September,1998 (2)

Ch.Lafite-Roothschild '79
(France-Bordeaux)
シャトー・ラフィット・ロートシルト

Les Fiefs de Lagrange '94
(France-Bordeaux)
レ・フィエフ・ド・ラグランジュ

Clos Des Menuts '92
(France-Bordeaux)
クロ・デ・メニュ

Cotes du Rhone Parallele '96
(France-Cotes du Rhone)
コート・デュ・ローヌ・パラレル

Ch.de Canterrane '86
(France-Cotes du Roussillon)
シャトー・ド・カンテランヌ

Marques de Caceres Crianza '94
(Spain-Rioja)
マルケス・デ・カセレス・クリアンサ

Beringer Cabernet Sauvignon '93
(America-Napa Valley)
ベリンジャー・カベルネ・ソーヴィニヨン

E&J Gallo Cabernet Sauvignon '96
(America-California)
E&J・ガロ・カベルネ・ソーヴィニヨン



France-Bordeaux

Ch.Lafite-Roothschild
シャトー・ラフィット・ロートシルト

ポイヤック (CS70,M15,CF13,PV2)
('79 \25,000)

 メドック格付け第1級の中でも筆頭の位置を務める銘酒中の銘酒。コンティ王子とのロマネ・コンティの畑の取り合いをしたことでも知られるマダム・ポンパドールが晩餐の席で欠かさなかったと言われるのが、このラフィットです。
 1級格付けの中で、最も広い100haの畑から約2万5千ケースのワインが生まれます。収穫時には250人もの収穫人を雇い、ブドウが熟するのを待って一気に行われるそうです。
 多分ラフィット自体、押しの強いワインではないのですね。その気品に満ちた上質な味わい、そして一番大切なすべてのバランスを保ったワインです。79年は、平均的なヴィンテージです。一緒に飲んだ友人は、その余りにも繊細で、優しい味に拍子抜けしていたようですが、ゆっくり味わうとその奥に隠された芯の強さがあるように感じられました。
 そして、今となっては地味かなと思われるこのラベル。よく見ると「畑を耕す男性を見守る二人の貴婦人」が描かれています。この古き良き時代を彷彿させる風景に、ラフィットというワインを見たような気がしました。



Les Fiefs de Lagrange
レ・フィエフ・ド・ラグランジュ

サン・ジュリアン 赤 (CS,M,PV)
('94 \3,500)

 ボルドーの格付けシャトーの中で、日本企業(サントリー、83年)が初めて購入したのが、シャトー・ラグランジュ。徹底した管理体制のもと、かなりの資本投下をしているため、その品質、評価共に年々高くなってきていると言われます。
 これは、そのラグランジュのセカンドラベル。その色、アルコールのヴォリューム、味わい、すべて「これ94年?」と思うほど若々しく、清廉な感じがします。渋味や酸味の強さをアピールするタイプではないものの、その品質に対する実直な姿勢が感じられる、サン・ジュリアンらしいワイン。価格的にもお薦めの一本です。

Topics また最近、シャトー・ラグランジュから白ワイン「レ・ザルム・ド・ラグランジュ」が発売されたようです。シャトー内の池の畔に咲く「アルム」という白い花にちなんだ名前。ブドウ品種(96年)は、ソーヴィニヨン・ブラン53%、セミヨン36%、ミュスカデル11%のという構成。「パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー」を越えられる白になるか興味津津です。




Clos Des Menuts
クロ・デ・メニュ

サンテミリオン 赤 (M,CS)
('92 \2,600)

 サン・テミリオンの情熱の造り手、リビエール氏。「メドックのように新樽で葡萄の香りを消してしまう事はしたくない。樽の風味はほのかにアクセントとして付ける程度に抑え、本来葡萄の持つ香りと味を存分に表現したい」というポリシーから生まれるこのワインの収穫は全て手摘み。収穫量は何と1ha当たり35リットル以下。
 不思議なワインなんです。一杯目は、92年だからすべてにおいて評判のわりにちょっと薄い感じがしたのです。しかし、飲むにつれ何だかグイグイいってしまう。なんだか飲んでしまう。今度は絶対にいい年のクロ・デ・メニュを試してみます。
 サンテミリオン・グラン・クリュ



France-Cotes du Rhone

Cotes du Rhone Parallele
コート・デュ・ローヌ・パラレル

コート・デュ・ローヌ 赤 (グルナッシュ、シラー)
('96 \1,900位)

