そば栽培2

[そば]玄そばから製粉まで



[風選別・石抜き]
11/08午後、風選別する。唐箕などないから、扇風機によって吹き飛ばす。庭にブルーシートを敷き、その上で少しづつそば実を手に取り、落下させる。そば実は手前に、その他の軽いゴミは遠くに飛ぶ。2時間かかった。
この時点で、収量は3.5kg。


11/09 石抜きする。そば実に混じっている小さな石、砂を取り除く。
大きなバケツに水を張り、実を1kg程度その中に入れる。少しかき混ぜて、浮き上がった実をザルですくう。底に沈んだものもしばらくは浮くので素早くすくい取る。石は底に沈んでいる。
実についている汚れも取れて、好都合。
あげたそば実は、直ちに新聞紙を広げて、その上で乾かす。雨が強く降り始める。

[精そば・製粉]
11/28〜29 かつての同僚、Oz、Ho両先生の協力を得て、精そば(殻取り)と製粉に取り掛かる。
当初は、我が家伝来の石臼を使ってやる予定だったが、事前にテストした結果、上臼が重過ぎ、うまくいかない。それではと、戦時中のことを思い出し、1升ビンに入れ、棒でつつくことをやってみたが、これもほとんど役に立たず。
思い余ってネットで検索していたら 、すり鉢を使っている人がいた。これなら少々時間がかかっても、なんとかなるだろうと思い、この方法を採用することにした。

1.まず、適量の玄そばをすり鉢で、なかば砕くようにして擂る。かなり力がいる。
実と殻を分離するのが目的だから、細かい粉になるまで擂らないように注意する。
写真左が玄そば、右が破砕されたそば実。


2.ある程度、実と殻が分離したところを見計らって、10メッシュの篩でふるう。篩下が砕かれた実と細かい殻、篩上が分離した殻とまだ殻取りされていない実、と分かれる。
写真中央が篩下、右が篩上。


3.篩上の殻と未分離の実を、扇風機によって風選別する。実の方は、第1工程の玄そばと同じようにすり鉢で擂る。


4.篩下の砕かれた実を製粉するため、再度、すり鉢に適量を入れ、細かくなるまで根気よく擂る。
これを、50メッシュ程度の篩(茶漉し)で篩う。写真中央が篩下、右が篩上。


5.篩下を一番粉としてもよいかと思ったが、念のため、さらに細かい70メッシュ程度の篩で篩う。この篩下が、仕上がり一番粉。篩上は、二番粉原料に戻す。


6.工程4.の篩上は、再度すり鉢ですり、50メッシュの篩で篩い、篩下として二番粉を得る。篩上が末粉。
写真は、左から一番粉、二番粉、一番右が末粉。


以上の工程をフローチャートに表すと、次のようになる。


玄そば1950グラムからの収量は、一番粉770グラム、二番粉200グラム、末粉95グラム、殻750グラムとなり、行方不明分が135グラムとなった。
玄そばに対する収量率が50%程度と低い。その原因はよくはわからないが、そばの実入りの状態、乾燥の仕方、選別(特に、風選別)のやり方によって違ってくるのだろう。
この精そば・製粉に要した延作業時間(3人の合計作業時間)は、約20時間であった。

まだ、並級玄そば(最初の風選別で軽い方に分類されたそば実)が、約1キロ残っているので、これを後日、精そば・製粉しなければならない。

[第2回精そば・製粉]
12/13、15 残りの並級玄そば860グラムを、上と同じ要領で精そば・製粉する。
収量は、一番粉290グラム、二番粉190グラムとなった。一番粉と二番粉の比率が、第1回目の上級玄そば(最初の風選別で重い方に落ちたもの)に比べて、今回の並級は二番粉の比率が著しく高い。こちらの方が軽く、未成熟実が多いと思われるので、この比率の違いは理屈に合っている。

以上、今年の収量を合計すれば、玄そば2,850グラムから、一番粉1,060グラム、二番粉390グラム、獲れたそば粉は合計1,450グラムとなり、玄そばに対する比率は約52%である。
精そば・製粉の全工程ほとんど手作業のため、作業中のロスが大きかったものと思われる。



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