第二回中国地区リーダーズセミナー
(主催:中国地区連絡協議会) 


専務理事 中村 隆嗣(事務局長)


 2006年1月28日(土)から翌29日(日)までの日程で標記のリーダーズセミナーを実施した。昨年度はほぼ同時期に呉市郷原町で開催したが、今年度から主催が日本航空研究開発機構(JAXA)となった。今年度は中国地区連絡協議会の会長をNPO法人日本宇宙少年団備後ローズスター分団が引き受けている関係で、開催場所を福山市の広島県立福山少年自然の家とした。

今年度JAXAの中に「宇宙教育センター」が置かれ、「宇宙教育」を広範に実施できるように「各地で宇宙教育に携わるリーダーを育成」するためにこのセミナーは開催された。これまでは日本宇宙少年団の分団リーダーを対象に実施されてきたが、今年度からは対象が広く一般市民に解放された。

開催に当たって「広く一般の市民に伝える」ためにはマスコミを活用しなければ、と各新聞に掲載を依頼したが、タウン紙(リビング)、太陽新聞、中国新聞に掲載され、目にされた方々から受講申し込みがあった。また、セミナーの内容が学校教育にも関わることから福山市内及び近郊の私立・公立を問わず小中学校長宛てに案内文を送付した。

参加者は関係者を含めて57名、内一般参加者が9名。努力の甲斐なく二桁には乗らなかった。私たちの分団保護者が1名参加してくださり、二日間の研修を受講された。参加者内訳は、備後ローズスター分団23名、南ローズスター分団11名、呉やまと分団4名、広島安佐分団1名、くまげ分団1名の計5分団40名に一般9名、関係者8名であった。

<28日>

 9時半から受付を始め、10時に開会行事を開始した。公共の教育施設を使う以上「施設の使い方」の話は聞かなくてはならない。部屋の使い方、シーツの取り扱い、施設の掃除等々、日常気にしなかったことを聞かされていた。

 初日のプログラムは次の通り。

開会行事
   (10:00〜10:50)
   簡単な自己紹介(全員が)

講義「どんな人間を育てるか」
   (10:50〜11:15)
   麻生 茂(九州大学大学院教授)

講義「果たすべきリーダーの役割」
   (11:25〜12:15)
   中村 隆嗣

講義「科学する心を育てる」
   (13:40〜14:20)
   麻生 茂

講義「危機管理と安全教育」
   (14:30〜16:00)
   中村 隆嗣

教材紹介「教材について」
   (16:10〜16:50)
   高橋 徹(大分高専電気工学科教授)

実習「水ロケット製作」(17:00〜18:00)
   尾関 芳久(愛知一宮分団:分団長)

   中村 隆嗣

交流会・懇親会(18:30〜21:00)

 座学は大人も“業”である。子どもの気持ちが理解できただろうか。詳細は省くが、実習は嬉々として活動していたように思う。これまでに「水ロケット」の製作を経験したことのある者は「バルーン型」と「パラシュート型」を、未経験の者は「基本型」の製作を体験してもらった。これまでの7会場ではこうした制作活動は実施して来なかった。この地区においては昨年度から今年度にかけて新たに分団が結団され、その分団を対象にした「宇宙セミナー」で「水ロケット」については講習済みだったので、打ち上げのノウハウを身に付けていただくために制作活動を取り入れたのである。

 夜の交流会・懇親会は「自己紹介」だけで終わってしまった。50名を超える参加者一人一人が思いを含めて自己紹介。その中で若干活動にも触れていたので「交流会」にはなったかもしれないが、時間の殆どは紹介で消費した。21時を回って1次会を終え、会場の食堂を片付け・掃除し、2次会場へ移動した。狭い部屋に押し合いへし合い入り込み、体を寄せ合っての懇親会。時計の針が次の日に入り込む頃、三々五々部屋へ移動し“鼾”をかきつつ就寝。

<29日>

 研修二日目。起床後担当部署の掃除、シーツの返却等を済ませて朝食。昨夜のアルコールが若干残った顔をしたまま研修室へ。目玉はまだ寝たままだった。

 二日目の日程は次の通り

講義「子どもの特質理解」
   (8:40〜9:30)
   岡内 尊重(おかうち教育研究所代表)

実習「水ロケットの打ち上げ」
   (9:40〜11:30)
   尾関 芳久

紹介「KodomoSatプロジェクト」
   (13:00〜13:30)
   麻生 茂

講演「小型科学衛星“れいめい”の開発」
   (13:30〜15:00)

   福田 盛介
   (JAXA宇宙科学研究本部:
   宇宙情報・エネルギー工学系助手)

閉会行事
   (15:30〜16:00)

 

 子どもと同じである。座学よりは体を動かす実習を好む。グランドでの「打ち上げ実習」では、歓声が上がる。「何故飛ぶか」ということよりは、「飛距離」に目が向いている。それにしても飛んだものだ。空気圧が高かったこともあるだろうが、自然の家のグランドの南端から打ち上げた基本型が、北側の体育館の屋根に消えた。尾関委員が「中部電力では高圧線を張り替えるとき、先導の紐をつけて飛ばす」と言われたことを納得した。バルーン型・パラシュート型もそれぞれ独特の飛び方をし、大変楽しめた。分団活動でのメニューが増えたことだろう。ところで、「管制官」の役割はきちんと理解できたのだろうか。

 福田さんの講演は楽しく、面白く聴けたことだろう。地方にいてはなかなか本物に触れることはできない。そうした意味からもセミナーでの講演には意義がある。3月4日にJAXAの渡邊 勝巳さんをお迎えして講演会が開かれる。楽しみである。

 

 二日間のセミナーで、参加者はそれぞれ得るものがあったことだろう。主催した側からは「成功だった」と評価する。それぞれが学ばれたことが次世代を担う子ども達に受け継がれ、「宇宙教育」が地方に広く展開されることを期待する。また、新たな宇宙少年団のリーダーとして参画してくれればなお嬉しい。来年度は場所を変えて開催したい。多くの一般市民を巻き込んで、宇宙少年団の存在を認知させたいものである。