November,2000

イタリアワイン特集 Vol.1
トスカーナと南部イタリア

Brunello di Montalcino '90
Brunello di Montalcino "Ugolaia" '93
Brunello di Montalcino Reserva "Soldela" '91
Le Stanze '94
Elegia '94
Tignanello '96
Sassicaia '94
Sassicaia '97
Solengo '95
Le Pergole Torte '90
Sammarco '93
Chianti Classico '96
Anagallis '94
Chianti Classico Riserva '69
Chianti Classico Riserva '58
Chianti "Gineprone" '97
Montiano Rosso '96
Torre Ercolana '90
Ventroso Capri Rosso '97
Corvo Rosso '97
Regaleali '90
Faro Palari '96
Planeta Cabernet Sauvignon '97

(特にお気に入りのワインには マークを付けています)


Italy-Toscana


Brunello di Montalcino
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
シエナ近郊 赤 (ブルネッロ)
('90 \20,000位)

 イタリアのDOCGの中でも、バローロと並び、最も名高いワインがブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。その先駆者とされるのがビオンディ・サンティで1862年に初めてブルネッロを世に出した名門。樹齢10〜25年の選り抜きのブドウ、良作年のみ造られるワインは、ワイン好きの憧れ。
 やや明るめのルビー色をした90年。バラの香り、熟成を経たワインは、果実とタンニン共に優しく、気持ちのよい酸味がサンジョヴェーゼ種のクローンであるブルネッロの個性を表しています。ストレートな気品を感じる「ブルネッロの正統」。
(ビオンディ・サンティ : Biondi Santi)DOCG


Brunello di Montalcino "Ugolaia"
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ "ウゴライア"
シエナ近郊 赤 (ブルネッロ)
('93 \12,000位)

 16世紀から続く歴史あるワイナリー、リジニ。フランコ・ベルナベイ氏は、醸造家としてザンジョヴェーゼのスペシャリストで伝統的を生かしつつ近代的な技術を融合させ、洗練されたワインを造り出すと言われます。3/15号の「ブルータス」にて「ポスト・サッシカイア」として紹介されていたのも記憶に新しいところ。
 光沢のある黒みがかった赤紫に凝縮されたワインが見てとれます。穏かな酸が果実の旨みを引き立て、造り込まれた品質を感じるワインは「ブルネッロの精鋭」。
(リジニ : Lisini)DOCG


Brunello di Montalcino Reserva "Soldela"
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ "ソルデーラ"
シエナ近郊 赤 (ブルネッロ)
('91 \20,000位)

 オーストリアのリーデル社に「ブルネッロ」専用グラスを作らせてしまったというジャンフランコ・ソルデーラ氏。頑固おやじのブルネッロは、この地区で最も注目集める銘醸物。
 スミレやブラック・チェリーの香り、滑らかな口当たりと十分な果実感。ワインを仕立てる酸味、渋みもありながら、各要素が三位一体となるエレガントな個性は「ブルネッロの貴族」。
(カーゼ・バッセ : Case Basse)DOCG


Le Stanze
レ・スタンゼ

トスカーナ 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン100%)
('94 \7,000位)
Elegia
エレージア

トスカーナ 赤 (プルニョーロ・ジェンティーレ100%)
('94 \5,000位)

 モンテプルチアーノでは秀逸なワインを造り出すことで知られるポリツァーノのプレミアムワイン2本。
 レ・スタンゼ : 1987年ファースト・ヴィンテージ、カベルネを用いたスーパーVdTがレ・スタンゼ。1995年からはIGTとなり、1996年以降にはメルローもブレンドされているということ。外観からもその凝縮されたワインは見てとれ、第一印象ではフレンチオークと思える樽香や、タンニンがかなりキツク感じる。しかしそれは果実の充実感があってのこと。若々く密度のあるワインは、余韻まで舌の上にキッチリ旨さを感じさせてくれます。高い次元での調和を感じさせるかなり好みの一本。
 エレージア : 1983年ファースト・ヴィンテージ、プルニョーロ・ジェンティーレ(サンジョヴェーゼのクローン)100%で生産されるエレージア。リリース当時、法律でプルニョーロ100%のワインはヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノとして売ることが出来ずVdTに。「トスカーナでは海抜の差がワインの味を左右する」という考えから、同社の高地と低地にある三つの畑からのブドウを選別、複雑味を出そうとしたワイン。法改定による理由から1995年がラスト・ヴィンテージに。
 輝きのあるルビー色のワインは、驚くほどスムースなアタック。長い余韻に攻撃的なタンニンとホットな酸味。ただ少し果実感がフラットなのが残念。最終作1995年は素晴らしい出来との噂。試してみたいですね。
(ポリツァーノ : Poliziano)

