November,2000 (2)

イタリアワイン特集 Vol.2
ピエモンテと北部/中部イタリア

Barbaresco '82
Barolo Rocche '94
Barolo Conteisa Cerequio '89
Barolo '93
Bussiador '97
Chardonnay Buschet '94
Barbaresco '68
Darmagi '95
Polikalpo '96
Barbera d'Asti "Ai Suma" '95
Dolcetto d'Alba '98
Valpolicella Classico Superiore '93
Valpolicella Superiore '93
Amarone della Valpolicella Classico Superiore '93
Toar '94
Torcolato Riserva Acininobili '96
Arborizza '96
Ronco del Re '96
Montepulciano d'Abruzzo '75
Montepulciano d'Abruzzo "Cerasuolo" '96
Montepulciano d'Abruzzo '97
"Pelago" Marche Rosso '96
(特にお気に入りのワインには
マークを付けています)



Italy-Piemonte


Barbaresco "Gallina di Neive"
バルバレスコ "ガッリーナ・ディ・ネイヴェ"

バルバレスコ地区 赤 (ネッビオーロ 100%)
('82 \20,000位)

 ブルーノ・ジャコーザ、1900年より続く老舗のワイナリーは、天候の悪い年にはワインを造らないという頑固者。伝統的な醸造法を重んじ、この地区におけるガイヤとは対照的ながら双璧の存在。
 バルバレスコ1982。伝統的なこの銘柄は元来「長熟」その意味を思い知る一本。アルプスの影響で発生する霧(ネッビオ)が語源とも言われるネッビオーロ種のワインは、プラムやバラの香り、苦味を含んだ大人の果実。すべてが霧に包まれるが如く、熟成により優雅にそして繊細に。余韻に残るタンニンだけが、このワインの命の長さ、絶対的な貫禄を示すよう。飲めたことに感謝したくなるほどの素晴らしいワイン。
(ブルーノ・ジャコーザ : Bruno Giacosa)

Barolo Rocche
バローロ・ロッケ

バローロ地区 赤 (ネッビオーロ100%)
('94 \6,000位)

 ピエンツァで星付きレストランを経営していたミリオリーニ夫妻がモンフォルテ・ダルバにワイナリーと畑を買い求め、住まいまで移して興したのがロッケ・ディ・マンゾーニ。バローロ地区4ヵ所に計40haの畑を所有。バリックを初めてバローロに採用したワイナリー。
 不思議な印象のバローロ。やや熟成を感じさせる色合い、杏の風味と高めの酸味。口に含んだ瞬間、甘さを感じるワインなのですが、余韻がかなりホットで辛さを伴います。好き嫌いの分かれるタイプかもしれません。
(ロッケ・デイ・マンゾーニ : Rocche dei Manzoni)DOCG

Barolo Conteisa Cerequio
バローロ・コンティサ・チェレッキオ

バローロ地区 赤 (ネッビオーロ100%)
('89 \7,000位)

 グロミス社はガイヤ(下記)の所有であるという事は、近年知られる所となりました。ラ・モッラ村の「マレンゴ・エ・マレンダ : Marengo e Marenda」醸造所が1994年にガイア家に買収され、セラーに貯蔵されていたボトルはすべて「Gromis」というラベルに張り替えられたワイン達。このバローロはコンティサ・チェレッキオの単一畑のもの。
 未だ若々しいルビーをしたワインは、スミレのブーケと木炭を思わせ、動物的なニュアンスが混じります。微細で量の多いタンニンが長く舌の上に残る様は、まさにバローロでしょうか。
(グロミス社 : Gromis)DOCG


Barolo
バローロ

バローロ地区 赤 (ネッビオーロ100%)
('93 \8,000位)
Bussiador
ブッシャドール

ランゲ 赤 (シャルドネ100%)
('97 \5,400位)

