March,1999

Barbaresco Bricco Asili '93
(Italy-Piemonte)
バルバレスコ・ブリッコ・アジリ

Barolo Vigna La Rosa '82
(Italy-Piemonte)
バローロ・ヴィーニャ・ラ・ローザ

Catullo '95
(Italy-Veneto)
カトゥッロ

Sassicaia '95
(Italy-Toscana)
サッシカイア

Promis '93
(Italy-Toscana)
プロミス

Rosso di Montalcino '97
(Italy-Toscana)
ロッソ・ディ・モンタルチーノ

Sassoalloro '94
(Italy-Toscana)
サッソアローロ

Chardonnay Trentino Riserva Selection '93
(Italy-Trentino Alto Adige)
シャルドネ・トレンティーノ・リゼルヴァ・セレクション

Marina Cvetic Chardonnay '96
(Italy-Abruzzo)
マリナ・キュヴェティック・シャルドネ

Albana di Romagna '95
(Italy-Emilia Romagna)
アルバーナ・ディ・ロマーニャ

Olio Extravergin di Oliva (Tenuta San Guido)
(Italy-Toscana)
オーリオ・エクストラヴァージン・ディ・オリーヴァ

今月は、イタリア特集。
すべてイタリア・ワイン + オリーブ・オイルです。


Italy-Piemonte


Barbaresco Bricco Asili
バルバレスコ・ブリッコ・アジリ

バルバレスコ地区 赤 (ネッビオーロ)
('93 \7,000)

 1935年、リカルド・チェレットがアルバで創業。息子(ブルーノ、マルチェッロ)の代に、バローロのブリッコ・ロッケ、ベルバレスコのブリッコ・アジリといった、銘醸畑を購入し、評価を高めます。面白いのは、バローロ地区、ベルバレスコ地区それぞれに、醸造所を設けてワインを生産しているという事。
 このバルバレスコ、ブリッコ・アジリは、この地区でも最上の畑とされ、天候の良い年だけに造られます。とても奇麗な明るいガーネット色で、上品な酸味が印象的。しかし、タンニン分も多く、繊細さと力強さを持った魅惑的なワインです。今飲んでも、その気品が感じられますし、もっと熟成させても美味しくなるのでは。いいワインです。(チェレット社)


Barolo Vigna La Rosa
バローロ・ヴィーニャ・ラ・ローザ

バローロ地区 赤 (ネッビオーロ)
('82 \6,800)

 1878年に設立、バローロの指導者的な造り手とされるフォンタナフレッダ(”冷たい泉”という意味)。創設者のエマヌエレ伯は、19世紀イタリア統一をなし、初代国王となったエマヌエレ2世の子息。
 82年より、8つの畑名のついたバローロ(La Rosa, Gattinera, Lazzarito, La Villa, La Delizia, Biancaなど)を造りはじめ、このワインは、なかでも評価の高い”ラ・ローザ”のファースト・ヴィンテージ。
 さすがにエッジは熟成による色合いですが、全体的に非常に濃縮されたガーネット色は、このワインがまだまだ元気な事を証明しています。かすかな干しブドウのような香りは、黒い果実を連想させます。82年というヴィンテージを考えても、すごく大量のオリがあったのには、びっくり。しっかりしているけど、なんか複雑。今まで飲んだバローロとは、少しイメージの違った、興味深いワインでした。
(フォンタナフレッダ社)

Italy-Veneto

BEST VALUE WINE OF THIS MONTH

Catullo
カトゥッロ

ヴェネト 白 (ピノ・グリージョ、ソーヴィニヨン)
('95 \1,600)

 1857年創業の名門、ベルターニ社が造る白ワイン。ヴェネト州の白と言えば、ソアーヴェが有名ですが、これは、ピノ・グリージョ、ソーヴィニヨンから造られるVdT
 第一印象は、北イタリアで主に栽培されるピノ・グリージョのきれのいい酸味がとてもこのワインを飲みやすくしています。そして後から、ソーヴィニヨンが心地よいフルーツ香と共にボディにふくよかさを加えます。
 さすがにベルターニ。とても、お買い得のワインです。今月のおすすめ。
(ベルターニ社)