Tignanello
ティニャネッロ

フィレンツェ近郊 赤(サンジョヴェーゼ80%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%、カベルネ・フラン5%)
('96 \8,000位)

 1385年から続くトスカーナの貴族、アンティノリがつくる高級VdT。1970年に「Vigneto Tignanello」と名づけられたキャンティとして登場、翌1971年に「Tignanello:VdT」に。当時キャンティには白ブドウのブレンドが義務付けられていました。白ブドウを用いず、サンジョヴェーゼの美点を表現しようとしたワインこそがティニャネッロ。アンティノリ曰く「これこそがスーパータスカンと呼ぶに相応しい」。
 96年のティニャネッロはやや?マーク。スモーキーで、ハーブを感じる清涼感、高めの酸味がワインの質感にアクセントをつけていますが、何かまとまっていない。果実の旨みが出てきていないのかな?もう少し待ったほうが良いのかもしれません。
(アンティノリ社 : Antinori)VdT


Sassicaia
サッシカイア

ボルゲリ地区 赤(カベルネ・ソーヴィニヨン85%、カベルネ・フラン15%)
('94 \15,000位)('97 \15,000位)
 テヌータ・サン・グイードの初代オーナーが1944年にシャトー・ラフィット・ロートシルトのカベルネ・ソーヴィニヨンを譲り受け、このワインが出来あがったのが1968年。元祖スーパータスカンと言えばサッシカイア。あまりの高品質のため、VdT(ヴィーノ・ダ・タヴォーラ)だったワインが「ボルゲリ・サッシカイア : Bolgheri Sassicaia」という単独アペラシオンを与えられたのが1994年から。

 94年:イタリアの1994年というヴィンテージは、私自身は好印象の年なのですが、このサッシカイアに関しては、やや青さとフィニッシュでの切れの早さがあったように思います。これがセカンドを造らないというサッシカイアの弱点とされる部分なんでしょうか?ただ、それを感じるのは、あくまでこのワインとしての話で、魅惑的な甘い果実香やバニラ、アタックの柔らかさは素晴らしく、時間が経つにつれて魅力が増したように思います。今飲むには美味しいヴィンテージ。
 97年:とても評判の良いサッシカイア1997。濃さのあるベリー系の果実はとても滑らか。サッシカイアとしては、甘味よりもミンティーでクール、爽やかさを感じるスタイル。やっぱり旨い。
(テヌータ・サン・グイード : Tenuta San Guido)DOC


Solengo
ソレンゴ

トスカーナ 赤(カベルネ、メルロー、シラー、サンジュヴェーゼ)
('95 \15,000位)

 ブルネッロの産出業者として500年の歴史を持つアルジャーノ。1992年から正式にコンサルタントとして契約したのが、あのジャコモ・タキス。話題のスーパータスカン、ソレンゴは1995がファースト・ヴィンテージ。フレンチオークの新樽が70%、残りは一年樽にて15ヶ月熟成。カベルネ、メルロー、シラー、サンジュヴェーゼという珍しい&そそられる品種構成です。
 個性の違う4つの葡萄を使って、ここまでバランス良く仕上がっているのにビックリです。そしてこれだけ様々な香りを放つスタイリッシュなワインも少ないでしょう。紫の花のイメージからチェリーやカシス、バニラ、シナモン、レッド・スパイス。。。すでに柔らか味のある果実が口中に広がる様は、都会のオアシス、美味しいレストランの厨房にでも居るのかというイメージ。年間2000ケースということ、少し値も張りますが、試してみる価値があるワインだと思います。
(アルジャーノ : Argiano)


Le Pergole Torte
レ・ペルゴル・トルテ

キアンティ地区 赤(サンジョヴェーゼ)
('90 \18,000位)

