「コート・ドールという首飾の中心の宝石」それがロマネ・コンティ。古くから、数々の賛辞の言葉で語られ、その存在はまさに王様。 いつの時代においても、世界中の人々から注目されるDRC(ドメーヌ・ドゥ・ラ・ロマネ・コンティ)。今回は、そのDRCに縁の深いワインを紹介致します。 |
ワインに詳しくなってくると、ロマネ・コンティ社とは言わず、「DRC(ディー・アール・シー)」と言いたがります。 (写真はリシェブール) |
ヴォーヌ・ロマネ村のワインには、実際にはフラジェ・エシェゾー村のワイン(グラン・エシェゾー、エシェゾー等)も含まれます。(この地図には、位置関係を把握するために、ヴージョ村も一緒に表記しました。) |
ロマネ・コンティ(1.8ha) | DRCモノポール |
ラ・ターシュ(6.1ha) | DRCモノポール |
リシュブール(8ha) | DRCは、3.5ha所有 |
ロマネ・サン・ヴィヴァン(9.4ha) | DRCは、5.3ha所有 |
ラ・ロマネ(1ha) | ドメーヌ・デュ・シャトー・ド・ヴォーヌ・ロマネ、モノポール |
ラ・グランド・リュ(1.5ha) | ドメーヌ・ラマルシュ、モノポール |
グラン・エシェゾー(9.1ha) | DRCは、3.5ha所有 |
エシェゾー(37.7ha) | DRCは、4.6ha所有 |
上の地図を見て頂ければ分かるように、ロマネ・コンティの畑は、数々のグラン・クリュを従えるように、その中央に鎮座しています。 「ロマネ・コンティだけが傑出している訳ではない。周りの畑と、土質、地層、排水なども少しづつ違う。そうしたミクロの違いが累積され、結果的にマクロの差になってワインに現れる。他の区画より少しづつプラスの条件が、ロマネ・コンティに与えられたのだ。」というのは、DRCの代表者、ヴィレーヌ氏。 現在、ロマネ・コンティの畑に植えられているブドウの樹は、平均樹齢51年、約2万本。そこから、1ha当たり20から25hlという低収穫量により、出来上がるワインの平均生産量は約7000本前後。つまり1本のロマネ・コンティは、ぶどう樹3本分に相当します。 いづれにせよ、ロマネ・コンティは、誰もが認める「ワインの王様」なのでしょう。 |
以後、この畑は、複雑な相続を経て、現在でも共同所有者である、ヴィレーヌ家のものとなります。
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Romanee Conti 「ロマネ・コンティ」誰もが認めるブルゴーニュの宝石。あらゆる賛美の言葉を使い、賞賛されるワインの王様。もう、改めて説明する必要もないでしょう。 |
「深い森を散策する夢見る貴族」と称されるグラン・エシェゾー。クロ・ド・ヴージョの上部に隣接する畑から産出されます。 |
Bourgogne La Digoine DRCの社長兼共同経営者、オベール・ド・ヴィレーヌ氏がコート・シャロネーズに本拠を構える非常に評価の高いドメーヌ。ここの赤は、いわば「庶民のロマネ・コンティ」かな? |
Nuits-Saint-Georges Clos des Corvees このドメーヌのオーナー、アンリ・フレデリック・ロック氏は、92年より、ロマネ・コンティ社の共同経営者。今、非常に巷を騒がせているドメーヌです。 |
DRCと並んで、ブルゴーニュの巨頭と言われるルロワ。ただ、DRCとは違い、ルロワは最上のグラン・クリュから、AOCブルゴーニュまで幅広くワインを造っています。 |
今回頂いた83年のロマネ・コンティ。衰えている感はないものの、決してベストの状態とは言えないものだったように感じます。そして、オフ・ヴィンテージである77年のグラン・エシェゾー。このワインは素晴らしいコンディションでした。 「えてして、超有名銘柄や、ビック・ヴィンテージのワインは、旅をしやすい。どうしてもオークションや投機の対象になりやすいから。だから、状態の良くないものを掴まされることも多くなる。それに引きかえ、オフ・ヴィンテージのものは、旅をしにくいから、いい状態のものも多いのです。」 |
「長旅でゆさぶられつづけて上下に傷つけられたり、左右に傷つけられたり、(中略)、旅がこの酒には暴力だったのではあるまいか。」 だが、このワインは、女を思い起こさせる。「小説家」が若き日にフランスで出会った女。 「よもや一人の女として瓶のなかからあらわれようなどとは、思いもかけないことであった。」 やはり、ロマネ・コンティとは、そういうお酒なのか?2時間もの間、なにも答えてくれないワインは、それでも「路なき森に、さまよい込む楽しみ」を与えてくれました。今回のロマネ・コンティは、まさに1935年物だったのかもしれません。 |
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