近頃特に話題のブルゴーニュ・ワイン。今回はブルゴーニュの中でも特異な村であり、また逆にブルゴーニュらしいとも言えるクロ・ド・ヴージョの特集です。 |
上はまたまたまた登場のヴォーヌ・ロマネ近隣マップ。 これで見ていただければ分かるように、ヴォーヌ・ロマネ村の北側になるヴージョ村。グラン・クリュ、クロ・ド・ヴージョは、クロ(石垣)に囲まれています。 また上記地図の「Chateau」とあるのが、「コンフレリ・レ・シェヴァリエ・デュ・タストヴァン(利酒騎士団)」の本拠地です。ここで、毎年ブルゴーニュのブドウ園や酒商から出品されたワインの中から、優れたワインを選び、“タストヴィナージュ・オリジナルラベル”が与えられています。 |
上の地図を見て変だと思いませんか?地図は、下から上に向かって斜面の上部となります。上の方が高い。一般に、ブルゴーニュは、斜面の上部の方が水はけが良く、いいワインが出来ると言われているのですが。。。 クロ・ド・ヴージョは、グラン・クリュ(特級)です。でも、他のグラン・クリュより斜面の下部に当たる部分が多いですよね。もし、こんなに広い区画が石垣で囲まれていなかったら、ただの村名ワインになっている部分も多いかもしれません。 |
実際にクロ・ド・ヴージョは、3つの土壌に分かれているらしい。「石灰石の多い」上部、「砂利の多い」中部、そして「粘土質の多い」下部。 しかしながら、この区画をもっと難しくしているのが、造り手の数。その数なんと約80名。これでは選ぶのも大変です。 以下、斜面下部から造られる、素晴らしいクロ・ド・ヴージョを紹介します。 |
ジャン・グリヴォー。ヴォーヌ・ロマネ村の名家として知られ、現在は5代目当主、エチエンヌ・グリヴォーの手によるドメーヌ。 「ワイナート」春号の記事によると、 この89年のクロ・ド・ヴージョ、彼が「抽出をテーマ」にしていたというのがよく分かります。斜面下部のブドウとは思えない程の凝縮感、その香りはボルドーにさえ似ています。10年経った今も衰えの兆しは全く見せず強い。幾分かインクのような感じも。 |
偉大なるルロワ。ルロワは、以前は斜面下部の南端しか持っていませんでしたが、ドメーヌ・ノエラの持ち区画を含む、シャトー南側のかなり広い区画を手に入れました。現在、畑の面積は1.9ha。 通常の年であれば、7000本前後の生産量が普通でしょう。2249本というのは、通常の約3分の1。それだけ収穫が大変だった上に、厳しい選別を行ったことが伺えます。まさに奇跡のワイン。 |
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