 1967年創立キアンティ地区にあるモンテヴェルティーネ。現在のスーパー・VdTの先駆けとも言えるのがこのレ・ペルゴル・トルテ。キャンティは、近年までサンジョヴェーゼ単一品種での醸造は許されなかったため、1977年、サンジョヴェーゼ100%で樽熟成させたこのワインを発表。1980年キャンティ・クラシコ組合から離脱、そして翌年にはDOCからも離れ、以後VdTのみを生産しています。レ・ペルゴル・トルテのラベルは、毎年変わり、娘達が描かれています。
 1990のラベルも可愛いんですよね。90年という年にして熟成が入っていて柔らかみがありました。酸、渋み、果実のバランスが絶妙。スーパーVdTというより、古典的なイタリアワインの良さを感じたワインでした。
(モンテヴェルティーネ : Montevertine)IGT


Sammarco
サンマルコ
キアンティ地区 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン90%、サンジョヴェーゼ10%)
('93 \5,600)
Chianti Classico

キアンティ・クラッシコ
キアンティ地区 赤 (サンジョヴェーゼ95%、カベルネ・ソーヴィニオン5%)
('96 \2,700)

 カステッロ・ディ・ランポーラは、1965年からキャンティ地区でブドウ栽培を開始。当主のアルチェオ・ディ・ナポリがジャコモ・タキス氏に出会い刺激を受け、1975年からワイン造りを始めたといいます。タキス氏の協力のもと、1978年にカベルネ・ソーヴィニオンを植付け、1980年よりリリースしたカベルネ主体のVdT「サンマルコ : Sammarco」でワイナリーの評価を決定づけます。そして今、スーパー・タスカンとして注目を集めているのが生産量たった800ケースという「ヴィーニャ・ダルチェオ : Vigna d'Alceo」。カベルネにプティ・ヴェルドがブレンドされているようです。
 サンマルコ : いいワインですね。魅惑的なアロマはカシスやブラックペッパーの完全なボルドースタイル。親しみ易いミディアム・ボディを引き締めるクリアーな酸味がイタリア風。サッシカイアをクリーンにしたようなスタイル。これは美味しい!お薦めです。
 キアンティ・クラッシコ : キャンティ・クラシコも重視するランポーラは、ここでも少量のカベルネをブレンド。濃いめの紫がかったガーネット。バラの花やブラック・ベリー、ビタース、そして古樽のような木の香りが複雑。ミディアム・ボディ。気さくなタンニンと酸のある美味しいキャンティです。
(カステッロ・ディ・ランポーラ : Castello dei Rampolla)


Anagallis
アナガリス

トスカーナ 赤(サンジョヴェーゼ80%、コロリーノ20%)
('94 \4,500位)

 1920年創立の伝統あるリリアーノが造るサンジョヴェーゼと地元品種コロリーノ種のブレンドからなるIGT。アナガリスとは花の名前(るりほこべ)だとか。
 キャンティ地区の生産者らしく、華やかでやや乾いた香りと、心地よい飲み心地のミディアム・ボディ。ロースト香やスパイスの感じがワインに複雑さを与えています。色んな料理に合いそうな美味しいワインです。
(テヌータ・ディ・リリアーノ : Tenuta di Lilliano)IGT


Chianti Classico Riserva
キアンティ・クラッシコ・レゼルバ
キアンティ地区 赤 (主にサンジョヴェーゼ)
('69 \3,500位:現地価格)

 キャンティ・クラシコ地区モンティに1000年も前この地に初めてベネディクト修道士により開設されたブドウ園を所有するバディア・ア・コルティブオーノ。サンジョヴェーゼ100%で造るサンジョヴェート(1995からIGT)やキアンティ・クラッシコ・ロベルト・ストゥッキも人気ですが、一般に流通するまでの量はないながらキアンティ・クラシコの古酒も持っているようです。友人は上記の価格で現地にて購入したようですが、日本で見つけたならかなりの価格がついています。
 キアンティ・クラッシコの古酒には良きトスカーナの時代が感じられます。熟成により全体にレンガを帯びたワインは、揮発香、枯葉、ヨードのニュアンス。その中にも優しい味わいとワインを構成するタンニンが生き延びています。一緒に飲んだ生まれ年の方は喜んでいました。
(バディア・ア・コルティブオーノ : Badia a Coltibuono)


Chianti Classico Riserva
キアンティ・クラッシコ・レゼルバ
キアンティ地区 赤 (主にサンジョヴェーゼ)
('58 \9,000位)

