February,2000

デイリーワイン特集
3000円以下の美味しいワイン

Ch. de Barbe Blanche '96
Ch. Cap de Faugeres '96
Ch. Vieux-Georget '93
Michel Lynch (Blanc) '96
Mouton Cadet (Blanc) '96
Macon-Villages '97
Bourgogne Hautes Cotes de Nuits (Blanc) '97
Bourgogne Hautes Cotes de Nuits (Rouge) '94
Crozes Hermitage '96
Chateauneuf-du-Pape '90
Cote du Rhone (Rouge) '95
Cote du Rhone (Blanc) '95
Viognier (Vin de Pays de l'Ardeche) '97
Muscadet Les Hautes Noelles '97
Ecco Domani Merlot '96
Calera White Table Wine '93
Foxen Pinot Noir Santa Maria Valley '97
Santa Barbara Winery Pinot Noir '96
Wolf Blass Shiraz/Cabernet Sauvignon Red Label '96
Taltarni Shiraz '95
Capel Vale Cabernet Sauvignon '96
Ashbrook Cabernet Merlot '94
Raimat Cabernet Sauvignon Reserva '87
Condado de Haza '95
Albarino Pazo de Barrantes '97
Sonnhof Gruner Veltliner '96
Casillero del Diablo Cabernet Sauvignon '96
Steinberger Riesling (Kabinett) '97
Eltviller Taubenberg Riesling (Halbtrocken Diabetiker Wein) '98
Ch. Mercian Nagano Merlot Blanc de Noir '96
Ch. Mercian Kosyu Kodarujikomi Karakuchi '97



France-Bordeaux

Ch. de Barbe Blanche
シャトー・ド・バルブ・ブランシュ

リュサック・サンテミリオン 赤 (M,CF)
('96 \2,000位)

 サンテミリオン地区の北東、約6000haのエリアに、4つの独自のAOC(リュサック、ピュイスガン、モンターニュ、サン・ジョルジュ)があり、サンテミリオン衛星地区と呼ばれます。
 リュサック・サンテミリオンのこのシャトーは、バルブ・ブランシュ(白いヒゲ)というアンリ4世が由来とされる名前を持つ、歴史の古いシャトー。鉄分を含んだブルゴーニュ風のきさくなタンニンと酸味のワイン。赤い果実を感じさせ、色んな料理のパートナーとなりそうです。

Ch. Cap de Faugeres
シャトー・カップ・ドゥ・フォジェール

コート・ド・カスティヨン 赤 (M50,CF38,CS12)
('96 \1,400位)

 ドルドーニュ河右岸、サンテミリオンの南東にあたるAOCコート・ド・カスティヨン。この地区で評判のよいシャトーの一つで、シャトー・フォジェールと同じ所有者、あのミッシェル・ロラン氏が関わっているというワインです。
 そのしっかりとした造りはさすがですが、どこか新世界風。やや乾いたタンニンが余韻まで渋みとなって残り「焼けたメルロー」のイメージ。個人的には少し?好みのある味でしょうか。流行のスタイルなのだと思います。


Ch. Vieux-Georget
シャトー・ヴュー・ジョルジョ

ボルドー 赤 (CS40,M32,CF25,Ma2)
('93 \2,200)

 ボルドーを流れるガロンヌ河を南下すると、ランゴンと言う町があり、そこから少し北東に上ると、サン・ローラン・ド・ボワという小さな村があります。1985年に自分のシャトーで瓶詰めを開始したこのシャトーは、ラベルにも記載されている通り、全く農薬を使わず、有機農法を実践しています。それが実り、1997年に96年ヴィンテージがコンクールで金賞を受賞したということ。若干長めのボトルは、エレガントですが、箱に入れづらくコルク打ちも難しい為この93年にのみ採用されました。
 丁度飲み頃を思わせるワインは、どこかブルゴーニュ的な紅茶の香りを含み、みずみずしい果実と熟成感が印象的な柔らかな味わい。凝縮感を求める方にはおすすめしませんが、素直に美味しいワインです。

Michel Lynch (Blanc)
ミシェル・ランシュ(ブラン)

ボルドー 白 (SB,Se)
('96 \1,700)

 ボルドー第5級格付けでありながら、2級同等の評価を受けるシャトー・ランシュ・バージュ。そのスタッフが作り、ランシュ・バージュのサード・ブランドとも言われるのがこのミッシェル・ランシュで、赤、白、ロゼもあります。評判の良いワイン。
 清廉なイメージのソーヴィニヨン・ブラン。青草やハーブを連想させ、清涼感のある香り。全体的なまとまりのある飲みやすい白。

