September,1998

Ch.Latour '76
(France-Bordeaux)
シャトー・ラトゥール

Ch.Chasse-Spleen '90
(France-Bordeaux)
シャトー・シャス・スプリーン

Ch. Haut Peyrillat '93
(France-Bordeaux)
シャトー・オー・ペイリヤ

Pommard '83
(France-Bourgogne)
ポマール

Meursault '90
(France-Bourgogne)
ムルソー

Chablis '96
(France-Bourgogne)
シャブリ

Vernaccia di San Gimignano '97
(Italy-Toscana)
ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ

Beringer Chardonnay Private Reserve '95
(America-California)
ベリンジャー・シャルドネ・プライベート・リザーヴ



France-Bordeaux

Ch.Latour
シャトー・ラトゥール

ポイヤック (CS80,M15,CF4,PV1)
('76 \24,000)
Les Forts de Latour
レ・フォール・ド・ラトゥール

ポイヤック 赤 (CS80,M10,CF10)
('89 \11,000)

 ボルドーはメドック、ポイヤック村の格付け第1級。女性的なラフィット、マルゴーに対し、男性的と形容されます。不作の年でも安定した品質を保つ事でも有名。ラトゥールの「塔」は英仏百年戦争の名残。このシャトーの歴史は14世紀まで溯ります。ラベルに描かれているシャトーは、形こそ違いますが今でも現存するそうです。
 ラトゥールのセカンド・ラベルがレ・フォール・ド・ラトゥール( TASTY WINES July 1998 (2) で詳しく紹介しています)。今回はワイン好き5人で飲み比べとなりました。

 76年のラトゥールと89年のレ・フォール。ヴィンテージが違いすぎたので単純に比べるにはちょっと無理がありました。色の濃さは、2本とも同じくらい。若い分、レ・フォールには、輝きがありました。89年のレ・フォールは非常に強いんですよね。
 76年はあまりいい年ではないので、さすがのラトゥールもどうかな?と思っていたのですが、さすがにまだまだ大丈夫。このワインが長命なのを物語ります。円熟味のある様々な香りが後から後から沸き上がって来ます。ただ、こういう飲み比べはしない方がよかったかな?


今月の一推し

Ch.Chasse-Spleen
シャトー・シャス・スプリーン

ムーリス 赤 (CS60,M35,PV3)
('90 \7,620)

 ムーリス村の傑出したワイン、シャス・スプリーン。名前の意味は「憂いを払う」ワイン。ブルジョワ級。
 このワインはこちらで詳しく特集しています。
 CURRENT TOPICS September 1998



Ch. Haut Peyrillat
シャトー・オー・ペイリヤ

メドック 赤 (CS,M)
('93 \1,580 500ml)

 これもブルジョワ級のオー・ペイリヤ。メドックらしいいいワインですが、少し青臭さが残ります。2年後位が楽しみなワイン。
 ただ、何がいいかと言えば、500mlというサイズ。一人で飲んでもいいし、レストランでもこのサイズが増えれば色々なワインが楽しめるのですが。



France-Bourgogne

Pommard
ポマール

ポマール 赤 (PN,Pb,PL)
('83 \11,800)

 個人的に非常に好きなポマール。このワインを飲んだ時はいつもついつい飲みすぎてしまいます。そのためよく造り手の名前をひかえるのを忘れがちです。
 83年のブルゴーニュは、いい年です。造り手は個人的に最近特に興味をそそられるルロワ。期待していたのですが。。。
 ちょっとピークを過ぎたのかな?香りは「スーパーで売っている黄色の甘ったるい沢庵」(笑)。プラムや枯れた木の葉のようなニュアンスも残っているものの、味わいも少し酸味が強すぎる。やっぱり、ルロワでも村名クラスの物だと10年位までに飲んだ方がいいのかな?
 (ドメーヌ・ルロワ)



Meursault
ムルソー

ムルソー 白 (Ch,PB)
('90 \6,000)

 ムルソーは、ブルゴーニュを代表する白ワイン産地の一つ。特級の畑はないのですが、1級や村名クラスの物でもいいものが多く、その寿命は長いとも言われます。ワイン名の意味は「ハツカネズミのジャンプ」。
 ムルソーによく形容される燻したような香りや樽熟成によるバター、少しスパイシーな香りも。全体的にブルゴーニュらしいバランスのとれた上品な味わいです。
 このドメーヌ、J・M・ボワイヨは、ポマールにあるようですが、生産するワインはこのムルソーを始め、モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、ピュリニー・モンラッシェなどの白が中心。
 (ドメーヌ・J・M・ボワイヨ)





Chablis
シャブリ
シャブリ 白 (Ch100%) 
('96 \1,850)

 夏の暑い日、山中のキャンプ場。小川のせせらぎの中でシャブリを冷やして飲む。これは、美味しい。そのキリっとした酸味とフルーティーな味わいは、こんな時にもぴったりです。
 シャブリの中でも今人気のあるドメーヌ・デ・マランド。「自分の個性をワインの中に表現するのではなく、ワイン自身がその個性を発揮出来るように環境を整えてやるのが醸造家の仕事」というオーナー、マルシーヴ氏のポリシーに惹かれます。 
(ドメーヌ・デ・マランド)




Italy-Toscana

Vernaccia di San Gimignano
ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ
トスカーナ 白 (ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ100%)
('97 \2,000)

 93年にDOCGに昇格したトスカーナ州産の辛口白。赤に目が行きがちなトスカーナですが、この白も要チェックです。
 不思議なくらい複雑な香り(青草や蜂蜜)。フレッシュな酸味の中にも、一本筋の通ったボディを味わえます。イタリア料理とも相性は抜群だと思います。かのミケランジェロもお気に入りだったとか。  
(テルッツィ&ピュトー)




America-California

今月の一推し

Beringer Chardonnay Private Reserve
ベリンジャー・シャルドネ・プライベート・リザーヴ
ナパ・ヴァレー 白 (シャルドネ)
('95 \5,800)

 ドイツ系の移民、ベリンジャー兄弟によって、1876年、ナパ・ヴァレー、セントヘレナに設立。禁酒法の時代にも教会のミサ用にワインの醸造を許されていました。
 プライベート・リザーヴは、ここの看板商品。フレンチ・オークで9ヶ月間、あのミュスカデの製法として知られるシュール・リーにて熟成され生み出されるフルボディの白。
 木樽からのバニラ香、フルーツ系の華やかでヴォリューム感のある香りにびっくり。それでいて、ちゃんと上品な酸味とほのかな甘味。美味しいワインです。食事と一緒に飲んでもいいと思いますが、これ一本だけ味わっても楽しめます。
 カリフォルニアやオーストラリアのワインは、本当に魅力的です。歴史に縛られる事がないから、ブドウの持つ個性や可能性を精一杯引き出そうという造りが感じられます。前出のムルソーと一緒に比べると旧世界、新世界のそれぞれの特徴がよく分かります。
(ベリンジャー社)



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