August,1999

"Y" (Ch.d'yquem) '79
(France-Bordeaux)
”イグレック”(シャトー・ディケム)

R de Rieussec '89
(France-Bordeaux)
エール・ド・リューセック

Sauternes (Francois Remy) '67
(France-Bordeaux)
ソーテルヌ(フランシス・レミー)

Saint-Aubin Les Charmois '92
(France-Bourgogne)
サントーバン・レ・シャルモ

Chateau-Grillet '92
(France-Cotes du Rhone)
シャトー・グリエ

Les Haut Terrasses '95
(France-Cotes du Rhone)
レ・オー・テラセス

Domaine de Trevallon '95
(France-Cotes de Provence)
ドメーヌ・ド・トレヴァロン

Cigala '96
(France-Languedoc Roussillon)
シガラ

Chevaliere Reserve Rouge '97
(France-Languedoc Roussillon)
シュヴァリエール・リザーブ・ルージュ

Caymus Conundrum '97
(America-California)
ケイマス・コナンドラム

Cloudy Bay Sauvignon Blanc '97
(New Zealand-Marlborough)
クラウディー・ベイ・ソーヴィニヨン・ブラン

Santa Rita 120 Chardonnay '96
(Chile-Central Valley)
サンタ・リタ 120(シエント・ベインテ)シャルドネ

Graacher Himmelreich (Kabinett) '89
(Germany-Mosel Saar Ruwer)
グラッヒャー・ヒンメルライヒ(カビネット)

Veuve Clicquot Ponsardin Rich Reserve '90
(France-Champagne)
ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン・リッチ・レゼルヴ

Cordon Rouge
(France-Champagne)
コルドン・ルージュ



France-Bordeaux

"Y" (Ch.d'yquem)
”イグレック”(シャトー・ディケム)

AOCボルドー 白 (Se,SB)
('79 \?)

 世界の貴腐ワインの最高峰と誰もが認めるシャトー・ディケムが造る辛口の白ワインが「イグレック」です。79年というヴィンテージともなれば、かなりレアなワインであることは確かです。
 やはりユニークなワインですね。その色はまさに黄色。香りには、蜂蜜やアプリコット様の貴腐ワイン的な甘さを感じます。それは「イケムの香りに共通する」という人も。飲んでみると、そのヴォリューム感、樽、ほんのりとした甘味も感じさせながら、余韻がかなりシャープで、薬草酒のニュアンス。約4時間もの間、芳醇な香りを保っていたことも特筆すべき部分でしょう。


R de Rieussec
エール・ド・リューセック

AOCボルドー 白 (Se,SB)
('89 \2,400 375ml)

 このワインも上記のワインと同じく、シャトー・リューセックが造る辛口です。やはり、全体的なイメージとしてはイグレックととても共通する部分があります。
 印象的だったのは、そのひんやりとした香り。香りが弱いということではなく「冷たさ」を感じるのです。よくフォワグラの前菜にソーテルヌをという組み合わせを聞きますが、このワイン、フォワグラと相性が良さそうです。94や95ヴィンテージが2500円前後で出ているようなので、そちらも試してみたいですね。

Sauternes (Francois Remy)
ソーテルヌ(フランシス・レミー)

ソーテルヌ 白 (Se,SB)
('67 \?)

 ワイン会でいただいたACソーテルヌ、貴腐ワインです。当然、この地区を代表する貴腐はイケムなのですが、32年も経ったACソーテルヌがまだまだ飲めるということにビックリ。寿命の長さは、世界一の地区?
 甘さの中にも、草原にいるような爽やかさを感じたワインでした。

なお、このボルドーの白3本は、すべてソーテルヌ地区のワインですが、AOCソーテルヌとして認められているのは「甘口」のみのため、格付けシャトーである、シャトー・ディケムやリューセックが造っても、辛口は「AOCボルドー」となります。



France-Bourgogne

BEST TASTY WINE OF THIS MONTH

Saint-Aubin Les Charmois
サントーバン・レ・シャルモ

サントーバン 白 (Ch,PB)
('92 \10,000 1500ml)

 「サントーバン」意外と飲む機会の少ないこの村のワイン。ピュリニィ・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェの西に隣接し、その斜面の谷あいに位置するサントーバン村は、素晴らしい赤と白を産出。それは、プルミエ・クリュが10ヶ所あることからも想像できます。プルミエ・クリュ「レ・シャルモ」の畑は、シャサーニュ・モンラッシェのプルミエ・クリュ「レ・ショーメ:Les Chaumees」の隣に位置します。
 この造り手、ドメーヌ・ラモネは、1920年代に創設された、シャサーニュ・モンラッシェで最重要視される5ッ星生産者。ル・モンラシェを頂点に数々のグラン・クリュ、プルミエ・クリュを所有。樹齢の高いぶどう園から、厳しい収穫制限により高品質のワインを生み出すことは周知の事実のようです。
 92年のマグナムボトル。こんなワインがあったこともビックリですが、そのワイン自体も賞賛に値します。香ばしいオークの風味とシャープな酸味とミネラル。ボディ自体はミディアムなのですが、素晴らしい果実のアロマとその余韻。複雑なハーブ香の中に、フッと甘さも感じました。
 (ドメーヌ・ラモネ)プルミエ・クリュ