Mouton Cadet (Blanc)
ムートン・カデ(ブラン)

ボルドー 白 (SB,Se)
('96 \1,850)

 ムートン・カデ、もとは、シャトー・ムートン・ロートシルトのセカンドラベルであったこの銘柄は、現在ではバロン・フィリップ・ロートシルトが造るACボルドーとして世界的に販売されるワインとなっています。こちらも白の他、赤、ロゼがあります。
 心地よいグレープフルーツを思わせる柑橘の香り、このグレードのワインとしては、ちゃんとヴォリュームもあリ、なおかつバランスがとれています。おすすめマークを付けたいところですが、こういった大量生産のワイン、1500円以下になればなあ。



France-Bourgogne


Macon-Villages
マコン・ヴィラージュ

マコン・ヴィラージュ 白 (Ch,PB)
('97 \2,000位)

 ブルゴーニュ地方のマコネ地区。コート・ドールに匹敵する量を産出する地区、そしてお手軽かつ高品質のワインが眠る産地。たまたま飲んだこのマコン・ヴィラージュなのですが。。。
 ドメーヌ・バレット、いやはや美味しいマコンです。この造り手の詳細は未だ不明なのですが、ほんのりと樽のニュアンス、蜜の甘さ、丸くなった酸が特徴的で、果実のふくらみが抜群。ドライなフィニッシュは、食事と共に、美味しく頂けるワインでしょう。おすすめです。
 (ドメーヌ・バレット)


Bourgogne Hautes Cotes de Nuits (Blanc)
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ(ブラン)

オート・コート・ド・ニュイ 白 (Ch,PB)
('97 \3,000位)

 ブルゴーニュのグロ一族と言えば、高品質のワインを生産することでは有名。「アンヌ・グロ」「ミッシェル・グロ」「A.F.グロ」。そして「グロ・フレール・エ・スール」は、ワイナート春号でも紹介されていた「陽気な次男坊」です。
 その記事にでていた印象的なコメント:「自分がベストだと思うのは、若いワインの香りを嗅ぎながら、熟成したワインを味わうというものだな。だから、自分のワインは、果実のいきいきとした香りが強い若いうちに飲んでも、柔らかく滑らかな味を楽しめるように造っているというわけ。」
 このワインを飲むと、彼のコメントの意味が分かりました。若くしてバランスのとれた素晴らしいシャルドネ。活々した香りと、果実の甘味。彼が造りたいスタイルを表現しているように思えました。
(ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール)


Bourgogne Hautes Cotes de Nuits (Rouge)
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ(ルージュ)

オート・コート・ド・ニュイ 赤 (PN,Pb,PL)
('94 \3,000)

 こちらもグロ一族のA.F.グロ(アンヌ・フランソワーズ・グロ)。パラン家に嫁いだジャン・グロの娘である、アンヌ・フランソワーズが運営するヴォーヌ・ロマネ村の堅実なドメーヌ。
 オート・コート・ド・ニュイというワインにして、チェリー様の赤果実と樽の風味、繊細なタンニンが感じられる味わいは、滑らかで気持ちがいい。強さを求めなければ、十分に満足できるワインです。コスト・パフォーマンスの良い1本。
(ドメーヌ・A・F・グロ)



France-Cotes du Rhone

Crozes Hermitage
クローズ・エルミタージュ

クローズ・エルミタージュ 赤 (シラー)
('96 \2,500)

 ピエール・ペランと言えば、シャトーヌフ・デュ・パプを代表する造り手。ペラン兄弟が手がけるシャトー・ド・ボーカステルは、30年以上に渡って無農薬でブドウを栽培し、フランスにおける有機栽培の先駆者。そのペラン兄弟が1990年にコート・ドゥ・プロヴァンスを含むコート・デュ・ローヌ地方のワインブランド「ピエール・ペラン」を発売。主としてGigondas, Tavel, Cotes de Provence, Crozes Hermitageなど、ペラン家の醸造技術によって生まれるコート・デュ・ローヌのジェネリック ワインです。
 さすがに堅実な造りが伺われるワイン。やや黒みがかった赤紫のワインは、黒胡椒や木の香りを持ち、赤いフルーツのシンプルな美味しさのワインです。
(ピエール・ペラン)

