July,1999 (2)

Hermitage le Chevalier de Sterimberg '94
(France-Cotes du Rhone)
エルミタージュ・ル・シュヴァリエ・ドゥ・ステランベール

Cotes de Provence "La Deesse" '97
(France-Cotes de Provence)
コート・ド・プロヴァンス ”ラ・デエス”

Tokay Pinot Gris Jubilee '97
(France-Alsace)
トケイ・ピノ・グリ・ジュビリー

ICI/LA-BAS "Les Reveles" Oregon Pinot Noir '96
(America-Oregon)
イシ・ラバ ”レ・ルヴェル” オレゴン・ピノ・ノワール

Domaine Drouhin Oregon Pinot Noir '96
(America-Oregon)
ドメーヌ・ドルーアン・オレゴン・ピノ・ノワール

Ken Wright Cellars Canary Hill Vineyard Pinot Noir '97
(America-Oregon)
ケン・ライト・セラーズ・カナリー・ヒル・ヴィンヤード・ピノ・ノワール

Amity Willamette Valley Oregon Pinot Noir '95
(America-Oregon)
アミティ・ウィラメット・ヴァレー・オレゴン・ピノ・ノワール

Rosemount Traditional '95
(Australia-South Australia)
ローズマウント・トラディショナル

Capel Vale Kinnaird Shiraz '96
(Australia-West Australia)
ケイペル・ヴェール・キネード・シラーズ

Navarro Correas Pinot Noir '84
(Argentine-Mendoza)
ナバロ・コレアス・ピノ・ノワール

Navarro Correas Colleccion Privada '84
(Argentine-Mendoza)
ナバロ・コレアス・コレクシオン・プリバダ



France-Cotes du Rhone


Hermitage le Chevalier de Sterimberg
エルミタージュ・ル・シュヴァリエ・ドゥ・ステランベール

エルミタージュ 白 (マルサンヌ、ルーサンヌ)
('94 \4,850)

 1834年に創設された、この地区での重要な生産者の一つがポール・ジャブレ。ここのフラッグシップは、ロバート・パーカーも100点をつけた「エルミタージュ・ラ・シャペル」。エルミタージュは、当然赤ワインが有名なのですが、白もあるのです。このシュヴァリエ・ドゥ・ステランベールは、コーティングタンクで発酵、のち小樽で熟成されます。
 高めのアルコール香、やや甘味を感じさせるフルーツやナッツ。やさしい酸味と豊かな果実味は、やはり同じローヌの白「コンドリュー」に近いニュアンスがあります。シャルドネに飽きた方におすすめです。
(ポール・ジャブレ)



France-Cotes de Provence

Cotes de Provence "La Deesse"
コート・ド・プロヴァンス ”ラ・デエス”

コート・ド・プロヴァンス ロゼ (カリニャン、グルナッシュ、サンソー他)
('97 \980 375ml)

 フランスのロゼワインの中で、最も生産量が多いのが、ここプロヴァンスのロゼ。ドメーヌ・オットは、この地方で最も有名なメーカーの一つで、この胴のふくらんだ洒落た形のボトルは、もうお馴染みだと思います。
 実はこのワイン、ドメーヌ・オットが所有する、シャトー・ド・セルのプロヴァンス。"La Deesse"とは、"女神"の意味。淡い色調、柔らかいアルコール、軽やかな酸味。そう女神のように優しいワイン。やっぱりリゾート地に似合うかな?これから夏にかけて、テラスなんかでよく冷やして飲みたいワイン。
(ドメーヌ・オット:シャトー・ド・セル)



France-Alsace

Tokay Pinot Gris Jubilee
トケイ・ピノ・グリ・ジュビリー

アルザス 白 (ピノ・グリ) 
('97 \3,800位)

