February,1999 (2)

Ch. Cantemerle '79
(France-Bordeaux)
シャトー・カントメルル

La Cuvee Mythique '96
(France-Languedoc Roussillon)
ラ・キュヴェ・ミティーク

Luce '95
(Italy-Toscana)
ルーチェ

Poggio alle Gazze '96
(Italy-Toscana)
ポッジョ・アッレ・ガッツェ

Jaume Serra Tinto Reserva '90
(Spain-Penedes)
ハウメ・セラ・ティント・レゼルバ

Opus One '95
(America-California)
オーパス・ワン

Ch. Woltner Chardonnay Titus Vineyard '90
(America-California)
シャトー・ウォルトナー・シャルドネ・タイタス・ヴィンヤード

Benziger Fume Blanc '95
(America-California)
ベンジガー・フュメ・ブラン

Voyager Estate Chardonnay '95
(Australia-Margaret River)
ヴォエジャー・エステート・シャルドネ

Roederer Estate Anderson Valley Brut
(America-California)
ロデレール・エステート・アンダーソン・ヴァレー・ブリュット 



France-Bordeaux

Ch. Cantemerle
シャトー・カントメルル

マコー 赤 (M40,CS40,CF10,PV10) 
('79 \5,000)

 マコー村に位置する、メドック格付け第5級。67haの畑から年間約4万ケースのワインを産出します。
 80年にコーディア社を中心とするグループが買収。その精力的な質の向上に対する努力の結果、現在では格付け以上に評判のよいシャトーです。
 今回の79年は、いわば前所有者、デュポ家の遺作?あまり評価のいいヴィンテージではないので、この価格で入手できました。とても柔らかくなっている(もしかしたらもう飲み頃を過ぎている)と思ってたのですが。
 いやいや、しっかりしていました。まだまだ元気なタンニンが刺激し、びっくり。肉付きが良いワインではないと思いましたが、その熟成香、優雅な果実味はメドック格付けにふさわしいもの。パーカー氏によると、70年代のカントメルルは、ボトル毎のバラツキが激しいようです。いいボトルに当たれば、とてもお買い得です。



France-Languedoc Roussillon


La Cuvee Mythique
ラ・キュヴェ・ミティーク

ナルボンヌ 赤 (品種下記参照) 
('96 \2,100)

 昨年の春から気にかかっていたこのワイン。なんと「ソムリエ」第8巻で紹介されました。
 シラー30%、ムールヴェードル30%、グルナッシュ15%、カリニャン15%、カベルネ・ソービニヨン10%という南仏を中心とした多数のブドウ品種をブレンドしたヴァン・ド・ペイです。
 「ソムリエ」では、このワインを「人の和」に喩えて表現していましたが、まさにその通り。セパージュを知らなかったら、そんなにたくさんのブドウが混ざってるなんて思えないほど調和がとれていて、とてもまったりとしてコクがある感じ。口当たりがいいので、飲みやすいのですが、決して軽いワインではありません。是非飲んでみて下さい。



Italy-Toscana

Luce
ルーチェ

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ地区 赤 (サンジョベーゼ・グロッソ、メルロー)
('95 \20,000位)

 ロバート・モンダヴィとフレスコバルディによる話題のワイン。

このワインはこちらで特集しています。
CURRENT TOPICS February 1999 (2)


Poggio alle Gazze
ポッジョ・アッレ・ガッツェ

トスカーナ 白 (ソーヴィニヨン・ブラン)
('96 \2,800)

 1981年にトスカーナ州のボルゲリ地区に設立されたオルネライア社。あのサッシカイアの生みの親、ジャコモ・タキス、フランスのジャック・ピュイゼ教授らの助言を受け、スーパーVdT、オルネライアを造り出したのは88年。このワインは、オルネライア社が造るソーヴィニヨン・ブランです。
 ソーヴィニヨン・ブランとしては、とてもまろやかなタイプ。優しい香りにハーブ香、丸いボディに酸味が加わり、とてもいいバランス。温暖な地域で造るいいソーヴィニヨン・ブランのお手本とでも言えそうです。
(オルネライア社)



Spain-Penedes


Jaume Serra Tinto Reserva
ハウメ・セラ・ティント・レゼルバ

ペネデス 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラニーニョ)
('90 \1,300位)

 スペイン東部のペネデスで真っ先に思い浮かぶのが、ジャン・レオン。彼が造るワインを筆頭に、今スペイン注目の産地です。ジャン・レオン氏がこの地にカベルネ・ソーヴィニヨンを持ち込んで以来、外来品種が数多く植えられ、今では3000haものカベルネ・ソーヴィニヨンの畑があるようです。また、ペネデスは、カバ(スペインのスパークリング・ワイン)の一大産地でもあります。(コドルニューは安くて美味しい。)
 このハウメ・セラ、明るい奇麗なルビー色。カベルネとテンプラニーニョがうまく溶け合って、とてもマイルドに仕上がってます。90年のレゼルバがこのお値段。お気に入りのスペインとなりました。



America-California

BEST TASTY WINE OF THIS MONTH

Opus One
オーパス・ワン

ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体)
('95 \20,000位)

