達の心の田んぼ、心田になにか暖かい種をまいておきましょう。
不格好なおむすびの味、つぎをあてたズボンの暖かさ、一緒にしたお墓
掃除の思い出、そうした心の温もりを今一度大切にしたいものです。