 ヒューゲル社は1639年創業のアルザスの名門。日本でもお馴染みのメーカーですね。ジュビリーは、ヒューゲル社の創業350周年を記念して造られた自社畑産のブドウを使った上級キュヴェです。
 アルザス地方では、ピノ・グリ種をトケイと呼びます。「グリ」というのは「灰色」という意味で、実際にこのブドウは紫がかった灰のような色だそうです。
 このワイン、あるレストランでおすすめされた物なんですが、ちょっと??ふくよかなボディは感じるのですが、リースリングなどに見られる石油香、やや青い苦味を伴うフィニッシュ。提供温度が少し高かったのと、97年というのは、飲むには早すぎたのか?
 やはり、この季節は少し冷やし気味で飲みたい。それにこのワイン、出した人は飲んでないんだろうなあ。
(ヒューゲル・エ・フェス社)





America-Oregon


ICI/LA-BAS "Les Reveles" Oregon Pinot Noir
イシ・ラバ ”レ・ルヴェル” オレゴン・ピノ・ノワール

オレゴン 赤 (ピノ・ノワール)
('96 \5,500)

 「ici」ここに、「la-bas」あそこに、という意味。このワイン、オレゴンのピノ・ノワールのはずなのに、ラベルには「Santa Maria, CA」での醸造、瓶詰めとなっている。
 つまり、あのオ・ボン・クリマのジム・クレンデネンが、オレゴンで採れたブドウをカリフォルニアまで、運んでワインにしていたのです。
 いやー、クールなワインです。冷涼な気候を感じさせる果実の奥から見え隠れする甘さがなんともいえません。樽も効いているのですが、凝縮感もあるため、あまり強くは感じませんでした。
(イシ・ラバ)


このワインは、こちらで詳しく紹介しています。

BEST TASTY WINE OF THIS MONTH

Domaine Drouhin Oregon Pinot Noir
ドメーヌ・ドルーアン・オレゴン・ピノ・ノワール

オレゴン 赤 (ピノ・ノワール)
('96 \6,000)

 1880年より続くボーヌの名ネゴシアン、ジョセフ・ドルーアン。そのドルーアンが今オレゴンで大々的に力を入れているのが、このドメーヌ・ドルーアンです。
 今では、天皇陛下訪米の際、クリントン大統領主催の歓迎晩餐会でも供されたというこのピノ・ノワール。オレゴンで最も人気のある銘柄となっています。
 このワインについて、造り方云々言いたくなくなりました。本当にバランスのとれたピノ・ノワール。赤い果実の甘い香り、新鮮な酸味、柔らかなタンニン、このヴィンテージですでに美味しい。重くなく軽くなく、食事をより美味しく感じさせるワインです。
(ドメーヌ・ドルーアン)


このワインも、こちらで詳しく紹介しています。


Ken Wright Cellars Canary Hill Vineyard Pinot Noir
ケン・ライト・セラーズ・カナリー・ヒル・ヴィンヤード・ピノ・ノワール

オレゴン 赤 (ピノ・ノワール)
('97 \5,000)

 今、オレゴンでも人気のワイナリー、ケン・ライト。5つの単一畑から生み出されるピノ・ノワールの評判は現地では定評があるようです。近年のパーカー氏のワイン・アドヴォケイト誌では、96年産のピノ・ノワールすべて86点から89+点の高評価を受けています。
 鮮やかなルビー色のワインからは、ほんのりとイチゴやチェリー系の甘さが漂います。ボディ自体は思ったほど強くはなくミディアムでとてもスムースな飲み口。きれいな造りを感じさせるこのワインは、「オレゴンワインにサーモンを合わせて」という意味が分かりました。
(ケン・ライト・セラーズ)


Amity Willamette Valley Oregon Pinot Noir
アミティ・ウィラメット・ヴァレー・オレゴン・ピノ・ノワール

オレゴン 赤 (ピノ・ノワール)
('95 \2,690)

 1976年、オレゴンのポートランドの南西45マイルのヤムヒル・カウンティに創業のアミティ・ヴィンヤード。ウィラメット・ヴァレーは、オレゴンの中でも有名なピノ・ノワールの産地です。
 このピノ・ノワール、フレンチ・オークの古樽にて、約10ヶ月熟成。あえて、新樽を使わない主義らしい。ブドウ自体のフレーバーを活かすという事なのでしょう。味を思い出すと、しっとりとした感じ、やや強く複雑味を帯びるタンニンは、ブドウの果皮からのものなのでしょうか。しっかりしたピノ・ノワールが好みの方におすすめ。この価格はお買い得だと思います。
(アミティ・ヴィンヤード)