 アルド・コンテルノはピエモンテ州アルバに18世紀に創立。1969年にアルド・コンテルノとジャコモ・コンテルノに分かれ、アルド・コンテルノは新たにブドウ畑を購入しました。1970年ヴィンテージからワインの生産を始め、現在では世界的に認められています。
 バローロ:全生産量の4割を占めるのがバローロ。フラッグシップは「バローロ・グランブッシア」ですが、このスタンダードなバローロにも「MONFORTE」「BUSSIA」の文字がラベルに入り、拘りが感じられます。
これは好みのワインですね。心地よいスグリのアロマに時折交じる揮発香。まるで赤い果実を食べるような美味しいワインは、流麗な酸味、そしてフィニッシュに感じる細やかで重みのあるタンニン。歴史あるバローロに求める理想の姿。
 ブッシャドール : シャルドネ100%で造られるランゲDOC。白のグランブッシア。100%新樽で熟成させるこの白ワインの生産量は、最大でも27樽のみという事。アリエ産とトランシェ産の軽く焦がした新樽に移し替え、途中で一回澱引きをして一年間熟成の後、瓶詰め。最低6ヵ月間の瓶熟を経て出荷されます。冷却処理、清澄処理、フィルター処理は一切されません。
現時点では、厳しさを感じるワイン。しっかりしたアルコール感、樽の要素からくる余韻での渋み。強靭な骨格に比べ、やや果実感が出てきていないのでしょうか?しかしながら、このワインは是非熟成させてみたいですね。
(アルド・コンテルノ : Poderi Aldo Conterno)


Chardonnay Buschet
シャルドネ・ブシェット

ランゲ 白 (シャルドネ)
('94 \4,500位)

 ミヌート家により1952年に創立。今ではマルク・ディ・グラツィア率いるバローロ・ボーイズのメンバーで、秀逸な畑名入りバルバレスコ(Basarin、Bric Balin、Cole)を産出するモッカガッタ。Barbaresco Cole 1997 は、ガンベロ・ロッソのトレ・ビッキエリを獲得。このシャルドネは、Buschetの畑から年間400ケースのみ生産される小樽熟成によるVdTです。
 上記のブッシャドールと同時に頂いたワイン。その個性はよく似ていて、この地区で上質のシャルドネを目指す2つの生産者の方向性を伺わせます。こちらの方がややスモーキー、シャルドネらしいボディ、旨味のある果実をのぞかせてくれました。綺麗なミネラル感は、やはり熟成に適したワインなのでしょう。
(モッカガッタ : Moccagatta)VdT

Barbaresco
バルバレスコ

バルバレスコ地区 赤 (ネッビオーロ 100%)
('68 \20,000位)
Darmagi
ダルマジ

ランゲ 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン100%)
('95 \15,000位)

 ガイヤ社は、1859年創業の歴史ある醸造家。イタリアワイン界に新風を巻き起こす男がピエモンテの奇才、アンジェロ・ガイヤ。この地区でバローロ、バルバレスという偉大なワインを産み出すネッビオーロ種ではなくカベルネ・ソーヴィニオンを植え、親爺さんは「ダルマジ(残念だ)」と呟いたそう。
 バルバレスコ:1968はアンジェロが代を継ぐ以前の先代のワイン。未だ健全な状態の若々しさを残す古酒。チェリーっぽいリキュールのみずみずしさと余韻のタンニン。伝統を感じさせほっとするワイン。
 ダルマジ:1995という良年、北イタリアというイメージから、キュッと締ったワインを想像していたのですが、意外にもすでに丸みと柔らかさを感じるくらい。カシス、丁子、ブラック・ペッパーといった香りはボルドーにも通じますし、緻密なタンニンと果実味はよく溶け合っています。ワインの厚みは少ないタイプですが「山の手のお嬢様風」の純粋なワイン。これがアンジェロ流、ランゲのカベルネかも。価格を除けば、十分にお薦めできる一本。
(ガイヤ社 : Gaja)


Polikalpo
ポリカルポ

モンフェラート 赤 (バルベーラ90%、カベルネ・ソーヴィニオン10%)
('96 \4,500位)

 カッシーナ・カストレットは「パッシウム」他、ボトルに直接描いた印象的なデザインで有名。この不思議な「矢印」は品質も含め常に進歩と前進を表すと言います。
 ポリカルポという畑から産出されるこのワイン。優しいバニラと赤い果実のとても滑らかなアタック。バルベーラの良さ、軽やかなタンニンと人なつっこい味わいに、カベルネのコクをプラスした良作。
(カッシーナ・カストレット社 : Cascinacastle't)


