Fuchu Museum of
Furniture and Woodworks

府中家具木工資料館



展示品の紹介
箪笥類 index
船箪笥
薬箪笥
手許箪笥
車箪笥
階段箪笥
蒲団箪笥
衣裳箪笥
刀箪笥
帳場箪笥
水屋箪笥
膳棚
民具類 index
有明行灯
遠州行灯
丸火鉢
長火鉢
行火
煙草盆
箱膳
外居
岡持ち
唐櫃
長持
車長持
行李
衣桁
箱枕
銭箱
帳場机と結界
書見台
木製冷蔵庫
卓袱台

車長持

くるまながもち
車長持
年代 : 江戸時代
素材 : 欅 (ケヤキ)、桐 (キリ)、檜 (ヒノキ)
寸法 : W150cm×D72cm×H105cm

【解説】
 動かしやすいように底に大きな車輪が付いた長持。箪笥は引出しがあるので、長持のような箱と比べると材料も加工する手間も倍以上かかり、江戸時代の庶民には高価な箪笥を持つことが出来ず、大切な物の収納する家具として、上に開く蓋(ふた)が付いた大型の長持がさかんに使われました。
 江戸時代には、一旦火災が発生すると容易に消火することができず、特に密集地では類焼することが多く、家財道具を運んで逃げるしかなかった。そのため、長持は直ぐに出せるよう出入り口付近の土間に置かれていることが多く、運ぶのに便利なためだけでなく、土間から浮かせて湿気を防止する目的で車輪が付いたと考えられています。また、出入り口に置いておくと盗難や強盗の危険もあるので、錠前付きであるのはこのためだと思われます。
 しかし、明暦三年(1657年)に江戸で大火事があり、何万もの民衆が一斉に車長持を曳いて逃げたため路地がふさがれて大惨事が起きた。そのため幕府は、江戸、大坂、京都の三都で車長持の製造販売を禁止した。その後の長持は、棹を通して担いで運べるタイプが主流になる。
 江戸や大坂などの大都市からは車長持が消えましたが、地方では、その後も、衣類・家財・ 商品等の貴重品収納用に車長持が使われていました。


[関連リンク]   | 府中家具工業協同組合 | 木材図鑑 | 用語辞典 | 府中家具木工資料館 |
[組合運営ネットショップ]    | 府中家具.com | DIY銘木shop | 蕎麦打ち道具の館 |
(C) 府中家具工業協同組合