Chateauneuf-du-Pape
シャトーヌフ・デュ・パプ
シャトーヌフ・デュ・パプ 赤 (グルナッシュ他)
('90 \3,500位)
Cote du Rhone (Rouge)
コート・デュ・ローヌ(ルージュ)
コート・デュ・ローヌ 赤 (グルナッシュ他)
('95 \1,300位)

Cote du Rhone (Blanc)
コート・デュ・ローヌ(ブラン)
コート・デュ・ローヌ 白 (ルーサンヌ他)
('95 \1,300位)

 コート・ロティ最大にして最も評価の高いギガル。しかしながら、ここに挙げるようにネゴシアンとしての仕事も一流、堅実な生産者として評価されています。
 ローヌ南部を代表する村名ワイン、シャトーヌフ・デュ・パプ。名前の意味は「法王の新しい城」。ここの畑の表面は、丸い石ころで覆われているらしく、その石が昼間に熱をたくえわえて、夜間に放出するため果実味のあるしっかりしたワインが出来ます。90年産のワインは、すでに丸みを帯び、スミレの香りと和らいだアルコールが気持ちの良いワイン。
 ギガルのACコート・デュ・ローヌは、赤白ともに優良。赤はチェリー様の果実が土やスパイシーな風味と併せ合った気さくなワイン。特に白は美味しく、アプリコットや花梨の香りが織り成すワインは地方名ワイン以上の酒質。廉価なのが嬉しいこの2本は是非、デイリーに加えて下さい。
 (E.ギカル)

Viognier (Vin de Pays de l'Ardeche)
ヴィオニエ(ヴァン・ド・ペイ・ド・ラルデッシュ)
アルデッシュ県 白 (ヴィオニエ)
('97 \1,550)

 「ボージョレの帝王」ジョルジュ・デュブッフ。ボージョレの中でも、最も有名な造り手でしょう。卓越したテイスティング能力の持ち主と言われ、一代で現在の名声を築き上げた人物。その帝王が今度は南仏アルデッシュ県でヴァラエタルワイン(ラベルにブドウ品種名がついたもの)を発売。栽培が難しいといわれるヴィオニエに興味津々です。
 美味しいワインです。本家本元のコンドリューにはかなわないとしても、柑橘の香りや柔らかな甘味はこの価格にして十分で、ドライなフィニッシュは毎日の食事のお供にって感じ。まだ初期の段階でしょうから、これから見守っていきたいですね。
(ジョルジュ・デュブッフ)



France-Val de Loire


Muscadet Les Hautes Noelles
ミュスカデ・レ・オート・ノエル
ミュスカデ 白 (ミュスカデ)
('97 \2,000)

 ブドウの品種がそのままアペラシオンになっている、ロワールの有名な辛口白ワイン、ミュスカデ。醸造家のセルジュ・バタール氏は、早飲みの安いワインというイメージと全く違ったスタイルのミュスカデを手掛ける、数少ないドメーヌです。日照量に恵まれないこの産地で有機栽培を行い、平均樹齢60年という古木のブドウのみを使用し、オーク樽で1年間熟成。
 オーク樽で熟成されたミュスカデ、それはまるでブルゴーニュの白ワインを連想させます。この地域のワインとしてはかなり黄色が強く出た濃い色調、まろやかなバニラ香の印象は、ムルソーにも通じます。それでいて口に含むとフレッシュ感があり、雑味のない爽やかなフィニッシュ。「ミュスカデ=早飲みの安いワイン」このイメージを払拭してくれました。
(ドメーヌ・セルジュ・バタール : Domaine Serge Batard)



Italy-Veneto

Ecco Domani Merlot
エコ・ドマーニ・メルロー

ヴェネト 赤 (メルロー)
('96 \1,600)

 イタリア、ヴェネチア近郊でつくられるテーブルワイン。エコ・ドマーニとは「さあ、ここに明日がある」という意味らしく、未来を先取りしたワインという自負が込められているとか。
 とにもかくにも、ボトルもお洒落なワインは、気持ちの良い酸味と、適度なボディを持ち、気軽な食卓を飾るのにふさわしい1本。デイリーとして活用できそうです。
(ヴィラルタ社)



California-San Benito


Calera White Table Wine
カレラ・ホワイト・テーブル・ワイン
カリフォルニア 白 (シャルドネ)
('93 \1,800)