Barbera d'Asti "Ai Suma"
バルベーラ・ダスティ "アイ・スーマ"

アスティ 赤 (バルベーラ)
('95 \7,500位)

 ピエモンテの代表というとバローロ、バルバレスコとなるわけですが、この地で最も多く栽培されるバルベーラ種からトップクラスのワインを産出するブライダ。故ジャコモ・ボローニャ氏は1980年代、バルベーラをバリックで熟成されることを試み、数々の名作を造ってきました。このアイ・スーマ( "まさにこの一本" の意味)は、88、89、90の後、91〜94ヴィンテージは生産されず、この95年はファン待望のヴィンテージ。ブリッキ農園のバルベーラを完熟するまで待ち、10月の終わりに収穫。ステンレスタンクによるアルコール発酵の後、オーク小樽による6ヶ月間の熟成、8ヶ月の瓶熟を経てリリースされました。
 まさにバルベーラの概念を打ち崩す一本。深く黒味がかったルビー色。もともとタンニン分の少ないこの品種をして、どうしてここまで渋みがあるのか?凝縮されたブドウジュース、がっしりしたストラクチャーに仰天。こりゃ置いておきたいワインです。
(ブライダ : Braida - Giacomo Bologna)


Dolcetto d'Alba
ドルチェット・ダルバ

アルバ 赤 (ドルチェット100%)
('98 \1,900位)

 ドルチェットはピエモンテで栽培される早熟なブドウ品種。アルバで産するこのドルチェット・ダルバやドルチェット・ダックイなどがDOCとしてあります。Dolcetto : dolce(甘い)+etto(可愛い)という意味は、この地域の人々にとっては、親しみ易いデイリーなんでしょうね。
 バローロやバルバレスコの生産者がこの品種をつくる事が多く、このヴィッラ・イレもバルバレスコの造り手。一切科学肥料や農薬を使わない有機栽培を行い、そのために畑には害虫を食べさせるための野鳥小屋を置いているという事です。
 とても気さくなワインですが色は濃い赤紫をしてします。甘味のある新鮮な果実の香り、口当たりがよく、酸味は優しく爽やかでクリーンなスタイル。タンニンも柔らかなので、色んな料理にも合いそうです。赤ワインの酸っぱさ、渋みが苦手な人にも。少し冷やし気味でどうぞ。
(ヴィッラ・イレ : Villa Ile)


Italy-Veneto


Valpolicella Classico Superiore
ヴァルポリチェッラ・クラシコ・スペリオーレ

ヴァルポリチェッラ地区 赤 (コルヴィーナ他)
('93 \4,000位)
(ジュゼッペ・クインタレッリ : Giuseppe Quintarelli)

Valpolicella Superiore
ヴァルポリチェッラ・スペリオーレ

ヴァルポリチェッラ地区 赤 (コルヴィーナ他)
('93 \5,500位)
(ダル・フォルノ・ロマーノ : Dal Forno Romano)

 ヴェネト州の有名なDOC、ヴァルポリチェッラ。「ヴェローナの王子」と呼ばれるこのワインは、本来、軽快な若飲みタイプ。しかしながらここに挙げる2本は、H.ジョンソン氏をして「この地区最良のもの」と評するワイン達。
 900年以上の歴史を持つクインタレッリは、その品質の高さ、価格もこの地区で最高級。特にアマローネはファン垂涎のワイン。そして完璧主義の栽培者というダル・フォルノ・ロマーノ。8haの畑からたった年産14000本という希少なもの。
 ヴァルポリチェッラ両横綱の対決。あくまで滑らかそして奥行きのある表情、ベテランの技を感じさせ、心をくすぐるクインタレッリに対し、これでもかと押し迫る迫力十分のダル・フォルノ。実際ジュゼッペ爺さんはすでに引退したとか?今後は暴れん坊ダル・フォルノの一人舞台になるのか?


