August,2000 (2)

NVシャンパーニュ&スパークリング特集

Alain Robert Le Mesnil Blanc de Blancs
Lanson Black Label Brut
Michel Maillart Rose
P. Lancelot-Royer Cuvee de Reserve R.R.
Taittinger Brut Reserve
Egly-Ouriet Blanc de Noirs
Jean-Louis Deparis Brut
Cremant de Loire Cray Brut Vintage'93
Iron Horse Wedding Cuvee '97
Au Bon Climat California Sparkling Santa Barbara County '91
Mumm Cuvee Napa Blanc de Noirs
Pelorus '92
Schales Rieslaner Extra Trocken Premium-Sekt '91
Bottega Prosecco Brut
Cidre Val de Rance Cru Breton


France-Champagne


Alain Robert Le Mesnil Blanc de Blancs
アラン・ロベール・ル・メニル・ブラン・ド・ブラン
シャンパーニュ 泡白 (Ch100)
(NV \5,000位)

 あの「クリュッグ・クロ・デュ・メニル」や「サロン」でも名高いメニル・シュル・オジェ村にて17世紀から続く由緒あるシャンパーニュ・ハウス、アラン・ロベール。100%自社畑、100%シャルドネのブラン・ド・ブランを造り続けているメゾンです。
 ノン・ヴィンテージですが、1988のワインが主体となっているようです。Blanc de Blancsにしてかなり濃い色調で、ハーブやカラメル、トースト等の複雑な香りは、かなり熟成してる感じなのですが、果実味は青リンゴのフレッシュな部分もあったように思います。NVでも個性の強いシャンパン。一度、特吟物の「トラディション」を飲んでみたいです。
(アラン・ロベール)


Lanson Black Label Brut
ランソン・ブラック・ラベル・ブリュット
シャンパーニュ 泡白 (Ch35,PN50,PM15)
(NV \4,000位)

 1760年にランスで創立。前回のプレスティージュ特集でも「ノーブル・キュヴェ」を紹介したランソン。ここの生産量のうち、約9割をこの「ブラック・ラベル」が占めている辺り、ノン・ヴィンテージに力を入れている様が分かります。そして英語表記の名前も、海外市場を意識しているのでしょう。
 このシャンパンは好きなんです。爽やかな香りの中にも、ちゃんとイースティな部分もあって、酸味と果実が互いにハーモニーをつけるよう。飲んでいくうちに心地よさを感じる美味しいノン・ヴィンテージです。
(ランソン)


Michel Maillart Rose
ミッシェル・マイヤール・ロゼ
シャンパーニュ 泡ロゼ (Ch,PN,PM)
(NV \4,000)

 16世紀に初代ピエール・マイヤールによりシャンパン造りが始められた非常に歴史のある名門マイヤール家。ワインコンサルタント、ロンドン生まれのジェームス氏が選んだ98年のシャンパン・ベスト90に'83 Cuvee Prestigeが選ばれ、シャンパンメゾンとしての名声を不動のものにしたミッシェル・マイヤール。ここの Cuvee Prestige はお気に入りのワイン。
 このロゼ、赤みがかった濃いピンクから「フランスのシャンパンなの?」という第一印象。色と同じく甘いイチゴの香り。ロゼ特有の渋みも控えめ。しっかりしたボディを持ちながらも切れの良い余韻は重さを感じさせないチャーミングなワイン。アウトドアに連れていってもいいですね!
(ミッシェル・マイヤール)


P. Lancelot-Royer Cuvee de Reserve R.R.
P. ランスロット・ロワイエ・キュヴェ・ド・レゼルヴ R.R.
シャンパーニュ 泡白 (Ch100%)
(NV \4,000)

 初めて聞いたシャンパーニュ。ランスロット・ロワイエは、格付け100%クリュのクラマン村にあるようで、畑面積5.5haを持つレコルタン・マニピュラン。このキュヴェは2000年ミレニアム用に出してきたブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)です。
 優雅な泡立ち、ブラン・ド・ブランとしては芳醇で豊かな果実、グレープフルーツやレモングラスを感じさせるワインはバランスがとれ、この価格帯としては素晴らしいものだと思います。シャンパンがいいのだけれど、ちょっと予算が・・・と迷った時に、このワインを選択することをお薦めします。
(ランスロット・ロワイエ)

Taittinger Brut Reserve
テタンジェ・ブリュット・レゼルブ
シャンパーニュ 泡白 (Ch38,PN42,PM20)
(NV \5,000)

 1931年、アルザス出身のピエール・テタンジェが、この地を気に入って、造りはじめたシャンパン・メーカー。しかしながら、その前身のフォレスト・フルノー社の歴史は1734年まで遡ります。ここのプレステージ・シャンパンである「コント・ド・シャンパーニュ」は有名ですね。
 ワイン自体の味わいよりも、その爽やかさを味わうタイプでしょう。ライム系の香りと味わい、どちらかというと、白ブドウを感じるフレッシュで繊細なシャンパーニュ。
(テタンジェ社)