Italy-Toscana

BEST TASTY WINE OF THIS MONTH

Sassicaia
サッシカイア
ボルゲーリ地区 赤(カベルネ・ソーヴィニヨン他)
('95 \9,500)
 
 テヌータ・サン・グイードの初代オーナーが1944年にシャトー・ラフィット・ロートシルトのカベルネ・ソーヴィニヨンを譲り受け、このワインが出来あがったのが、1968年。あのアンティノリ社の当主、ピエロ・アンティノリとボルドー大学のエミール・ペイノー教授のアドバイスのもと、このスーパー・トスカーナと呼ばれるワインの第一号が造り上げられました。
 初めて、このワインを飲んだ時の感動は忘れられません。(その時は、名前も知らなかったのですが。)その格別なアタック、ワインの凝縮感、すべてにおいて未知の世界でした。
 今回の95年、まずホストテストの時、思わず声に出たのは、「思ったよりマイルド」。最初から十分に柔らかいのです。当然、ブドウの個性を、タンニンと樽の優雅な風味が下支えしているような感じで、素晴らしいバランスです。このワインもまた、これから何年も、いつ飲んでも美味しく感じられるのはないでしょうか。本当に完成されていると思います。間違いなく、お薦めのワインです。

P.S. 95年のサッシカイア。前回よりイメージが柔らかかったので、調べてみると、カベルネ・ソーヴィニヨン75%、カベルネ・フラン25%となっている本がありました。以前はカベルネ・ソーヴィニヨン100%だったように記憶しているのですが。品種構成が変わったのでしょうか?
(テヌータ・サン・グイード)



Promis
プロミス

トスカーナ 赤 (サンジョヴェーゼ90%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%)
('93 \3,000)

 あの、アンジェロ・ガイヤがブルネッロ・ディ・モンタルチーノに所有する”ピエヴェ”。ブルネッロのセカンド的なVdTです。ガイヤは、バローロ地区の”プロミス”も所有しているので、この2つのワインのラベルは、とても雰囲気が似ています。
 バリック使いで、有名なガイヤ。しかしこのワインは、大樽で18ケ月の熟成。最初に気が付くのは、高いアルコール香。しっとりとした果実味ながら、細やかなタンニンが多く、あと2、3年待ちたいという気分。ただ、この価格でこれだけの気品を感じさせるのは、さすがにガイヤの目が光ってるという感じでした。
(ピエヴェ・ディ・サンタ・レスティテュータ)



Rosso di Montalcino
ロッソ・ディ・モンタルチーノ

トスカーナ 赤 (サンジョヴェーゼ・グロッソ)
('97 \1,700)

 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの本来のセカンド・ワインとされるのが、このロッソ・ディ・モンタルチーノ。ブルネッロと同じ畑でとれた下のクラスのブドウを使って造られるDOCです。
 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノには、厳しい規定(注1)があるため、その年のブドウの善し悪しによって、造り手がワインの品質を維持するために、生産調整をします。また、ロッソ・ディ・モンタルチーノとして販売すれば、1年後には出荷可能なので、資産回転率を高める意味合いもあります。
 下のクラスといえども、ブルネッロの資質を持ったブドウから造られるワインです。あっさりした、フレッシュな果実味が溢れた味わいは、より万人受けがいいでしょう。あまり、ワインを飲まない人でも、素直に美味しいと感じられるように思います。お薦めです。
(ポリツァーノ)
注1:ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、従来、最低樽熟成期間3年とされていましたが、95年ヴィンテージより、最低樽熟成期間2年に変更されたようです。出荷解禁日は、収穫後5年目で変更なし。


Sassoalloro
サッソアローロ

トスカーナ 赤 (サンジョヴェーゼ・グロッソ他)
('94 \3,800)

