June,1999 (2)

Ch. Guiraud '90
(France-Bordeaux)
シャトー・ギロー

Condrieu '97
(France-Cotes du Rhone)
コンドリュー

Gewurztraminer '96
(France-Alsace)
ゲヴュルツトラミネール

Moscato D'Asti '97
(Italy-Piemonte)
モスカート・ダスティ

Al Poggio '94
(Italy-Toscana)
アル・ポッジオ

Ch. Woltner Estate Reserve '86
(America-California)
シャトー・ウォルトナー・エステート・リザーヴ

Robert Mondavi Chardonnay Carneros '95
(America-California)
ロバート・モンダヴィ・シャルドネ・カーネロス

Sanford Chardonnay '93
(America-California)
サンフォード・シャルドネ

Penfolds The Valleys Chardonnay '96
(Australia-South Australia)
ペンフォールド・ザ・ヴァレーズ・シャルドネ

Salon '88
(France-Champagne)
サロン

Krug Grande Cuvee Brut
(France-Champagne)
クリュッグ・グランド・キュヴェ・ブリュット

Taittinger Comtes de Champagne Blanc de Blancs '89
(France-Champagne)
テタンジェ・コント・ド・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン

Taittinger Brut Millesime '90
(France-Champagne)
テタンジェ・ブリュット・ミレジム

Alain Robert Le Mesnil Blanc de Blancs '84
(France-Champagne)
アラン・ロベール・レ・メニル・ブラン・ド・ブラン

Brundlmayer '94
(Austria-Langenlois)
ブランドルマイヤー

今月は「白ワイン」と「シャンパン」特集



France-Bordeaux


Ch. Guiraud
シャトー・ギロー

ソーテルヌ 白 (Se65,SB35)
('90 \10,000位)

 ソーテルヌ地区の貴腐ワインとして日本でも名の知れたシャトー・ギロー。この地区にしてかなり大規模なシャトーで、95haの畑を所有。ボルドーの貴腐ワインとしては、ソーヴィニヨン・ブランの比率が多い。
 かなりオレンジに近い深みのある色。当然蜜のような甘さもあるのですが、果実の熟した甘さが印象的な大柄なワイン。ただし、まだ輪郭もはっきりしていて、熟成途中という感じ。今飲んでも美味しいのですが少しもったいない。これは、あと10年以上我慢すれば、もっとびっくりするようなワインになるんだろうな。
(ソーテルヌ地区第1級)


France-Cotes du Rhone


Condrieu
コンドリュー

コンドリュー 白 (ヴィオニエ)
('97 \5,000位)

 この造り手に関しては、詳細が分からないのですが、コンドリューというワインの特徴が良く分かったように思いました。今まで、コンドリューは甘味を感じると思い込んでいたのですが、それは、フルーツを凝縮させたような香りからくる先入観だったようです。
 たっぷり太陽の光を浴びた花を思わせる香りは、このヴィンテージにしてびっくりするくらい芳醇で、柔らかな酸味と長くドライな余韻が素晴らしい。美味しいですね、コンドリュー。
(ピエール・ガイラード)



France-Alsace


Gewurztraminer
ゲヴュルツトラミネール

アルザス 白 (ゲヴュルツトラミネール)
('96 \1,530 375ml)

 ドイツのブドウ品種を辛口白に仕立てるアルザスのワイン。トリンバック社は、1626年創業という大変歴史のある醸造所です。
 ゲヴュルツトラミネールという品種は、ドイツ語で「香辛料」を意味します。その強い芳香が特徴的。ライチと表現される香り、白胡椒のようなスパイス、身近なところでは、マスカットのような感じもあります。やや甘味も感じるこのワインは、これからの季節にピッタリでしょう。野外でもどうぞ。
(トリンバック社)



Italy-Piemonte


Moscato D'Asti
モスカート・ダスティ

ピエモンテ 白 (モスカート・ビアンコ)
('97 \1,300 375ml)

 モスカート・ダスティは、アスティ県などで産出される弱発泡性のワイン。同じモスカート種から造られる発泡酒は「アスティ・スプマンテ」。つまりこのワインはマスカットのような芳香を持つ甘口ワインです。そのアルコール度数は約6%と低く、弱発泡のため口当たりもよく、お酒のあまり強くない方でも美味しく頂けるのではないでしょうか。またこれからの季節、ちょっと冷やし気味にして食前酒でも良し、デザートに飲んでも良し。応用範囲の広いワイン。
 ブリッコ・ロッケの畑で造られるバローロで有名なチェレット社のモスカート・ダスティは、ご覧の通りボトルもお洒落。おすすめです。
(チェレット)DOCG

Italy-Toscana

Al Poggio
アル・ポッジオ

キャンティ地区 白 (シャルドネ100%)
('94 \3,000位)