Egly-Ouriet Blanc de Noirs
エグリ・ウリエ・ブラン・ド・ノワール
シャンパーニュ 泡白 (PN,PM)
(NV \5,000位)

 1900年創立、ミッシェル・エグリとフランシス・エグリ親子が経営し、現在は全て生産者元詰め。モンターニュ・ド・ランス地区のピノ・ノワールで有名な100%クリュ、アンボネー、ブジーの畑から産するブラン・ド・ノワール(黒ブドウのピノ・ノワール、ピノ・ムニエだけを使用)です。
 ブドウの甘さを感じる香りとしっかりしたコクのあるシャンパン。実はこのシャンパンを頂いた時は、食後でかなりワインを飲んだ後だったため、細かな感想はいえないのですが、この風味と酒肉の厚さは、印象的。是非、また飲んでみたいですね。 
(エグリ・ウリエ)

Jean-Louis Deparis Brut
ジャン・ルイ・ドパリ・ブリュット
シャンパーニュ 泡白 (Ch,PN,PM)
(NV \5,000)

 オランダ人ポール・ヘルマンが営むネゴシアン、ジャン・ルイ・ドパリ。ル・パンやヴュー・プラトー・セルタンと言ったポムロールの名シャトーで樽売りになったワインを集め、販売していることでも有名になっているようです。
 これは、そのネゴシアン物のシャンパン。フレッシュな香りの中にも焼いたクロワッサンの風味を漂わすあたりはさすが。均整のとれたまとまりのあるシャンパン。
(ジャン・ルイ・ドパリ)




France-Loire


Cremant de Loire Cray Brut Vintage
クレマン・ド・ロワール・クレイ・ブリュット・ヴィンテージ
クレマン・ド・ロワール 泡白 (シュナン・ブラン?)
('93 \1,700)

 クレマンとは、瓶内気圧が3.6位と通常のシャンパン(5〜6気圧)より低い発泡性ワインの事。本来の意味は「クリーミーな」といった意味。1975年より、アルザス、ロワール、ブルゴーニュでシャンパン方式を用いて造られたものにその名称が与えられます。
 ブドウ品種は分からないのですが、クレマンはその地方の品種で造られるので、このワインの持つ柔らかな甘味はシュナン・ブランかな??レモンやライムの柑橘系の香りは夏にぴったり!ちゃんとイースト香もあって、炭酸ガスが穏やかなので、飲みやすい。これで1000円台ですからお買い得感ありです。
(クレイ)


America-Sparkling Wine


Iron Horse Wedding Cuvee
アイアン・ホース・ウエディング・キュヴェ
ソノマ : グリーン・ヴァレー 泡ロゼ (PN91%, Ch9%)
('97 \3,200位)

 1976年、ソノマの雄、ロドニー・ストロングからグリーン・ヴァレーの土地を買い、シャルドネとピノ・ノワールを生産するアイアン・ホース。ソノマでも冷涼な気候のグリーン・バレーは、スパークリング用のブドウを育てるのに最適な環境であり、ここで生産される4万ケースの約半分がスパークリング・ワイン。このウェディング・キュヴェは、このワイナリーの娘であるジョイ・スターリングさんとワインメーカーであるフォレスト・タンサーさんが結婚された年に造り始めたというもの。
 そのネーミングを彷彿とさせる美しくも淡いサーモン・ピンク。細やかな泡立ちのワインは、チェリー、ドライ・フラワー、杏のアロマ。その香りはピノ・ノワール特有の甘さがよく感じられるもの。これだけ若いヴィンテージで、柔らか味のあるマイルドな果実と調和のとれた酸味。余韻はドライで苦味を伴います。「ウエディング・キュヴェ」その名の通りロマンチックなワインは、是非プレゼントに、そして自分のためにも。
(アイアン・ホース・ヴィンヤーズ : Iron Horse Vineyards )


Au Bon Climat California Sparkling Santa Barbara County
オ・ボン・クリマ・カリフォルニア・スパークリング・サンタ・バーバラ・カウンティー
サンタ・バーバラ 泡ロゼ (ピノ・ノワール80%、ピノ・ブラン20%)
('91 \8,000位)

 もうお馴染み、サンタ・バーバラの怪人、ジム・クレンデネン氏のオ・ボン・クリマ。そのシャルドネ、ピノ・ノワールの品質の高さは、周知の事実。今年の春「ABCのスパークリングがある?」と気になっていたのがこのワイン。ある意味、ジムのバイ・プロダクト的なものですが、通常はサンタ・バーバラのWINE CASKというワインショップでしか買えないという事で、なんと1991の生産量はたったの300本弱だったとか(1993は1200本)。5月に開催した「カレラ&ABC対決」の乾杯に用意したワイン。
 ピノ・ノワールの醸造段階でセニエをしたときに、抜き出したジュースからつくっているというこのワインは、淡いピンク色をしたロゼ。やや提供温度が高かったため、判断が難しいのですが、甘味を含む柔らかみのある香りと味わいのワインは、美味しかったです。
(オ・ボン・クリマ : Au Bon Climat )