 実はこれ、先日乗ったフィンランド航空の中で使われていた赤ワイン。「コート・デュ・ローヌ使ってるんだ」と思った後、赤いキャップシールをよく見ると、「Paul Jaboulet-Aine」とあるではないですか。そう、ポール・ジャブレと言えば、ロバート・パーカーも100点をつけた有名なエルミタージュ・ラ・シャペルの造り手です。
 さすがに、しっかりした果実味溢れるワインです。やっぱり、航空会社の選ぶワインは、廉価で美味しい物が多いですね。(ポール・ジャブレ・エネ)

 ちなみに、白はオーストラリアの YALUMBA OXFORD LANDIN CHARDONNAY でした。このワインもかすかなバニラ香のあるフルーティーなワイン。日本ではジャーディンさんが輸入しているようで、\1,700位でしょう。




France-Languedoc Roussillon

今月の一推し

Ch.de Canterrane
シャトー・ド・カンテランヌ

コート・デュ・ルーション 赤 (グルナッシュ、カリニャン他)
('86 \1,800位)

 そこは、ヘルシンキのロシア料理店。ただ、Ch.de Canterrane '86 と書いてあったので、「ボルドーのワインかな?それにしても、86年にしては安いなあ。(現地価格 \3,000)」と思いながら半信半疑で注文。
 これがなかなか美味しいんです。その熟成され柔らかくなった全体のバランスがなんともいい。「これ南仏のルーションのワインですよ」と言うと、ワイン通の先輩2人は驚いていました。
 日本にも上記の価格位で輸入されているようなので、是非試して下さい。おすすめです。
 (モーリス・コント)
 後後話 - あとあとばなし
 
後日、調べた情報によると、このワイン、ミッテラン元大統領のお気に入りのワインで、飲み頃を迎えるまで、約10年熟成させてから出荷し、熟成に耐えられないものは商品化しないという事。美味しいはずです。




Spain-Rioja


Marques de Caceres Crianza
マルケス・デ・カセレス・クリアンサ
リオハ 赤 (テンプラニーリョ主体) 
('94 \1,800)

 リオハは、スペインで唯一のDOC(特選統制原産地呼称)。また、リオハのクリアンサとは、熟成2年以上の物を指します。
 このマルケス・デ・カセレスは、カリフォルニアにいる友人がスペイン系の人に「ここのが一番おすすめ!美味しいよ」って教えてもらったらしく、私もずっと気になっておりました。
 ボルドー流の醸造法で造られるここのワインは、この価格にして樽熟を感じさせる枯れたニュアンスを持つミディアム。スペインからも目が離せません。もし見つけたら買って損はないと思います。 
(ボデーガス・マルケス・デ・カセレス社)




America-California

Beringer Cabernet Sauvignon
ベリンジャー・カベルネ・ソーヴィニヨン
ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン)
('93 \3,200)
Beringer Zinfandel
ベリンジャー・ジンファンデル
ナパ・ヴァレー 赤 (ジンファンデル)
('95 \2,500)

 前回のこのコーナーでも紹介したベリンジャー。ひそかにベリンジャーは全ての種類を飲んでやろうと思ってます。
 さすがにカベルネもカリフォルニアらしい強さを感じる、タニックないいワインです。自社畑のブドウを手摘み、新樽で熟成されます。
 ジンファンデルは、あまり強くないものの複雑な香り、ただ甘いだけじゃない深さがいいですね。これからもうちょっとジンファンデルを飲んでみようかなあ。  
(ベリンジャー・ヴィンヤーズ)

E&J Gallo Cabernet Sauvignon
E&J・ガロ・カベルネ・ソーヴィニヨン
カリフォルニア 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン)
('96 \1,300)

 現在、間違いなく世界で一番大きなワイナリーがこのE&J・ガロ・ワイナリー。日本での輸入代理店もガロ・ジャパン(株)が設立されています。先日立ち寄った免税店でも、ガンガン広告され売られておりました。
 たけど、ただ大きいだけでなく、このヴァラエタルも日常飲むにはいいワインだと思いますし、ガロのノーザン・ソノマは非常に評価の高いワイン。カベルネは96年の最優秀カベルネ賞に選ばれたそうです。
 (アーネスト&ジュリオ・ガロ)


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