Amarone della Valpolicella Classico Superiore
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラシコ・スペリオーレ

ヴァルポリチェッラ地区 赤 (コルヴィーナ他)
('93 \12,000位)

 こちらはクインタレッリのアマローネ。アマローネとは、苦い、辛いという意味。つまりワインの糖分を発酵を進めることによって辛口に仕立てたもの。
 さすが!と思わせる一本。「レチョート」の表記はありませんが、香りはまるでブランデーとポートを混ぜたような甘さ、干しブドウの濃縮された風味。香りの甘さに対し、味わいの辛さが面白く、アタックでのタンニン、そして後ろ髪をひかれるような余韻のアルコール感に思わず納得。素晴らしい逸品。
(ジュゼッペ・クインタレッリ : Giuseppe Quintarelli)


Toar
トアール
ヴェネト 赤 (コルヴィーナ主体、ロンディネッラ他)
('94 \3,000位)

 ヴェネト州を代表するメーカー、マアジ社による土地の伝統と斬新な試み。ヴァルポリッチェラで使用されるコルヴィーナ種とロンディネッラ種を主体とし、スロヴェニア産とアリエ産のオーク樽で別々に12ヶ月熟成の後ブレンド、さらに12ヶ月瓶熟しています。TOARとは、火山灰の土地に由来した名前です。
 温かみのある香りのワインは好印象。オークの甘い香りが多いのですが、高めの酸味が印象的。土着品種系なので、洗練され過ぎていない所がいい。もしブラインドで飲んだら、多分サンジョヴェーゼって言うかな?もしかしたらシラー?とにかく美味しいワイン。
(マアジ : Masi)VdT


Torcolato Riserva Acininobili
トルコラート・リゼルヴァ・アキニノービリ

ブレガンツェ 甘白 (ヴェスパイオーラ60%、トカイ・フリウラーノ20%、ガルガネーガ20%)
('96 \10,000位 375ml)

 1936年創立、三代目のオーナー、ファウスト・マクラン氏は年間300万ケースの生産量を今では4万ケースまで落とし、ブドウの品質向上、そして小樽熟成に拘る。カベルネ、メルロー等、外来品種の導入、そして世界的に広く評価されているのが、このトルコラートという甘口ワイン。リゼルヴァにあたるアキニノービリは非常に珍しい一本。
 アプリコットや梅といった甘酸っぱい香りが特徴的。貴腐による複雑な杏酒のような風味。かなり甘いはずなのに、酸味が綺麗にまとめあげています。パイナップルの器に酢豚を盛るような中華のイメージ?大変面白いデザートワインでした。
(マクラン : Maculan)



Italy-Friuli Venezia Giulia



Arborizza
アルボリッツァ
コッリオ 赤 (カベルネ・フラン100%)
('96 \2,700)

 フルウーリ上位の産出業者とされるリヴォン。「Braide Alte」というシャルドネは、ガンベロ・ロッソにて最高評価のトレ・ビッキエリを獲得しているようです。これはコッリオDOCの珍しいカベルネ・フラン100%。クレオパトラ風の女性が描かれたラベルに思わず目が留まります。
 深いガーネット色、香りの中に埃っぽい乾いたイメージや鉄錆。キルシュの上品な口当たりから、北イタリアらしい酸の柱を中心に干したプラムの甘味。余韻はドライな辛口の赤。イタリアの色が強いカベルネ・フランはやはり個性的です。
(リヴォン : Livon)DOC



Italy-Emilia Romagna


Ronco del Re
ロンコ・デル・レ

エミリア・ロマーニャ 白 (ソーヴィニヨン・ブラン)
('96 \8,000位)

 エミリア・ロマーニャ州ではかなり知名度のあるアーティリオ・バーリ氏の率いるカステッルッチォ。「ロンコ・デイ・チリエージ」「ロンコ・デッレ・ジネストレ」の人気も高いようです。これは中部イタリアでは珍しくソーヴィニヨン・ブラン種の白で、年間生産量はたった3000本。12ヶ月の新小樽熟成。
 イタリアらしい一癖あるワイン。ソーヴィニヨン・ブランのイメージを覆す厚みと、樽の要素が一杯のバニラ香。その濃縮感と余韻での渋みは、手の込んだ造りが伺えるワインです。
(カステッルッチォ : Castelluccio) IGT