 今や人気沸騰中のカレラのワイン。白はシャルドネ、ヴィオニエ、そしてセントラル・コーストがあるのはご存知の方も多いはず。でも、廉価版にはこんなワインもあったのです。その名も「ホワイト・テーブル・ワイン」。
 もし見つけたら買いですね。93年にはちゃんと熟成香があって、ハーブやナッツ、芳醇で丸みのある果実味とミネラル感が美味しい。やっぱりカレラは凄い!?もしかして「レッド・テーブル・ワイン」なんてのが存在するのかな?
(カレラ)

California-Santa Barbara


Foxen Pinot Noir Santa Maria Valley
フォクセン・ピノ・ノワール・サンタ・マリア・ヴァレー

サンタ・マリア 赤 (ピノ・ノワール)
('97 \2,980)

 1987年、牧場主だったリチャード・ドアとランチョ・シスコック・ワイナリーの栽培責任者だったビル・ウォーセンがサンタ・マリア・ヴァレーに設立したワイナリー。ピノ・ノワール、シャルドネ、メルロー、カベルネといったワインを生産していますが、やはりこの土地での注目はシャルドネとピノ・ノワール。
 茎を連想させる香りが印象的。ミディアムボディのワインは中心部が甘くフルーティーなバランスの良いワイン。
(フォクセン)

Santa Barbara Winery Pinot Noir
サンタ・バーバラ・ワイナリー・ピノ・ノワール

サンタ・バーバラ 赤 (ピノ・ノワール)
('96 \2,850)

 1962年、建築家のピエール・ラフォンによって、禁酒法以降サンタ・バーバラ郡で初めて設立されたワイナリー。25haの自社畑をサンタ・イネズ・ヴァレーに所有し、サンタ・マリア・ヴァレーから購入するブドウも含め、現在では年間2万6000ケースを産出。
 茶の入ったルビー色のワインは、イチジクやチェリーの赤い果実、細やかなタンニンと高めの酸味が構成するミディアムボディは、やや粗さもあるものの、この価格としては、納得できるもの。
 ACブルゴーニュと比較して.....いい勝負かも?薔薇のラベルが素敵なので、プレゼント用にも。
(サンタ・バーバラ・ワイナリー)



Australia-South Australia


Wolf Blass Shiraz/Cabernet Sauvignon Red Label
ウルフ・ブラス・シラーズ・カベルネ・ソーヴィニオン・レッド・ラベル
南オーストラリア州 赤 (シラーズ、カベルネ・ソーヴィニオン)
('96 \1,400)

 1967年、旧東ドイツ出身のウルフ・ブラスが南オーストラリア州、バロッサ・ヴァレーに創設したワイナリー。ここのフラッグシップはなんと言っても、ブラック・ラベルのカベルネ・シラーズ。
 しかしその廉価版でもあるこのレッド・ラベル、見逃せないワインです。オーク樽で1年間熟成されたワインは、新世界ならではの果実味と嫌味な重さもなく、飲みやすくまとまっています。ややラベルデザインに難ありですが、中身は良質です。
(ウルフ・ブラス : Wolf Blass)

Australia-Victoria


Taltarni Shiraz
タルターニ・シラーズ
ヴィクトリア州 赤 (シラーズ)
('95 \1,900)

 1972年、アメリカ人ジョン・ゴーレにより、ヴィクトリア州ピレニーズに興したワイナリー。創設を薦めたのが、ナパ・ヴァレーのクロ・デュ・ヴァルのワインメーカーであり、シャトー・ラフィットの醸造責任者だった父を持つベルナール・ポーテット。年間6万5000ケースのワインを産出しています。
 定評のあるシラーズは、深い赤紫でスパイス、乾燥フルーツの好ましい香り。味わいはまろやか、やさしく温和で、フィニッシュはやや短めながら、タンニンを残す上質なワイン。シラーの個性がよく出ていて、この価格はお買い得です。
(タルターニ : Taltarni)

Australia-Western Australia

Capel Vale Cabernet Sauvignon
ケイペル・ヴェール・カベルネ・ソーヴィニオン

マウント・バーカー 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン)
('96 \1,980)

 西オーストラリア州のケイペル・ヴェール。以前、シラーを頂いて、価格は高いものの、かなりの高品質に驚いたワイナリー。
 ここのカベルネ・ソーヴィニオンも美味しいワインです。バリックにて14ヶ月熟成されたワインは、深い赤紫をし、甘いバニラとハーブの香り。ベリーの果実にタンニンも調和しています。
(ケイペル・ヴェール : Capel Vale)