France-Cotes du Rhone

Chateau-Grillet
シャトー・グリエ

シャトー・グリエ 白 (ヴィオニエ)
('92 12,000)

 「シャトー・グリエ」この名前は、シャトー名、ワイン名、そしてAOC名を兼ねています。コンドリューの地域の中に位置するこのシャトー・グリエは、コンドリューが原産地統制される2年前、1938年にAOC指定を受けました。
 渋谷康弘ソムリエが書かれた「太陽の香り」によると、このシャトー・グリエの歴史は、13世紀から始まっており、この地域は特別扱いされてしかるべき区画ということ。

このワインはこちらで詳しく説明しています。
 (ネイエ・ゴシェ家)




Les Haut Terrasses (Vin de Pay de Vaucluse)
レ・オー・テラセス(ヴァン・ド・ペイ・ド・ヴォクリューズ)
ローヌ 赤 (シラー100%)
('95 \5,000位)

 ローヌ南部でシラー100%にて造られるヴァン・ド・ペイ(地酒)。その凝縮した果実味に驚き、スパイシーな風味と元気なタンニンを持つ骨格のあるワイン。何故このワインがヴァン・ド・ペイなのか?
 南仏ヴォクリューズ県にあるAOC(シャトーヌフ・デュ・パプ、ジゴンダス、ヴァケラス他)はブドウ一品種によるワインの生産は許されておらず、指定品種を何種類か混ぜて造らなければならないという規定があります。このワイン、そんな法律を吹き飛ばすようなワインです。
(Damaine des Amourlers)



France-Cotes de Provence


Domaine de Trevallon (Vin de Pays des Bouches du Rhone)
ドメーヌ・ド・トレヴァロン (ヴァン・ド・ペイ・デ・ブーシュ・デュ・ローヌ)

プロヴァンス 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン、シラー)
('95 \5,000)

 プロヴァンス最高の赤ワインとして評価の高いドメーヌ・ド・トレヴァロン。以前は、「コトー・デクス・アン・プロヴァンス」のAOC(原産地呼称)で出荷されていましたが、INAO(フランスの原産地呼称委員会)の法改正に反発したデュルバック氏は、近年のこのワインをヴァン・ド・ペイ(地酒)としています。

このワインはこちらで詳しく説明しています。
 (ドメーヌ・ド・トレヴァロン)



France-Languedoc Roussillon

BEST VALUE WINE OF THIS MONTH

Cigala (Vin de Pay d'Oc)
シガラ (ヴァン・ド・ペイ・ドック)
ラングドック 赤 (シラー、グルナッシュ、ムルヴェードル、カリニャン)
('96 \1,000位)

 ローヌを代表する造り手、シャプティエがラングドックで造るヴァン・ド・ペイ。「シガラ」というのは、オック地方の言葉で「幸せ」を意味します。
 このワイン、そのブドウ品種が示すように、本当に「南フランスらしい」ワイン。スパイシーな香り、フルーティーな果実味が素直に伝わり、コクも感じます。ミディアムボディでなめらか。美味しいワインです。
 このワインを飲んで感じた事。ヴァン・ド・ペイもきちっとした造り手になるとかなりの高水準のワインが出来るという事。そして近年、著名な評論家の間でも注目されているラングドック。「日常消費用ワインの生産基地」という認識は変えていく必要がありそうです。
(M.シャプティエ)



Chevaliere Reserve Rouge (Vin de Pay d'Oc)
シュヴァリエール・リザーブ・ルージュ

ラングドック 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン、メルロー、シラー)
Chevaliere Reserve Blanc (Vin de Pay d'Oc)
シュヴァリエール・リザーブ・ブラン

ラングドック 白 (シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン)
(共に'97 \1,500)

 シャブリの著名な生産者であるドメーヌ・ラロッシュがラングドックのほぼ中心に位置するベジエの町に購入したエステート、ドメーヌ・ラ・シュヴァリエール。このエステートの壁に囲まれた6haの葡萄畑は高級葡萄品種に植え代えられ、敷地内に超近代的なワイナリーが建設されました。この特徴的なボトルは、ドメーヌ・ラ・シュヴァリエールを購入した時、セラーで見つけられた18世紀頃のラングドック地方独特の瓶型だそうです。
 とにもかくにも、赤白ともに、元気の良い南仏系。ラロッシュの新たなチャレンジが感じられる美味しいワインです。普段飲みに最適。
(ドメーヌ・ラ・シュヴァリエール)