 ロバート・モンダヴィとバロン・フィリップ・ロートシルトによるナパの名作。

このワインはこちらで特集しています。
CURRENT TOPICS February 1999 (2)



Ch. Woltner Chardonnay Titus Vineyard
シャトー・ウォルトナー・シャルドネ・タイタス・ヴィンヤード

ナパ・ヴァレー 白 (シャルドネ)
('90 \7,500)

 フランシス・デュヴリン・ウォルトナーは、シャトー・ラミッション・オー・ブリオン(ボルドー、グラーヴ地区のトップ・シャトー)を所有していたウォルトナー一族の当主。カリフォルニアに魅せられた彼は83年にラミッション・オー・ブリオンを売却し、85年、ナパ・ヴァレーのハウエル・マウンテンにワイナリーを設立しました。(詳しくは、堀賢一氏の「ワインの自由」を参照して下さい。)
 とても興味深い話。ラミッション・オー・ブリオンは、赤ワインしか造ってないトップ・シャトーでしょ。カリフォルニアに移っても、カベルネ・ソーヴィニヨンとかを造るのが普通です。どうして、わざわざ白のシャルドネなのか?
 答えは、この素晴らしいワインでしょう。カリフォルニアの典型とも言える愛らしいフルーツ香も品が良く、きりっとしたミネラル。元、赤ワインの名手だけあって、コクとさえ言える底味を感じます。ブドウの凝縮感があるため、新樽で熟成させているはずなのに、他の新世界のワインのように、むやみに樽のニュアンスを感じさせません。すべての要素がちゃんと出ているのに、ワイン全体がきっちりまとまっています。
 人生の岐路には、「決断」がつきもの。「決断」とは、その人の「勇気」と「努力」そのものです。ウォルトナー氏に拍手を贈りたいワインです。


BEST VALUE WINE OF THIS MONTH

Benziger Fume Blanc
ベンジガー・フュメ・ブラン

ソノマ 白 (ソーヴィニヨン・ブラン)
('95 \1,780)

 元は、ニューヨークでワインの卸し売り業をしていたというベンジガー一家。1980年にカリフォルニアはソノマ・マウンテンにワイナリーを造り、大成功を収めます。一時は300万ケースの生産量を誇ったこのメーカーは、初心に戻るべく、事業の大部分を売却。現在は20万ケースの生産量としています。造られるワインは、様々な品種のヴァラエタル・ワインを始め、多種多様。本国では定評のある造り手です。
 フュメ・ブランとは、カリフォルニアでいうソーヴィニヨン・ブラン。久しぶりにいいソーヴィニヨン・ブランに出会った感じです。ヴォリュームある樽香は、洋梨のような甘い香り。それでいて、飲んでみると、とってもフレッシュでフルーティーなんです。この価格で、抜群の出来だと思います。いいボルドーの白と互角の勝負かな?おすすめ。
(ベンジガー)



Australia-Margaret River

Voyager Estate Chardonnay
ヴォエジャー・エステート・シャルドネ

マーガレット・リヴァー 白 (シャルドネ)
('96 \2,600)

 ブティック・ワイナリー(中小規模の個人経営で質の高いワインを目指す)で話題の西オーストラリア。マーガレット・リヴァーも注目の産地です。ヴォエジャーは、1978年に有名なルーウィン・エステートの隣に設立されたワイナリー。このシャルドネは、樽発酵の後、フランス産の小樽にて11ヶ月熟成。
 このワイン、94年が「田崎真也のワインライフ:オーストラリア3000円未満のシャルドネ」で見事第1位に輝きました。田崎氏の説明の通り、「豊潤でふくらみのある」ワイン。ただ、個人的な感想は、酸が少し弱いので(96年は補酸をしていないのでは?)、ヴォリュームを感じすぎるという事。ブドウの魅力は申し分ないのですが、シャルドネにしては、甘く感じました。ただ、これからワインを飲もうという方にはお薦めできる1本だと思います。
(ヴォエジャー・エステート)




America-California


Roederer Estate Anderson Valley Brut
ロデレール・エステート・アンダーソン・ヴァレー・ブリュット
 
カリフォルニア スパークリング (シャルドネ70%,ピノ・ノワール30%)
(\3,480)

 フランスのシャンパーニュ、ランスにある老舗メーカー、ルイ・ロデレール。そのロデレールがカリフォルニアの北部、アンダーソン・ヴァレーで造る秀逸なスパークリング・ワイン。今ではシャンパーニュ地方でも珍しい、自社畑100%のぶどうを、シャンパーニュ伝統の製法により造り上げると言われます。数々の評価でも、カリフォルニアのスパークリング・ワインNo.1の呼び声が高い。
 確かに素晴らしいワインです。シャンパーニュのルイ・ロデレールの時にも感じた、そのワインが持つ味の要素(フルーツ、ナッツ、ハーブ他)が複雑に絡み合ってるというイメージが強い。
 ちなみに、日本ではあまり見掛けませんが、ロデレール・エステートには、上級の「レルミタージュ:L'Ermitage」があるようです。
(ロデレール・エステート)



今月のワイン 目次
今月のワイン 前回 今月のワイン 次回



class30 "The Wine"