今月は、人気のカリフォルニアワインの特集。アメリカで造られるワインの90%はカリフォルニアで生産されています。何故、カリフォルニアで出来るワインは元気で美味しいのか?ちょっとまとめてみます。 |
カリフォルニア、ナパの年間平均降水量は、約60mm。フランスのボルドーが約450mmということですから、いかに少ないかが分かります。とくに収穫期の降雨はその品質に影響を与えますが、秋に雨の少ないカリフォルニアでは、ブドウが十分に熟してから収穫出来るため、完熟したブドウからワインが造られる訳です。 |
アメリカのワインは、次の3つのスタイルに分ける事が出来ます。 Generic Wine ジェネリック・ワイン
また、プロプライアタリー・ワインの中でも、高級ブレンド・ワイン・タイプは、メリタージュ(Merit:利点とVintage:収穫年を合わせた造語)とも呼ばれます。主に生産量が少なく、希少性の高いワインは、人気の的。いわゆる「カリフォルニア・スーパー・プレミアム・ワイン」ですね。 |
左から、ハーラン、マヤ、アラーホ、グレース・ファミリー。これらはカベルネ・ブレンド。そしてブルゴーニュ・スタイルで有名な、ウィリアム・セリエム、ロキオリ、キスラー。究極のスーパー・プレミアム達。 |
1966年、ナパ・ヴァレーに設立されたカリフォルニアのリーダー的な存在が、ロバート・モンダヴィ。”ワイン造りは科学であると同時に芸術である”がロバート・モンダヴィの信念。このワイナリーは、常に革新的。カリフォルニアワインにおける数々の斬新な提案をし、それが定着しました。 フュメ・ブラン
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左よりロバート・モンダヴィ・カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブ。そして中がワイナリー入口。ラベルにはこの風景が描写されています。右は畑を望むテラス。こんな素晴らしい所で、ワインの試飲が出来るそうです。 |
アメリカには原産地統制呼称のような規定はありませんが、政府公認ぶどう栽培区画(AVA : American Viticultural Areas)という区画を定めています。カリフォルニアには58の郡があり、大きく次の5つの地域に分けられています。 セントラル・コースト(Central Coast)AVA大産地 セントラル・ヴァレー(Central Valley)AVA大産地 サウス・コースト(South Coast)AVA大産地 シエラ・ネヴァダ山麓(Sierra Foothills)AVA大産地 |
5つの地域の中に郡(County)があり、その郡の中にもAVAが存在します。(AVAのない郡もあります) 5つの地域の中で重要なのがノース・コーストとセントラル・コーストです。 |
カリフォルニアが手本とし目標としたフランスワイン。今では美味しいという評判も定着しましたが、多くの造り手が研究をし努力をしてきた結果なのでしょう。そしてフランスという偉大なる指標、そしてライバルがいたことは、その品質向上に一役かっていることは間違いないようです。 (写真上はスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ、下は1800年代にフランスから石を運んで造られたシャトー・モンテリーナ。) |
カリフォルニアのワインは、果実味たっぷりで、香りの豊かなワインが多いように思います。フランスに比べると、当たり外れも少なく、味わいもはっきりしているので、ワインをこれから飲む方にとっても最適な地域だと言えるでしょう。 これは、伝統を踏襲したワイン造りを行うフランスに対して、消費者の嗜好を重んじ、新しい醸造技術(カリフォルニア大学デービス校は有名)を積極的に取り入れた成果なのでしょう。とにもかくに美味しいカリフォルニアです。 |
このページの写真は「ワイン・セラー・勝田」さんのご協力により掲載させて頂きました。ご厚意感謝致します。 |
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