Mumm Cuvee Napa Blanc de Noirs
マム・キュヴェ・ナパ・ブラン・ド・ノワール
ナパ・ヴァレー 泡ロゼ (PN100%)
(NV \2,200)

 シャンパーニュ地方で五指の生産量を誇るマム社は、カナダの大手シーグラム社の傘下。そうした流れもあってか現在アメリカでは第二位の販売実績を持つメーカーです。マム・ナパ・ヴァレー社は、アメリカにおけるマム社の拠点。このブラン・ド・ノワール(ロゼの位置付け)とブリュット・プレステージを産出しています。
 本格的な瓶内発酵によるとされるこのワイン。良いワインなんです。イチゴのような香り、しっかりとした腰のあるワインは、この値段が安く感じるほど。生産国に拘らなければ、是非試して頂きたいスパークリングです。
(マム・ナパ・ヴァレー社)


NewZealand-Sparkling Wine


Pelorus
ペロリュス
マールボロ 泡白 (Ch45,PN55)
('92 \3,000)

 今ではニュージーランドでも有名なワイナリーとなったクラウディー・ベイが造るスパークリング。西オーストラリアのケープ・マンテルを経営する、デヴィット・ホーネンが1985年に創業したワイナリーで、1990年にあのヴーヴ・クリコに買収され、ルイ・ヴィトン・モエ・エ・ヘネシーの傘下となりました。
 マロラクティック発酵を経て、3年間という長い瓶内二次発酵を施されたワインは、ナッツやバニラのクリーミーで芳醇な香り、果実味溢れる味わいと複雑な余韻。これは本当にお気に入り。ニュージーランドのワインはやはり注目の必要がありそうです。 
(クラウディー・ベイ)


Germany-Sekt

Schales Rieslaner Extra Trocken Premium-Sekt
シャーレス・リースラーナー・エクストラ・トロッケン・プレミアム・ゼクト
ラインヘッセン 泡白 (リースラーナー)
('91 \?)

 リースラーナーというリースリングとシルヴァーナーの交配品種を使った珍しいゼクト。エクストラ・トロッケンはドイツの発泡酒の規定では、残糖12〜20gを指し、フランスでいうブリュットよりやや甘め。実際に原酒にはアウスレーゼを使っているらしく、ドイツの中甘口をそのままスパークリングにした感じ。嫌味な甘さではありませんし、味わい自体はまろやかなので、気楽な集まりには重宝しそうです。
(シャーレス醸造所)



Itary-Spumante

Bottega Prosecco Brut
ボッテガ・プロセッコ・ブリュット
ヴェネト 泡白 (プロセッコ)
(NV \750 375ml)

 様々な在来品種があるイタリアで、主にスプマンテ(スパークリング)用としてヴェネト州で生産されるのがプロセッコ種。この洒落たボトルのスプマンテ、金色のラベルは女性の姿をイメージしたものだとか。泡立ちも優しく、まろやかな甘味のあるフルーティーなワイン。
 プロセッコ種のスプマンテで作る美味しいカクテルとして「ベリーニ」があります。スプマンテ3/4、ピーチネクター1/4、グレナデンシロップを少々入れて、軽くステア。1948年、イタリアのベネチアで開かれたルネッサンス期の画家「ジョヴァンニ・ベリーニ」の美術展を記念し「ハリーズ・バー」が創作したカクテルだそうです。
(Castello Roganzuolo)



France-Bretagne


Cidre Val de Rance Cru Breton
シードル・ヴァル・ド・ランス・クリュ・ブルトン
ブルターニュ地方 シードル (リンゴ)
(\1,000位)

 最後にシャンパンではありませんが、本場フランス・ブルターニュ産のシードルをご紹介。シードルといえば、ご存知のようにリンゴから作った微発泡酒。このシードルは、野生に近い皮厚の小さなりんごを100%使用。搾汁に皮の部分の割合が多く、水や砂糖、濃縮還元果汁、炭酸ガスは一切加えず、りんごのわずかな糖分がほとんどアルコ−ル化されるため、辛口のお酒になっています。
 暑い夏にはシードルもよいもの。こういった本格的なシードルってはじめてかもしれません。ほんとリンゴの旨みとほのかな苦味がいい。ポリフェノ−ルも沢山はいっていて、体にもよさそうだし、お料理に使っても美味しそうです。アルコールは4.5%と低いので、まだまだ続く暑い夏、ビール代わりにどうぞ。



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