4.石山寺から延暦寺へ
(写真をクリックすれば、拡大します)
今回は、発心寺と結願寺を含む湖西巡拝の旅です。
(1)石山寺と三井寺(11/23)
京阪電車終点の石山寺駅に着いたのが、お昼直前だったので、まず門前の料理店で腹ごしらえします。しじみ釜飯が美味でした。
湖西1番札所石山寺は、びわ湖百八霊場全体の1番札所でもあります。
境内は広大で、参道脇の桜の並木など春はさぞかしきれいだろうなと思いながら進むと(パンフレットに「歴史の香り漂う花の寺」とあります)、受付があり、ここで拝観料を払って境内に入り、すぐ右の石段を上っていきます。
このあたり、この寺名の由来となった硅灰石の岩石が累々と重なり、紅葉と見事な調和を見せています。
(湖西1)石山寺東大門 石山寺境内の石山と紅葉紫式部ゆかりのお寺とのことで、ちょうど「紫式部展」をやっていましたが、そこはスキップ。つれあいのたっての希望で、さらに登って源氏苑の方まで歩き、紫式部像の前で写真を撮りました。
午後2時ごろから雨が降ってきましたが、幸い、たいしたこともなく、石山寺を辞するころはあがり、石山寺駅から電車で湖西6番札所三井寺へ向かいました。
三井寺駅から琵琶湖疏水沿いに500mほど行き、石段を上ると仁王門(重文)に達します。三井寺は、天智、天武、持統の三天皇が産湯に用いられたという泉(御井=みい)があり、これが三井の名前の由来とのことです。正式には長等山園城寺と称します。
かの有名な三井晩鐘(重文)があります。
三井寺晩鐘 三井寺から琵琶湖を望むびわ湖百八霊場の御朱印札は金堂ではなく観音堂の方で頂くとのことで、広い境内をそちらに廻ります。
観音堂からは琵琶湖を見下ろす雄大な展望を楽しむことができます。同じところに、能楽「三井寺」で知られる観月舞台があります。
参拝を終わり、再び疏水沿いに三井寺駅に帰りますが、少し足を延ばして琵琶湖岸の疏水取入口を訪れました。のどかな風景が広がっていました。
琵琶湖疏水の三井寺下隧道口 琵琶湖疏水の取水口周辺電車で隣駅「浜大津」へ引き返し、駅前のホテルに入りました。今日、明日と、ここに2連泊します。
(2)坂本市街の寺々を巡る(11/24)
早朝、食事前にすぐ目の前の大津湊を散策しました。今日は好天のようで、太陽が輝かしく湖面を照らして上ってきました。大変気持ちがよい。
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大津湊の朝
京阪坂本本線を終点坂本駅まで電車に乗りました。多くの中高生で電車は満員です。みんな坂本駅で降りました。どうやら坂本に所在する比叡山学園の生徒たちらしい。
坂本は「比叡山麓、石積みのある門前町(案内パンフレット)」とのことですが、街のメインストリートは、緩やかに上りながら500mほどまっすぐ日吉大社に向かっています。その左右の街中に百八霊場の札所がいくつかあり、それらのお寺に参拝するのが今日の目的です。
まず、駅前案内所隣の湖西8番札所生源寺に参拝。
小さなお寺ですが、伝教大師誕生の地とのことで、それにちなんで生源寺と名付けられたそうです。今日は葬儀が行われるらしく、その準備に忙しくしていました。
次に、湖西10番律院。
(湖西8)生源寺本堂 (湖西10)律院庭園このあたり、見事な「穴太衆積み(あのおしゅうづみ)」と呼ばれる自然石を巧みに使った石垣を多く見ることができます。
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穴太衆積みの石垣
メインストリートの日吉大社参道を旧竹林院の手前で右に折れ、湖西11番西教寺に向かいます。市街から2キロほど離れており、30分ばかりかかりました。