 カステッロ・ディ・アマ、単一ブドウ畑から造られるキャンティの「カスッチャ」や「ベラヴィスタ」で有名な造り手。そして一世を風靡し入手困難となった、メルローで造るスーパーVdT「ラッパリータ」。
 そんな人気上昇中のアマがトスカーナで産出する白ワイン。シャルドネ100%をフレンチ・バリックで6ヶ月半の熟成、そして瓶熟1年を経てから出荷されます。
 第1印象は、とてもすんなりと飲み口はスムースで素直に美味しいのですが、しっかり余韻が残り複雑味を感じます。これで、香りがもう少し華やかだったら申し分ないのですが。個人的には「惜しい」ワイン。赤ワインに期待したいですね。
(カステッロ・ディ・アマ)



America-California


Ch. Woltner Estate Reserve
シャトー・ウォルトナー・エステート・リザーヴ

ナパ・ヴァレー 白 (シャルドネ)
('86 \2,980)

 シャトー・ラミッション・オー・ブリオンを所有していたウォルトナー一族の当主が、カリフォルニアで造る白として名高いシャトー・ウォルトナー。最上とされる90年のタイタス・ヴィンヤードを飲んだ時には、その素晴らしさに感激しました。
 今回の86年エステート・リザーブは、フランスで言えばACブルゴーニュのような物です。値段も2980円でした。
 その時に本当のACブルゴーニュ85年と一緒に飲んだのです。ACブルゴーニュ85は、やはり「枯れかけ」のニュアンス。すでに線が細くなってる。しかし86のエステート・リザーブのしっかりしている事。カリフォルニアらしい芳醇な果実味が年をとってより甘味が増し、フルーツが熟れ熟れになってる感じ。そして全体が丸みを帯びています。素直にいいワインだと思っていたのですが。。。

 しかしながら、ちょっと気になるお話を頂戴しました。大学の先輩でもあるH氏からの報告です。

 「シャトー ウォルトナー88を購入しました。飲んだ感想はちょっと酸っぱいかなと言う感じで”こんなものかな”と、正直言って期待外れのものでした。
 数日して再度お店に行ったら張り紙が!!
”88年は多量の酸化防止剤の混入が認められたので、返金します。”早速、購入履歴を確認して、返金してもらいました。
 折角だから、本当の味を再度試したいと思い、87ものを購入。そうしたらコルク臭とカビ臭で飲めたものではありませんでした。これはおかしいと思い、開けたコルクを再度お店に持参。店長自ら”これはブショネです。”と平誤りでした。
 今度こそ大丈夫と言われ同じ87を持って帰り飲みました。でも今までの経緯、不安感が先行してしまって美味しいとは言えませんでした。」

 実際にヒュー・ジョンソン氏のポケット・ワイン・ブックにはこう書かれています。
「若いうちに飲むと風味がよいが、長寿の秘訣をつかむのはこれから。」
 86エステート・リザーヴを飲んだ時に、「そうなのかなあ?」って不思議に思っていたのですが、87、88にそんなニュアンスがあったのならば、ジョンソン氏もH氏の経験された事を前提に書かれていたのかもしれません。
 詳しい事をご存知の方は、ご連絡下さい。




Robert Mondavi Chardonnay Carneros
ロバート・モンダヴィ・シャルドネ・カーネロス

ナパ・ヴァレー 白 (シャルドネ)
('95 \5,000)

 あまりにも有名すぎて、飲みそうで飲まないロバート・モンダヴィのワイン。これは近年リリースされた、モンダヴィの新シリーズ、「ディストリクト・ワイン」。「最先端、テクノロジー」というイメージの強かったモンダヴィは、今では人為的な醸造を極力抑え、木製の上面開放発酵槽、殺虫剤などの使用もせず、ノン・フィルターにて瓶詰めしています。
 その調和のとれた、バニラ香とフルーツ香は、香りだけで飲み手の注意をひきます。ボリューム感のあるボディは、スマートな酸によってひきしめられ、重くは感じさせません。ただ、後味にやや青い苦みが感じられたのですが、これは、もう少し熟成させると変わってくるのでしょうか?いづれにせよ、注目の新シリーズです。
(ロバート・モンダヴィ社)


Sanford Chardonnay
サンフォード・シャルドネ

サンタ・バーバラ 白 (シャルドネ)
('93 \2,000)

 サンタ・バーバラを代表する畑「サンフォード&ベネディクト」を所有しているサンフォード。オ・ボン・クリマやフォクセンなどにブドウを供給し、ワイン・スペクテイター誌は5ツ星ワイナリーに格付けしています。
 ナッツやフルーツを思わせる芳醇な香り、心地よい樽香、スマートな酸味は、カリフォルニアらしい気持ちのよいシャルドネ。
 サンフォードのポジティブ・セレクションである「バレル・セレクト」を保存中。そちらにも興味が湧きます。
(サンフォード)



Australia-South Australia

Penfolds The Valleys Chardonnay
ペンフォールズ・ザ・ヴァレーズ・シャルドネ

クレア・ヴァレー、エデン・ヴァレー 白(シャルドネ)
('96 \2,300)