 トスカーナに本拠地を構えるネゴシアン、フォッシが地下のカーヴにストックしている古酒。一昨年頂いたこの58年は二度目でした。
 やはり依然、大変状態の良いキャンティ古酒です。40年以上経ったキャンティは、「新しい味の要素が次々に生まれてくる」という以前の感想と同じ。鉄分、ミネラル、甘草。サンジョヴェーゼらしい香りまで取れるのは、リコルクされている事にもよりますが、安心して飲めるフォッシの古酒だと思います。58年生まれの方に。
(フォシー : Fossi)


Chianti "Gineprone"
キアンティ "ジネプローネ"
キアンティ地区 赤 (サンジョヴェーゼ主体)
('97 \1,400)

 トスカーナ州のモンタルチーノ村のワイナリー、コル・ドーチャの起源は16世紀にさかのぼります。現在のオーナーは、フランチェスコ・マローネ・チンザノ伯爵。約100haをブドウ畑とし、年間約84万本のワインを生産。当然、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを得意としますが、話題なのがスーパータスカンの「オルマイア : Olmaia」。カベルネ・ソーヴィニオン主体のワインは、ガンベロ・ロッソでトレビッキエリを獲得しています。
 これはコル・ドーチャのキャンティ。ワインの教科書「世界の名酒事典」では、数あるキャンティの中でトップに記載されています。
 キャンティらしいと言える魅力ある一本。スミレの香り、干しブドウの甘さ。滑らかでコクのあるワインは、酵母の感じも含んでいました。多くの人に好まれるワインだと思います。入手しやすいと思いますので是非デイリーに。
(コル・ドーチャ : Col d'Orcia)



Italy-Lazio


Montiano Rosso Lazio
モンティアーノ・ロッソ・ラツィオ

ラツィオ 赤 (メルロー100%)
('96 \5,400)

 イタリアのスーパーメルロー、モンティアーノ。ファレスコ社のオーナーであるリカルド・コッタレラ氏は、このワインを造りだし、「ミスター・メルロー」と呼ばれるほどに人気を高めたエノロゴ。12ヶ月フレンチ・オークで熟成、ノンフィルター。年間生産量は1000ケース。ガンベロ・ロッソでは最高のトレビッキエーリを数年連続で獲得しています。
 さすがに定評のあるワイン。ハーブやスパイス、ベリーを煮詰めたような香りは魅力的で、熟した甘いタンニンとふくよかな果実味。凝縮感もありながら、酸味が柔らかでためらいなく入っていくワインは、美味しいメルローそのものです。おすすめ。 
(ファレスコ社 : Falesco)IGT


Torre Ercolana
トッレ・エルコナーラ

ラツィオ 赤 (チェサネーゼ、カベルネ、メルロー)
('90 \5,000)

 ローマのあるラツィオ州、東部アナーニ地区にあり天候の恵まれた年のみに僅か1500から2000本ほどリリースされるというエリート・テーブル・ワイン。土着品種であるチェサネーゼとカベルネ、メルローをブレンド。
 90年物とは思えないほどの光沢をもったワインは、南イタリアの土くささと紫をイメージさせる果実。酸は高く、それはサンジョヴェーゼに通ずるのですが、こなれたタンニンが気持ちいい。個性的でイタリアの深さを感じさせてくれます。
(Cantina Colacicchi)VdT



Italy-Campania

Ventroso Capri Rosso
ヴェントローゾ・カプリ・ロッソ
カプリ 赤 (アリアニコ主体)
('97 \5,600)

 カンパーニャの州都ナポリから水中翼船で約30分「青の洞窟」で有名な楽園、カプリ島があります。このカプリはワイン産地としてもDOCに指定されており、赤、白、ロゼが造られています。
 その有名な名前が先行してワインの質はとるに足らないとも言われるカプリですが、ここで評価の高いのがラ・カプレンセ。どうやら、あのリカルド・コッタレラ氏の助言を受け、高品質のワイン造りに取り組んでいるようです。
 正直言うと、全く初めての味わい。まるで白ワインの構造? 清涼感のあるハーブ、ミント、そしてミネラル。南を感じさせない味わいはドライで、クールな紫の果実に綺麗な酸味が交わり、とても素朴なイメージ。面白いワインです。
(ラ・カプレンセ : La Caprense)DOC



