ブルゴーニュ・ワイン。ピノ・ノワールというブドウ品種からなる、その優美なワインは、いつの時代でも世界のワイン愛好家のお気に入り。 しかしながら、その造り手の多さに選ぶ側にとっては、厄介なワインでもあります。 前回のブルゴーニュ特集に続き、今回はブルゴーニュで最もお気に入りの造り手、ロベール・ジャイエ・ジルのワインを紹介します。 |
妻のジル家が代々育ててきたオート・コートのブドウ畑と、ジャイエ家のエシェゾー(特級)とニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ダモード(1級)を合わせて、合計11haの畑を所有しています。 彼が造るほどんどのワインには、アリエ産の新樽が用いられるという贅沢さ。多くの評論家、愛好家からも絶大な支持を受けています。 |
ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ダモード -1級- ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ポワレ -1級- コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ オート・コート・ド・ニュイ オート・コート・ド・ニュイ(ブラン) オート・コート・ド・ボーヌ オート・コート・ド・ボーヌ(ブラン) ブルゴーニュ・アリゴテ ブルゴーニュ・パス・トゥ・グラン |
最近、ある酒屋さんの情報によると、あのロバート・パーカー氏が、ジャイエ・ジルの89年エシェゾーに100点を付けたようです。 |
ジャイエ・ジルは、ヴォーヌ・ロマネのエシェゾーに0.5haの畑を所有しています。その畑は、グラン・エシェゾーのすぐ斜面の上、「Echezeaux du Dessus」という最上の区画。 まず抜栓後、ボトルの口から香りを嗅いでみると。。。これだけで凄い。芳醇で豊かな果実味がすでに感じられます。その後、30分後に、グラスへ。 ジャイエ・ジルのワインに共通する事を、R.パーカー氏の言葉を借りると、 そうなんです、やはり素晴らしいと思うのは、その「甘美な香り」。イチゴのような「果実」が連想されます。これはエシェゾーでなくても、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュやオート・コート・ド・ニュイでさえそう思うのです。価格は他のドメーヌのワインより高価で、5000円から7000円位しますが、品質はプルミエ・クリュにも匹敵するワインだと思います。 このエシェゾーも、やはり熟したイチゴ、チェリーやプラムといった感じで、華やかな中にも旨味を感じさせます。やや乾いたタンニンと酸味が調和を保ち、最初から最後までその色気を感じさせてくれました。 |
またまた、ヴォーヌ・ロマネ・マップ。 ジャイエ・ジルが持つ、「Echezeaux du Dessus」という区画は、「Echezeaux」という文字の「Ech]の辺りです。 |
先日、幸運な事に初めてこのワインを見つける事が出来ました。ニュイ・サン・ジョルジュ村のプルミエ・クリュ、レ・ダモード。この畑は、ニュイ・サン・ジョルジュでも、最もヴォーヌ・ロマネに近い場所。上記の地図で言えば、「ラ・ターシュ」の南側の点線(村の境界線)の左の場所。 このワインについては、まだ飲んだ事がないので、R.パーカー氏のコメントを今一度、お借りします。 比較的オフ・ヴィンテージと言われる1987年の出来について。 |
あるワイン会で、主宰者の方よりいい話を聞きました。 「インポーター(輸入業者)が、その造り手と会って、どこに注意するか。それは、手のひらだそうです。手のひらが紫色に染まってる。すごく無骨で言えばきたない。そんな人は、得てして昼間に電話をしてもつかまらない。どうしてかって?畑に出てるから。夕方になったら、ようやく連絡がとれる。畑やブドウを愛してる証拠です。」 ロベール・ジャイエ曰く、「今まで一度もバカンスをとった事がない」。多分、彼もそんな人なのでしょう。 |
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