Ashbrook Cabernet Merlot
アシュブルック・カベルネ・メルロー
西オーストラリア州 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン、メルロー)
('94 \1,350 375ml)

 50年以上前からマーガレット・リバーに敷地を持っていたディヴィット家が1975年にワイナリーを創設。自社畑で収穫されるブドウ(リースリング、シャルドネ、セミヨン、カベルネ他)のみを用い、年間8000ケースを生産しています。
 このカベルネ・メルローは、エッジにやや熟成を示すオレンジがかかり、ファースト・ノーズには、タール、木の香り、ほのかにメントールの香り。タンニンが豊富で、余韻まで渋みを残す強い造り。全体的にやや粗さを感じるのが残念です。
(アシュブルック・エステート : Ashbrook Estate)



Spain-Cataluna


Raimat Cabernet Sauvignon Reserva
ライマット・カベルネ・ソーヴィニオン・レゼルバ

コステル・デル・セブレ 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン85%、メルロー15%)
('87 \2,700)

 ライマットとはカタロニア語で「ブドウ」と「手」を意味するという。今では年間70万ケースを産出するこのワイナリーは、1980年代、スパークリングで知られるコルドニューのオーナーがライマット城を買収し、カリフォルニア大学のアドバイスを受けながら興したもの。
 あるご贔屓の酒屋さんは、このワインを「ホームラン」と呼んでますが、そう綺麗な放物線を描いたホームランと言ったところでしょうか。ちゃんと熟成感もあって、それでいて果実味も失われてない。
 シダー、乾燥フルーツ、プラム、滑らかな口当たり、柔らかな甘味を含むタンニンと適度な酸を伴う余韻。バランスがいいですね。このヴィンテージ、この価格はお買い得です。
(ライマット : Raimat)

Spain-Ribera Del Duero

Condado de Haza
コンダド・デ・アザ

リベラ・デル・ドゥエロ 赤 (テンプラニーニョ)
('95 \2,000位)

 リベラ・デル・ドゥエロの3大生産者の一人、あのペスケラを作り出した奇才アレハンドロ・フェルナンデス氏の造るワイン。ラベルが同じデザインなだけに、ペスケーラのセカンドかなと思うのですが、どうやら違う畑のものだそうです。
 とても香りがフレッシュ、そしてジューシーな味わい。スペインの中では若くしてタンニンも優しく、ほのかな甘味もあり、気軽な美味しいワインです。さすがフェルナンデスさん。すでに、97年までのヴィンテージが出荷されているようです。
(アレハンドロ・フェルナンデス)

Spain-Rias Baixas


Albarino Pazo de Barrantes
アルバリーニョ・パゾ・デ・バランテス

リアス・バイシャス 白 (アルバリーニョ)
('97 \2,000位)

 リアス・バイシャスは、ポルトガルの北側、大西洋に面しており、スペインの中では最も降水量の多い地域ながら、地盤は主に花崗岩で出来ているため水はけが良い。生産されているほとんどの品種がこのアルバリーニョ。地続きであるポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデと同様、白ワインの産地です。
 白い花や熟したりんごを思わせる香りはアロマティックで、ややハーブが複雑さを与えます。素直な口当たりで、シャープな酸味と舌の上に発砲を伴うような余韻を感じる美味しいワイン。
 この辺りの白ワインはどこかリースリングに似ているのですが、相違点は色の濃さ。色だけ見ると南で造られたワインであることが分かります。
(パゾ・デ・バランテス)



Austria-Nieder Osterreich

Sonnhof Gruner Veltliner
ソンホーフ・グリューナー・フェルトリナー

ニーダー・エステルライヒ 白 (グリューナー・フェルトリナー)
('96 \2,800)

 オーストリアのワイン産地は東部に集中し、全生産量の約6割を産出するのが、ウィーン北東部のニーダー・エステルライヒ地方。その中でもヴァッハウとカンタプール地区が主な産地。グリューナー・フェルトリナーは、オーストリア固有の最も重要な白ワイン品種です。
 カンタプール地区にあるソンホーフは、1867年以来の歴史を持つワイナリー。スパイシーで芳醇な香り、ほんのりと甘さを感じるボディとくっきりした酸味とのバランスが良いワインです。若干価格が高いことを除けば、おすすめマークを付けたいところです。
(ソンホーフ : Sonnhof)




Chile-Central Valley


Casillero del Diablo Cabernet Sauvignon
カッシェロ・デル・ディアブロ・カベルネ・ソーヴィニオン

マイポ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン)
('96 \1,456)