Italy-Sicilia


Corvo Rosso
コルヴォ・ロッソ

シチーリア 赤 (ネーロ・ダヴォラ、ペリコーネ、ネレッロ・マスカレーゼ)
('97 \1,400)

 1824年、サラパルータ公爵でヴィッラ・フランカ君主でもあったジュゼッペ・アッリアータが創業したワイナリー。孫のエンリーコ公爵はフランスで修行し近代的醸造技術を導入したと言います。その娘トパチアがこのワイナリーを国に譲り、国営化の道へ。エツィオ・リボッラ、フランコ・ジャコーザらの優秀な醸造家により、イタリア有数の大規模なワイナリーになりました。このコルボ・ロッソは、1998年の年間生産数920万本のうち300万本を占める、有名なブランドです。
 世の中に沢山あるデイリーワイン。でも売れているということは、やはり美味しいワインという基本を気づかせてくれる一本。太陽の甘味を感じる明るい雰囲気のワインは、ボリューム、酸味もバランスが良く、素直に飲める美味しさ。この土地独特の品種が持つ良い意味での気安さと雑味を持つワインですね。
(ドゥーカ・ディ・サラパルータ : Duca di Salaparuta)IGT


Regaleali
レガレアーリ

シチーリア 赤 (ネーロ・ダヴォラ、ペリコーネ)
('90 \1,600位)

 コルボと並んでシチーリアのワイン業界をリードしてきたレガリアーリ。18世紀から続く貴族の家柄であるタスカ家のワイナリーは、現在350ha、総生産量280万本。レガリアーリとしてのワインは、赤、白、ロゼがあり、その他はノッツェ・ドーロという白、あとシャルドネやカベルネなどのVdTが造られています。
 たまたま飲んだレガリアーリの90年物。ある酒屋さんの地下に転がっていたもの。意外なところに美味しいワインがあるものです。暖かい太陽と大地を感じるワインは熟成され、まったりとした果実と低く保たれた酸度とあいまって、最高の飲み心地。本当に旨い。あのジャコモ・タキス氏がシチーリアやサルディーニャのワインを愛する意味が分かるような気がします。
(レガレアーリ - タスカ・ダルメリータ : Regaleali)


Faro Palari
ファロ・パラリ
シチーリア 赤 (ネレッロ・マスカレーゼ、ネレッロ・カプッチオ、カラブレーゼ)
('96 \5,500位)

 注目のワイン産地、シチーリア。ファロはシチーリア州のDOCで、赤ワインのみ生産が許されています。このワインは、1999年度ガンベロ・ロッソにて栄光のトレ・ビッキエリ(スリー・グラス)を獲得しました。軽いプレスの後、15日間温度調節タンクにて発酵、フレンチオークのバリックにて熟成。最大18ヶ月の瓶熟のあとリリースされるようです。
 「シチーリアのロマネ・コンティらしいですよ」という紹介で登場したこのワイン(ほんまかいな、笑)。ベリーやスミレのアロマ、東洋の香辛料、田舎の大地、酸味による切れのよい香り。飲んでみると木目の細かいワインに樽のバニラが溶け込み、ベルベットの滑らかさ。ほんと美味しいワインです!ポテンシャルの高さはトレ・ビッキエリに相応しいもの。これから期待できるでしょうね。
(パラリ : Palari)DOC

Planeta Cabernet Sauvignon
プラネタ・カベルネ・ソーヴィニオン
シチーリア 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン)
('97 \3,000位)

 シチーリアにて300年以上ものワイン造りの家系を持つプラネタ家。セッテソーリの組合にワインを売り続けてきたプラネタがその粋を超えた高品質のワイン造りをしたいと1985年、プラネタ・プロジェクトを開始。現在160haの自社畑を持ち、シャルドネ、カベルネ等の海外品種で成功。プラネタの代名詞となったシャルドネは、1999年のトレ・ビッキエリを獲得しています。
 非常に濃いガーネット色、コクを感じる果実味ながら、このワインはまるでカベルネ・ソーヴィニオンとは思えない。ミンティーでメントールの香りがあり、甘酸っぱいチェリー、土のニュアンス。シチーリアで造るとカベルネも土着風です。
(プラネタ : Planeta)

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