America-California


Caymus Conundrum
ケイマス・コナンドラム

カリフォルニア 白 (品種下記参照)
('97 \3,300)

 1972年、ナパのラザフォードに設立され、卓越したカベルネの生産者として名高いケイマス。オーナーのチャールズ・ワグナーは、長い間ナパでブドウの栽培に携わってきた人物。「スペシャル・セレクション」はカリフォルニア好き憧れのスーパープレミアムです。
 シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ヴィオニエ、ミュスカという5種類もの品種をブレンドして造られるこのワイン。ハーブの香りや甘いフルーツ香。やや低めの酸と、ふくよかなボディ。好きですね、この味は。
 でもこのワイン、ブラインドで飲んだら絶対当たらない。当てられる訳がない。実は、コナンドラムというのは「謎、難問」という意味。洒落のきいたネーミング、伝統にとらわれないカリフォルニアらしいワインですね。
(ケイマス・ヴィンヤード)



New Zealand-Marlborough



Cloudy Bay Sauvignon Blanc
クラウディー・ベイ・ソーヴィニヨン・ブラン
マールボロ地区 白 (ソーヴィニヨン・ブラン)
('97 \3,000)

 西オーストラリアのケープ・マンテルを経営する、デヴィット・ホーネンが1985年に創業したワイナリー。1990年にあのヴーヴ・クリコに買収され、ルイ・ヴィトン・モエ・エ・ヘネシーの傘下となりました。
 ここのシャルドネと共に、その品質の高さは評判の通り。親しみやすい柑橘系の香り、果実味がストレートに伝わってくる美味しいワイン。
(クラウディー・ベイ・ヴィンヤーズ)




Chile-Central Valley


Santa Rita 120 Chardonnay
サンタ・リタ 120(シエント・ベインテ)シャルドネ

セントラル・ヴァレー 白 (シャルドネ)
('96 \1,150)

 マイポ・ヴァレーにあるチリ3大ワイナリーの一つ、サンタ・リタ。1810年のスペインからの独立戦争の時、戦場から敗走した兵士120名をこのワイナリーがかくまったという逸話があります。このワインの120(シエント・ベインテ)というのは、この話に因んだもの。コミック「ソムリエ」の中にも、「誇り」の象徴として登場しました。
 実はブラインドで飲んだこのワイン。最初に発した言葉は「これ美味しい!」。そんなこと聞いてるんじゃない(笑)。実際、芳醇な香りはバニラやフルーツ、スムースな飲み心地に豊かな果実と酸のいいバランス。どこかハーブのような余韻。美味しいワインです。



Germany-Mosel Saar Ruwer


Graacher Himmelreich (Kabinett)
グラッヒャー・ヒンメルライヒ(カビネット)

モーゼル 白 (リースリング)
('89 \2,910)

 ドイツで最も地価の高い畑といわれる「ベルンカステラー・ドクトール」で有名なDr.H.ターニッシュ。1901年以来かわらない石版画のラベルはおなじみかもしれません。
 ベルンカステル地区のグラーハで造られる10年前のリースリング。この品種は熟成によってその華やかさが増すということ。確かに酸味も丸くなり、それがボディにふくらみを与えているようです。このヴィンテージで、このお値段。価格の高騰していないドイツ、今お買い得でしょう。
(Wwe.Dr.H.ターニッシュ)




France-Champagne


Veuve Clicquot Ponsardin Rich Reserve
ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン・リッチ・レゼルヴ
('90 \7,000)

 シャンパンを選ぶ時、何故か手が伸びるお気に入りのヴーヴ・クリコ。このリッチ・レゼルヴは最近発売された新しいシリーズのようです。
 正直言って、これ最高です。ドサージュによってやや甘味を強調した造りのようですが、その甘味は決して出過ぎずふくらみも十分、かすかな熟成香が高級なイメージも醸し出し、かなりの高次元でのバランスを保っています。多分、ヴーヴ・クリコの中でも、最もお買い得な、そして飲む人を選ばないワインではないでしょうか。絶対おすすめです。
(ヴーヴ・クリコ)


Cordon Rouge
コルドン・ルージュ
(NV \4,500)

 個人的に最も好きな映画「カサブランカ」。イングリッド・バーグマンとハンフリー・ボガートが別れの前、パリの一室で再会を誓うシーン。そこで登場するシャンパンがコルドン・ルージュ。乾杯の言葉はあの名文句「Here's, lookin' at you, kid!(君の瞳に乾杯!)」。
 シャンパンの典型とでも言えそうなバランスのとれた味わい。コクのあるタイプではありませんが、ほんのり漂う甘さとドライなフィニッシュ。是非このシャンパンで、素敵な乾杯を! 
(G.H.マム社)



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