May,1999

Ch. Clerc Milon '83
(France-Bordeaux)
シャトー・クレール・ミロン

Ch. Citran '94
(France-Bordeaux)
シャトー・シトラン

Virginie de Valandraud '96
(France-Bordeaux)
ヴィルジニ・ド・ヴァランドロー

Clos de Vougeot (Domaine Leroy) '93
(France-Bourgogne)
クロ・ド・ヴージョ(ドメーヌ・ルロワ)

Clos de Vougeot (Jean Grivot) '89
(France-Bourgogne)
クロ・ド・ヴージョ(ジャン・グリヴォー)

Anjou Ch.de la Guimoniere '96
(France-Val de Loire)
アンジュ・シャトー・ド・ラ・ギモニエール

Barco Reale di Camignano '96
(Italy-Toscana)
バルコ・レアーレ・ディ・カルミニャーノ

Qupe Bien Nacido Cuvee '97
(America-California)
キュペ・ビエン・ナシド・キュヴェ

Carmenet Dynamite Cabernet '96
(America-California)
カーマネ・ダイナマイト・カベルネ

Kreuznacher Kappellenpfad TBA '94
(Germany-Nahe)
クロイツナッヒャー・カッペレンファド TBA

Veuve Clicquot Ponsardin Vintage Reserve '82
(France-Champagne)
ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン・ヴィンテージ・レゼルヴ



France-Bordeaux

Ch. Clerc Milon
シャトー・クレール・ミロン

ポイヤック 赤 (CS70,M20,CF10)
('83 \5,300 375ml)

 このシャトーは、あの偉大なる故バロン・フィリップ・ド・ロートシルトの娘、フィリピンヌの所有。ムートンとは兄弟シャトーになります。畑は30ha、ムートンとラフィットに隣接する絶好の場所。二人のお人形が踊るラベルは、とても愛らしい。
 クレール・ミロンは、とても外向的で若いうちでも飲めるという事。実際この83年は、ハーフ・ボトルだったせいもあるのか、すでに飲み頃としてはすぎていたようです。ただ、ワインとして食事と共に味わうには、まだ大丈夫。メドックの上質な感は残っています。
(メドック格付け第5級)


BEST VALUE WINE OF THIS MONTH

Ch. Citran
シャトー・シトラン

オー・メドック 赤 (CS58,M42)
('94 \2,450)

 ムーリスの南、アヴァンサン村にある90haのブドウ園。87年に日本企業が買収し、その品質はめざましく向上したと言われます。
 実際にこの価格で売られているブルジョワ級の中では、文句なく美味しい。ほのかなトースト香、果実味もたっぷりで、タンニンがしっかり。素直に美味しいと感じられるワイン。ブルジョワ級らしい優等生です。
(ブルジョワ級)



Virginie de Valandraud
ヴィルジニ・ド・ヴァランドロー

サンテミリオン 赤 (M75,CF20,Ma5)
('96 \16,000)

 元銀行家だったジャン・リュック・テュヌヴァンが、89年にサン・テミリオンにある、たった2.5haの畑を入手し、そこから造りだすヴァランドロー。今では5大シャトーをも凌ぐ高価で取引きされるシンデレラ・ワインです。
 これは、そのヴァランドローのセカンド。何とも贅沢なセカンドです。抜栓後、徐々に立ち上ってくる香りは、新樽からくるオークと凝縮された黒い果実を感じさせる上質なもの。味わいも肉付きの良さと、甘味を感じます。これがセカンドなのですから、ファーストになるとどんなに素晴らしいワインなのでしょうか。
 セカンドで、この価格は高すぎるでしょうが、その品質は間違いなく秀逸な出来だと思います。



France-Bourgogne

BEST TASTY WINE OF THIS MONTH

Clos de Vougeot
クロ・ド・ヴージョ

ヴージョ 赤 (PN,Pb,PL)
('93 \40,000位)

 ヴージョ村のグラン・クリュ、クロ・ド・ヴージョ。クロ(石垣)に囲まれたその約50haの区画は、70名以上もの栽培者や生産者に分割所有されている事でも有名。
 これは偉大なルロワの自社畑のワイン。
(ドメーヌ・ルロワ)グラン・クリュ


Clos de Vougeot
クロ・ド・ヴージョ

ヴージョ 赤 (PN,Pb,PL)
('89 \4,000位 375ml)

 こちらも、クロ・ド・ヴージョ。近年、評判の高いジャン・グリヴォーの作。
(ジャン・グリヴォー)グラン・クリュ

今月のお題目で、この2本について特集しています。



France-Val de Loire

Anjou Ch.de la Guimoniere
アンジュ・シャトー・ド・ラ・ギモニエール

アンジュ 赤 (ブルトン)
('96 \1,420)