 オーストラリアで最も偉大で高価なワイン「グランジ」で有名なペンフォールズ社。1844年創立のワイナリーは、いまやオーストラリアでのトップブランドに成長しました。
 このワインは南オーストラリアにあるクレア・ヴァレーとエデン・ヴァレーのブドウから造られるシャルドネ。かなり重い、好き嫌いの分かれる白でしょう。
 色からしてかなり濃い黄金色。リンゴやトロピカルフルーツのような香り、厚いボディとコクを感じます。高めの酸によるキレもあるので、バランスはとれているように思います。私は好きですが、それでも1、2杯が限度かな。
(ペンフォールズ社)




France-Champagne

BEST TASTY WINE OF THIS MONTH

Salon
サロン
('88 \12,800)

 1920年代、パリのマキシムにてハウス・シャンパーニュとして愛飲されたというサロン。
 このシャンパンはこちらで特集しています。
(サロン)



Krug Grande Cuvee Brut
クリュッグ・グランド・キュヴェ・ブリュット
(\6,000位 375ml)

 「クリュギスト」と呼ばれる熱烈なファンを持つ別格のシャンパンこそクリュッグ。この「グランド・キュヴェ」は、同社のノン・ヴィンテージ、スタンダードなシャンパンであるにもかかわらず、すべてのブドウを小樽にて1次発酵。ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ、それぞれの品種を約25のブドウ園から選定、5〜7年の熟成を経たヴァン・ド・レゼルブをクリュッグ家のメンバーのみでテイスティング、ブレンドするという徹底ぶりです。
 当然、その香ばしい芳香、重厚感、繊細さを兼ね備えたシャンパン。なぜ今一度、ここで紹介するのか?これハーフボトルがあったのです。なんだかとても可愛らしい。でも価格はご覧の通り可愛くない。シャンパンの中でも、最上のハーフボトルでしょう(笑)。
(クリュッグ)



Taittinger Comtes de Champagne Blanc de Blancs
テタンジェ・コント・ド・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン
('89 \12,000)
Taittinger Brut Millesime
テタンジェ・ブリュット・ミレジム
('90 \7,000)

 アルザス出身のピエール・テタンジェがシャンパーニュに魅せられ、造りはじめた「エレガントなシャンパン」の代表格。やはりどちらも、切れのある酸味とフレッシュな果実が特徴です。
 コント・ド・シャンパーニュという名前は、敷地内の13世紀に建てられた邸宅に因んだもの。あの「007 ロシアより愛をこめて」にも登場したシャルドネ種だけで造られるブラン・ド・ブランです。
 しかしながら、コント・ド・シャンパーニュはやや繊細がゆえの辛さが目立つというイメージ。どちらかというと、ピノ・ノワールの熟した果実の甘さも感じられるミレジムの方がバランスよく、個人的には好みです。
(テタンジェ)



BEST VALUE WINE OF THIS MONTH

Alain Robert Le Mesnil Blanc de Blancs
アラン・ロベール・ル・メニル・ブラン・ド・ブラン
('84 \5,500)

 アラン・ロベール、あまり聞きなれない名前かも?こんなにいいシャンパンが、どうして有名にならないのか不思議。
 あの「クリュッグ・クロ・デュ・メニル」や「サロン」でも名高いメニル・シュル・オジェ村にて17世紀から続く由緒あるシャンパーニュ・ハウス。100%自社畑、100%シャルドネのブラン・ド・ブランを造り続けているというメゾンです。
 84年のヴィンテージ・シャンパン。シャンパンというより白ワインの感覚に近い。きめ細やかな繊細な泡は、食事の邪魔をすることもなく、熟成によるブーケが優美に漂います。ほんのりと果実の甘さを感じさせ、厚さ、複雑さを引き締まった酸が整えてくれます。これはこの価格にして絶対おすすめです。
(アラン・ロベール)


Austria-Langenlois

Brundlmayer Brut
ブリュンドルマイヤー・ブリュット
('94 \3,500)

 オーストリアの中でも最良とされるスパークリング・ワインを紹介。ブリュンドルマイヤー醸造所は、カンタプールのランゲンロイスに位置する優良なワイナリーで、他にもリースリングやシャルドネ、赤ワインも造っているという事。
 このスパークリングは、有機栽培によるブドウを、シャンパーニュ地方と同じ瓶内発酵という手法により造られ、3年間熟成させた後に出荷されます。説明によると、口抜きを行う際、凍らせないという事だったのですが、ではどうやって行うのかというと???です。(スイマセン)
 ちゃんと造られたスパークリング・ワインでしょう。やや明るめの色ながら、細やかな泡は繊細で、スムースな口当たり。酸味も上品でやや辛口。余韻には青草にも似た複雑さがあります。この価格なら、1度飲んでみる価値はありそうです。
(ブリュンドルマイヤー醸造所)



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