西教寺も大きなお寺です。長い参道を登るうち「菊御膳」の幟を目にしました。恨みの菊御膳です。というのは、この御膳が期間限定オール予約制であることを知っていた私は、出発前に予約の電話を入れたのですが、当日満席のため、断られてしまっていたからです。
参道を登りきると、勅使門に達します。もちろん、これを通ることはできませんから、右に折れて本堂に向かいます。勅使門の裏に廻ってみました。門扉に面白い彫刻を見つけたので、写真に撮りました。下中央のが、それです。
客殿の庭園は、小堀遠州の作とのことで、見事なものです。
(湖西11)西教寺参道 勅使門扉の彫刻 西教寺客殿の庭園参詣ののち、坂本市街に引き返しますが、帰りは「山の辺の道」と呼ばれる遊歩道をとりました。
若い女性のグループと後になり先になり歩いていくと(最近感じることは、こうした霊場巡り・古寺巡りで多くの若い人たちに出会うことです)、千体地蔵尊を祀ったところに行き会いました。
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千体地蔵尊
間もなく小さな集落を過ぎようとする頃、庭先の縁台で篭に盛った柿を売っていました。柿に目のないつれあいがこれを見逃すはずがありません。少々小粒ですが、7〜8個も入った1篭を100円で買い求めました。私も1個、歩きながら丸かじりしましたが、大変美味でした。
正午前に坂本市街に帰り着き、坂本唯一のレストランに入ろうとしましたが、すでに満席。やむを得ず、旧竹林院前の茶屋の席を借りて、予備に仕入れていたおにぎりを食しました。これが本日の昼食です。
午後は、すぐ向かいの湖西9番滋賀院門跡に参拝しました。ここの庭園も小堀遠州作とのことです。
ここで、坂本市街を後にし、大社参道を逆にJR比叡山坂本駅方面に向けて下り、国道16号線の交差点を左に折れ、湖西12番聖衆来迎寺にお参りしました。50分ほどかかりました。
(湖西9)滋賀院の庭園 (湖西12)来迎寺本堂来迎寺では拝観料もいらず、参拝者は私たちだけでした。納経所にも人影がなく、「御参拝の方で御朱印札入用の方は、お札料お納めの上、おもちください」と書いてありました。
坂本駅から電車で浜大津のホテルに帰着し、今日の巡拝を終わりました。明日は、比叡山延暦寺です。
3)比叡山延暦寺参拝(11/25)
早朝、ホテルを出、電車で再び坂本駅へ、駅からケーブル駅まで歩き、ケーブルで比叡山駅に着いたのが、8:41。そこから歩いて比叡山の中心である東塔エリアに9時ごろ着きました。
まずもって、根本中堂にお参りします。団体客で溢れかえっています。
ご本尊薬師如来の前に「不滅の法灯」が開基以来、1200年間消えることなく灯りつづけているとのことです。内陣が我々参拝者より低い地下のようなところにあり、荘厳というか、一種異様な感情にとらわれました。
ここ延暦寺は湖西27番札所ですが、びわ湖百八霊場の108番目、結願寺です。ご朱印札はここ根本中堂ではなく、横川中堂でなければいただけません。横川エリアはシャトルバスで15分ほどのところにあり、しかもバスの発車本数は限られています。
(湖西27)延暦寺根本中堂 延暦寺横川中堂脇の紅葉はたと困りました。昼食は延暦寺会館に予約してあるので、横川行きバス時刻との整合がうまくいきません。会館と掛け合って、11頃食事(精進料理)にしてもらい、何とか予定のバス時刻に合わせることができました。
横川中堂にお参りし、御朱印札をいただき、再び東塔エリアに帰りました。ここのバスセンターから京都駅行きバス15:11に乗りました。京都市内は大渋滞で、予定より30分ほど遅れて京都駅に着きました。
今回の巡拝は、1番札所石山寺から途中、比叡山山麓の門前町坂本を経て、いきなり結願寺延暦寺への大ショートカットの旅でした。
どこも紅葉がきれいでした。
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