Italy-Abruzzo


Montepulciano d'Abruzzo
モンテプルチャーノ・ダブルッツォ

モンテプルチャーノ・ダブルッツォ地区 赤 (モンテプルチャーノ他)
('75 \17,000位)

 普通に造ればデイリーとして飲める価格帯のワインとなるモンテプルチャーノ。「1975年のモンテプルチャーノ?それが素晴らしい?」ここから興味は深くなっていきます。アブルッツオ州、グラン・サッソにある約100年の伝統を持つワイナリー、エミディオ・ペペ。緩やかな丘の中腹に15エーカーの自社畑を所有し、年間約50000ボトル生産。収穫は全て手作業にて厳選、酵母や亜硫酸をほとんど使わずに発酵させ、ノンフィルターにて瓶詰め。それは彼達が「ワインは生きていて、自然なワインというものは、健康な生活に喜びと安心を与えてくれる」と信じているからだそう。
 開けたワインを見て驚くことに、このヴィンテージにして深みのあるルビー色。熟したプルーンの香りとブルゴーニュに通ずる妖しげな揮発香がグラスを満たし、滑らかな質感のワインはためたいもなく喉に流れ込んでいきます。そこには大地を感じさせる、いまにも動き出さんとする果実味。こんなワインがあるんだ。今一度、腰を据えて味わいたい逸品。
(エミディオ・ペペ : Emidio Pepe)


Montepulciano d'Abruzzo "Cerasuolo"
モンテプルチャーノ・ダブルッツォ "チェラスオーロ"

モンテプルチャーノ・ダブルッツォ地区 ロゼ (モンテプルチャーノ他)
('96 \6,000位)

 この地区で「アブルッツオのワインの神様」「哲人、奇人」とも呼ばれ、崇拝されるのがエドアルド・ヴァレンティーニ。トレッビアーノ種からの白、モンテプルチャーノ種からの赤を産出していますが、これは珍しいロゼワイン。
 実はある時、二次会にて開けてしまったこのワイン。当然細かなニュアンスまで言及出来ませんが、赤いフルーツ香は甘くジャミーで、目を閉じて飲めば、赤ワインに間違うだろうと。そしてワインの厚さ、ロゼとは思えない酒躯、「絶対美味しい」という記憶。多分確かです(笑)。
(E.ヴァレンティーニ : E.Valentini)


Montepulciano d'Abruzzo
モンテプルチャーノ・ダブルッツォ

モンテプルチャーノ・ダブルッツォ地区 赤 (モンテプルチャーノ他)
('97 \1,710)

 この地区において、最近人気のカステッロ・ヴェッキオ。樹になる房数を制限したり、かなり収量を抑えたりしているという噂。確かに黒みがかった深いガーネット色にその秀逸さが伺われます。バニラの甘い香りに樽使いの上手さを表現。カシスや土のニュアンスを含む凝縮感のある果実、酸もきっちり整った旨みのあるワイン。この地区にも新しい時代の到来を感じます。一緒に飲んだ方はこう言いました「このワイン、5000円位?」確かにその価値があるかもしれません。
(カステッロ・ヴェッキオ : Castello Vecchio)



Italy-Marche


"Pelago" Marche Rosso
"ペラーゴ" マルケ・ロッソ

マルケ 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン50%、モンテプルチャーノ40%、メルロー10%)
('96 \4,150)

 アンフォラ型のヴェルディッキオのリーダー的存在のウマニ・ロンキ。ペッシェヴィーノという魚の形をしたワインは有名。ウマニ・ロンキがリリースしたこのスーパーVdT(現在はIGT)、イタリア語で「深海、大草原」を意味するペラーゴは、1997年のインターナショナル・ワイン・チャレンジでもトロフィーを獲得していました。やはりジャコモ・タキス氏がコンサルタントしているようです。
 非常に深みのあるルビー色。フレンチ・オークのバニラ香がカベルネのスパイシーなアロマと調和し、程よいタンニンを含むミディアムボディのワイン。飲み心地の良さとコクのあるバランスのとれた美味しいワインです。おすすめします。
(ウマニ・ロンキ : Umani Ronchi)


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