 1998年度、全輸入ワインの中で最も売れたブランドがチリのコンチャ・イ・トロ社だという事実。これって凄い事ですね。完全に日本におけるチリワインの人気も定着したようです。
 「悪魔の蔵」と呼ばれるコンチャイトロ社最高のカーヴで熟成したとされるこのワイン。カーヴの名の由来は昔、あまりにこのカーブのワインが美味しいため、盗み飲みを防ぐために悪魔がいるという噂を流したとか。
 実際にコスト・パフォーマンスの高いワイン。 黒果実のたっぷりした味わいは、甘味を感じさせる飲みやすいもの。やや低めの酸が一段とワインを柔らかく感じさせますが、96年はややタンニンが青い感じなので、もう少し置いてもよいかもしれません。評判通りのいいワイン、お買い得です。
(コンチャ・イ・トロ社)



Germany-Rheingau


Steinberger Riesling (Kabinett)
シュタインベルガー・リースリング(カビネット)

ヨハニスベルグ地区 白 (リースリング)
('97 \3,000位)
Eltviller Taubenberg Riesling
(Halbtrocken Diabetiker Wein)
エルトヴィラー・タウベンベルグ・リースリング
(ハルプトロッケン・ディアベティカー・ヴァイン)

ヨハニスベルグ地区 白 (リースリング)
('98 \2,500位)


 「シュタインベルガー」(石の山の意)は「シュロス・ヨハニスベルグ」と同じく、ラベルに村名を併記しない特定ブドウ畑(オルツタイルラーゲ・ワイン)です。その昔、1135年創設されたエーババッハ修道院のブドウ園として始まり、ここで度々オークションやワインセミナーが開かれていたことから「ドイツのクロ・ヴージョ」とも呼ばれたと言います。四方を石垣で囲まれた32haの畑。
 シュタインベルガーは、リースリングの良さを感じる一本。石油香や白い花の香りは洗練され、ミネラルがワインの奥行きと複雑さを感じさせます。余韻にも生き生きとした酸が長く続く素晴らしいワインです。

 もう一本、エルトヴィレ村のワイン。この「ディアベティカー・ヴァイン」とは糖尿病患者向けとされるワインで、全糖20g/l以下、そのうちブドウ糖は4g/l以下と定義されるもの。亜硫酸の添加も150mg/l以下と規制されています。
 味はやや複雑味には欠けるかもしれませんが、ドイツのリースリングとしては十分。体に気を使われる方に、お勧めのワインですね。 
(ヘッセン州営エルトヴィレ醸造所)




Japan-Shinsyu


Ch. Mercian Kosyu Kodarujikomi Karakuchi
シャトー・メルシャン 甲州小樽仕込み辛口

山梨県勝沼 白 (甲州)
('97 \1,900位)

 近年、各メーカーの努力により高品質のワインが生産されつつある日本のワイン。白ワインでは、甲州種、そしてシャルドネ種も高い評価を受けています。
 甲州種は、あのジャンシス・ロビンソンが来日した時、世界に通用する日本の品種として誉めていたことが、記憶に新しい。醸造法により中甘口から辛口のワインになります。
 シャトー・メルシャンの「甲州小樽仕込み」は、田崎さんのワインライフにて「辛口甲州」のベストワンに選ばれていたもの。確かに濃いイエローのワインは、花梨や白い花のアロマを放ち、樽によるナッツ系の香りとまろやかな口あたり。ミネラルを感じる味わいは余韻がドライな美味しいワインです。
(メルシャン勝沼ワイナリー)


Ch. Mercian Nagano Merlot Blanc de Noir '96
シャトー・メルシャン 長野メルロー ブラン・ド・ノワール

長野県塩尻 白 (メルロー)

 「長野メルロー ブラン・ド・ノワール」有名な桔梗ヶ原のぶどうから造られるこのワインは、前からclass30お気に入りの一つ。なんとメルローから造られる白ワインです。メルロー種を絞り、果皮や梗を取り除いたブドウ液を発酵させた物で、既に色素部分は除かれてから発酵する為に、白ワインとなります。いわゆるシャンパーニュ地方で用いられる手法です。1996年限定生産。

「長野メルロー ブラン・ド・ノワール」を10万ヒット記念でプレゼントさせて頂きました。沢山の応募ありがとうございました。
(メルシャン勝沼ワイナリー)



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