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今回は、アペリティフとディジェスティフ、食前や食後に最適なフォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン:ポートやシェリー)等の特集です。なおフォーティファイドという言葉は、発酵途中や発酵後にアルコール度数の高いリキュールを添加し、発酵を止めること。また、マールやグラッパは、ワイン醸造の際のブドウの搾り残しの部分を再発酵させ蒸留したものです。 ポートワインに関する製法、歴史、タイプ他は「今月のお題目」にて詳説しておりますので、そちらを参考にして下さい。 |
Portugal-Port |
1692年創業、3世紀に渡る歴史あるシッパー。家族経営を続けるイギリス資本のポート会社のひとつ。高名なワインの専門家、マイケル・ブロードベント氏の弁。「私の中でテイラーは至高の位置を占めている。私はしばしばテイラーをポートワインのラトゥールになぞらえてきた。その力強い個性、たくましさ、長い歳月を生き抜いていく素質と可能性。そして、そのワインの気質にあたかもラトゥールを思わせるような力強さを与えているのが、他の追随を許さないテイラーの個性である。」 |
スコットランドの貿易商、ジョン・グラハムが1820年に創立。多くは自社畑キンタ・ドス・マルヴェドスのブドウを使用。 |
Fonceca Vintage Porto 1822年創立、ポルトガルの中でも一、二を争う評価の高いポート・メーカー、フォンセカは、テイラーと同じ系列。ここのヴィンテージは一度味わいたかった逸品。 |
カレム社がオポルトに設立されたのは1859年。現在も創設者の子孫たちがポートワインの醸造を受け継いでいます。ドウロ川の中流に南、南東向きの理想的なぶどう園を数多く保有し、ヴィンテージ・ポートにはキンタ・ダ・フォスの最高品質のぶどうのみを使用しています。 |
地元の酒屋さんの扱うキンタ・ド・バルディアスは、このヴィンテージにして約5000円という価格もいいのですが、美味しいポートなんです。アルコールも和らぎ、果実のコクを残したバランスのとれたワインは今が飲み頃。これからヴィンテージ・ポートをという方にも、おすすめできると思います。 |
初めて見たポートのマグナムボトル。ハートというシッパーは初耳なのですが、このワイン、ヴィンテージ・ポートであれば本来、澱を引いていないはずなのに、濾過して瓶詰してあるんですね。 |
Portugal-Dao |
はじめに:これはポートではありません。普通の赤ワインです。 |
Portugal-Madeira |
マディラ・ワイン。ポルトガルの首都リスボンから南西に約1000km、大西洋上に浮かぶ火山性の島、マディラ島の酒精強化ワイン。ポートと同じくブランデーを添加するのですが、その前に約50℃の乾燥炉(エストファ)に3〜6ヶ月入れるのが特徴的。 |
Spain-Jerez/Xeres/Sherry |
La Sacristia Pedro Ximenez シェリー。スペインの南部アンダルシア地方の酒精強化ワインは、ソレラ・システムという手法を用い、ワインの表面に出来るフロール(白い膜)により独特の風味をもたらします。主にパロミノという品種によるシェリーは辛口のものがお馴染みだと思います。 |
France-Bourgogne |
マールとは「圧搾した後のブドウの実の皮」。正式にはオー・ド・ヴィー・ド・マールといい、ワインの醸造の際に生じた搾り残しの部分を再発酵させ、蒸留したもの。フランスでは、シャンパーニュ、アルザス、ブルゴーニュの物が有名で、三大マールと称されます。いわゆる「滓(かす)とりブランデー」。 |
France-Languedoc Roussillon |
Muscat de Rivesaltes 南仏ルーションのVDN(Vins Doux Naturels : ヴァン・ドゥー・ナチュレル)。VDNとは、ブドウの発酵中にアルコールを添加し、発酵をストップさせます。そうすると天然の糖分がワインの中に残り、甘口のワインが出来上がります。 |
Italy-Toscana |
イタリアの食後酒として人気があるのがグラッパ。製造方法は上記のマールと同じ、イタリア版「滓とりブランデー」。マールに比べて、グラッパの方がその個性が色々で、多様性があるようにも思うのですが、多くはかなり強烈な辛口。 |
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