Australia-South Australia

Rosemount Traditional
ローズマウント・トラディショナル

マクラーレン・ヴェール 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー20%、プチ・ヴェルド10%)
('95 \2,600)

 1888年、南オーストラリア州、マクラーレン・ヴェールで創業のローズマウント。今ではマクラーレン・ヴェール、クナワラ、アッパー・ハンター・ヴァレーなどで、赤白様々な種類のワインを産出します。
 このトラディショナルは、カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー20%、プチ・ヴェルド10%のボルドー・ブレンド。しかし味わいはちょっと違います。
 アメリカン・オークで18ヶ月を経たワインは、黒に近い色調、バニラとトーストの香り、噛むようなタンニン、ヴォリュームあります。新世界ならではの力強さ。お家で何日かに分けて飲むといいかも。ここの「シャルドネ・ショー・リザーヴ」が飲んでみたい。
(ローズマウント)

Australia-West Australia


Capel Vale Kinnaird Shiraz
ケイペル・ヴェール・キネード・シラーズ

マウント・バーカー 赤 (シラー)
('96 \6,000)

 あるワイン会で供されたこのワイン。この無骨なボトル、ほとんど黒で銀の活字。その重さが半端じゃない。DRCに匹敵するほど。。。約2時間前に抜栓されたこのワインは、西オーストラリア州のマウント・バーカーにあるウイスパーリング・ヒル・ヴィンヤードから産出されるシラー。フレンチ・オークの新樽30%にて18ヶ月熟成。
 これはいいワインです。非常に濃い黒に近い色から、甘いフルーツ香、柔らかなバニラ香と共にシラー独特のスパイスを感じます。アタックはかなり強烈で、タンニンもしっかり感じるのですが、果実味とのバランスが良いからでしょうか、全体の調和がとれ、丸く飲みやすい。ここまで凝縮されながら、なおかつ優雅な雰囲気を持ち合わせるワイン。かなりおすすめ。
 しかしながら、最後にお値段を聞いてびっくり。確かにその価値はあるように思うのですが、オーストラリアとしては、かなり高い!
(ケイペル・ヴェール)





Argentine-Mendoza

BEST VALUE WINE OF THIS MONTH

Navarro Correas Pinot Noir
ナバロ・コレアス・ピノ・ノワール

メンドーサ州 赤 (ピノ・ノワール)
('84 \4,800)
Navarro Correas Colleccion Privada
ナバロ・コレアス・コレクシオン・プリバダ

メンドーサ州 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー)
('84 \4,800)

 昨年11月の「お題目」でも特集したアルゼンチン・ワイン。またまた、注目のアルゼンチンです。
 ナバロ・コレアス社は、200年以上の歴史を持つワイナリーで、毎年限定生産のプレミアム・ワインを造っているらしい。各ボトルには、その年の総生産量と通しナンバーが記されています。

 まず、驚いたのがこのピノ・ノワール。まるでブランデーでも入っていそうなボトルです。15年も前のピノ・ノワールというと、ブルゴーニュでも1級クラス以上でないと怪しいと思うのですが、このワインは90年代の物と言ってもおかしくない位、活々しています。とくにその甘味に興味が惹かれます。チェリーを思わせる果実と控えめな酸味が絶妙です。ほとんど見かけないアルゼンチンのピノ・ノワール。こんなピノ・ノワールがあった事自体、びっくりです。

 ここのカベルネ・ブレンドは、「コレクシオン・プリバダ(プライベート・コレクションの意味)」として出され、ラベル上部の絵画は、ムートンのごとく毎年変わるようです。これも素晴らしいワイン。重厚ながら均整のとれた優美な味わいは、サンテミリオン辺りのワインに喩えられそうです。他にも、ペティ・シラー、ソーヴィニヨン、シャルドネがあるようなので、気になります。
(J・エドムンド・ナバロ・コレアス社)

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