 ロワールのアンジュといえば、有名なのがロゼワイン。でも赤も造ってます。ブドウ品種のブルトンというのは、カベルネ・フランの地方名。
 あの「ヴィノスやまざき」さんが輸入するシャトー・ド・ラ・ギモニエール。やはりコスト・パフォーマンスに優れた1本です。特にいいのが、その香り。カベルネ・フランらしくとてもまろやかで、華やかなお花のような感じも。味わいは飲みやすいミディアムですが、意外にも酸味とタンニンもあります。ちゃんと造られたワインです。
(シャトー・ド・ラ・ギモニエール)



Italy-Toscana

Barco Reale di Camignano
バルコ・レアーレ・ディ・カルミニャーノ

トスカーナ 赤 (サンジョベーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン)
('96 \2,000)

 フィレンチェ県のカルミニャーノなどで造られるDOCワイン。最初は、酸味と渋味がぶつかり合うようで、面白い。それが飲むうちに段々と一体になります。キヤンティのように親しみやすいけど、個性的。いいワインだと思います。
(ボナコッシ伯爵家)



America-California

Qupe Bien Nacido Cuvee
キュペ・ビエン・ナシド・キュヴェ

サンタ・バーバラ 白 (シャルドネ67%、ヴィオニエ33%)
('97 \3,200)

 オ・ボン・クリマのジム・クレンデネン、キュペのボブ・リンクィスト。この二人実は、ワイナリーを共有しています。つまり、キュペは、オ・ボン・クリマと同じ醸造所で造られているのです。
 キュペのボブ・リンクィストは、ローヌ系品種で脚光を浴びた人物。シャルドネとヴィオニエをブレンドするあたりが、いかにもカリフォルニアですね。
 白としては、かなりの凝縮感。シャルドネのボディに、ヴィオニエが旨味と甘味を与えている。飲んだ時に若干温度が高かったようなので、かなり甘く感じました。少し冷やし気味で飲むと、酸とのバランスがとれると思います。
(キュペ)



Carmenet Dynamite Cabernet
カーマネ・ダイナマイト・カベルネ

ソノマ 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン)
('96 \2,680)

 1981年創業のソノマ・ヴァレー東端にあるワイナリー。自社畑のムーン・マウンテンを切り開く時にダイナマイトを使用したことが、この「ダイナマイト」の由来になっているそうです。
 名前の通り、ヴォリュームのあるダイナマイトな分かりやすいワイン。カリフォルニア特有の豊かな果実味とコクがあります。ラベルが不思議なイラストで、ちょっと安っぽく(?)感じるかもしれませんが、この価格でカリフォルニアの良さを味わうにはいいと思います。お肉と一緒に飲みたいワインです。
(カーマネ・ヴィンヤード)




Germany-Nahe


Kreuznacher Kappellenpfad TBA
クロイツナッヒャー・カッペレンファド・トロッケンベーレンアウスレーゼ

バート・クロイツナッハ 白 (リースリング、ミューラー・トゥルガウ、シルヴァーナ他)
('94 \10,000位 500ml)

 フランスのソーテルヌ、ハンガリーのトカイと並び、世界三大貴腐ワインに数えられるドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ。
 ナーエは、ライン川の支流ナーエ川流域に広がる地域で、ラインヘッセンとモーゼルの間にあるため、両地域の中間的な性格を持つとも言われます。
 このワインは、バート・クロイツナッハ国立ワイン醸造所のもの。1990年、地方葡萄栽培学校として設立した醸造所で、現在は新しい葡萄品種の開発、醸造技術向上のための研究をしているという事。優秀な若い醸造学者を育成しながら、素晴らしいワインを造っているそうです。
 最高級のトロッケンベーレンアウスレーゼ。いいですね。飲むにはまだまだ早いのでしょうが、ほのかに香る柑橘系の芳香、熟した白い果実のような甘味、極めて上品な酸味。「終わり良ければ全て良し」ディナーの最後は、こんなワインで締めくくりたいですね。
(ラインラント・プファルツ、バート・クロイツナッハ国立ワイン醸造所)



France-Champagne


Veuve Clicquot Ponsardin Vintage Reserve
ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン・ヴィンテージ・レゼルヴ
('82 \21,000)

 前回の「お題目」で特集したヴーヴ・クリコ。シャンパーニュ地方も偉大なヴィンテージとなった82年のヴィンテージ・レゼルヴは、すでに手に入りにくい逸品となりました。
 開けた時には、まだまだ鮮やかな泡立ち。そして予想外に果実の甘味が最初に出てきます。その後、徐々に表情を変え、その熟成香と共に複雑さと繊細さを表します。このシャンパンは、ちゃんと保存しておけば、あと5年は美味しくなり続けるのではないかと思います。
(ヴーヴ・クリコ)



今月のワイン 目次
今月のワイン 前回 今月のワイン 次回



class30 "The Wine"