 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの元祖として知られるビオンディ・サンティ。ここが造る高級VdT”サッソアローロ”は、93年が初ヴィンテージ。サンジョヴェーゼ・グロッソを、バリックで熟成。
 このワイン、もう少し置いた方が良さそうです。高級VdTを狙ったのは、よく分かりますが、今開けると樽の要素が強く感じ過ぎるようです。非常にしっかりしているのですが、ブドウ自体の個性が判断出来ませんでした。長期熟成型を前提にしているようなので、あと数年かかるように思います。
(ビオンディ・サンティ社)

Italy-Trentino Alto Adige

Chardonnay Trentino Riserva Selection
シャルドネ・トレンティーノ・リゼルヴァ・セレクション

トレンティーノ 白 (シャルドネ)
('93 \2,000)

 北部イタリア(フリウーリ州とトレンティーノ州)で、伝統的な品種を使いバランスのとれたお手頃で品質のいいワインを造るボリーニ。
 このワインもそんな一つ、リゼルヴァ・セレクションというシリーズのシャルドネ。ほどよい控えめな樽香と、レモンのような柑橘系の香り。軽めのボディはとてもすっきりした感じです。
 他にも、”トレンティーノ・バリッカート40・シャルドネ”(\1,700位)があって、全体的なすっきりとしたバランスは、そちらの方でも十分満足出来ると思います。
(ボリーニ社)

Italy-Abruzzo

今月の番外編
Marina Cvetic Chardonnay

マリナ・キュヴェティック・シャルドネ

アブルッツォ 白 (シャルドネ)
('96 \3,500)

 モンテプルチアーノで有名なアブルッツォ州産のシャルドネ。1930年創業のマシャレッリ。”マリナ・キュヴェティック”とは、オーナーの奥さんの名前らしく、91年が初ヴィンテージ。
 とてもスキッとした香り。「あまりシャルドネらしくない」。酸味のあとに、やや苦みが。。。と思っていると、グラスの周りに小さな気泡がついたまま消えない。
 このワイン、発泡性ワインじゃないですよね。保管の状態で、微発泡していたようです。「こういうケースもあるよ」という事で、参考にしないで下さい。多分ワインのせいじゃありません。
(マシャレッリ)

Italy-Emilia Romagna

Albana di Romagna
アルバーナ・ディ・ロマーニャ

エミリア・ロマーニャ 白 (アルバーニャ種)
('95 \2,000)

 イタリアの格付けで、最初に白ワインでDOCGに昇格したのが、このアルバーナ・ディ・ロマーニャ。この地方でとても古くから造られてきたワインらしく、辛口と甘口があるようです。
 これは、甘口の方。最初「ドルチェです」って出されたものだから、「かなり甘いのかな?」と思ったら、そんなことない。程よい酸味と、果実からくる気持ちいい甘味が嬉しい。今回はデザートに飲んだのですが、最初に飲んでも食欲が湧くのでは。
(ファットリア・パラディーソ社)


Italy-Toscana (Olive Oil)


Olio Extravergin di Oliva (Tenuta San Guido)
オーリオ・エクストラヴァージン・ディ・オリーヴァ
(\2,500)
 
 これ、上記の”サッシカイア”のセカンド・ラベルです。というのは、嘘でオリーブ・オイル。ボトルもラベルもそっくり。ワイン同様、コルクで栓がされています。
 サッシカイアのオーナー、インチザ侯爵所有の自家農園でできたオリーブの実から、トスカーナ地方の伝統的な圧搾機を使用し、造られたという裏ラベルの説明。
 実際に試してみると、通常のエクストラヴァージンと比べても、緑がかった深い色で、粘度も高い。でも、香り、味は決してオイリーではなく、オリーブのエキスが凝縮した感じ。後味もしっかり残ります。
 南北に長いイタリアは、オリーブ・オイルも産地によって個性が違うと言われますが、改めて興味を惹かれるオイルです。
(テヌータ・サン・グイード)


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