July 1998 (2)

今月の御題目

ロバート・パーカーの100点満点ワイン!

ROBERT M.PARKER Jr.
 
ロバート・M・パーカーJr. 現在、ワイン評論家の中でも、最も影響力を持つ著名な人物。彼の評論は、辛口な事でも知られ、その一言でワイン市場の価格が変わるほどになっています。もともとは、弁護士。
 主な著書は、「ボルドー」、「ブルゴーニュ」、「パーカーズ・ワイン・バイヤーズ・ガイド」、「ワイン・アドヴォケイト」など。

ロバート・パーカーJr.初来日イベント
パーフェクトワイン・テイスティング

 先月(6月)に、あのワイン評論家のロバート・パーカーJr.氏が来日しました。それも、どうやら初来日だったようで、都内では様々なイベントが開催されたようです。
 その中の一つが、6月24日、横浜パン・パシフィックホテルにて行われた「パーフェクトワイン・テイスティング」。なんと、今までパーカー氏が100点を付けたワインばかり、10本を試飲しようという、なんとも贅沢な(羨ましい)イベントです。このイベントにいつもお世話になっているY氏が出席。そのリストや感想を聞かせて頂きました。

 ちなみに、出席者の多くは当然プロが多く、愛好家の方もかなりいらっしゃったそうです。会費は、なんと20万円! いわずもがな、私は行っておりません。ここにあるレポートは、すべて教えてもらったものです。

パーフェクトワイン - リスト

1.Mazis Chambertin Hospices de Beaune Cuvee Madeleine Collignon 1985 (Leroy)
 マジ・シャンベルタン、オスピス・ド・ボーヌ・キュヴェ・マドレーヌ・コリニョン(ルロワ)

2.Cote Rotie La Landonne 1985 (Guigal)
 コート・ロティ・ラ・ランドンヌ(ギガル)

3.Hermitage La Chapelle 1978 (Paul Jaboulet-Aine)
 エルミタージュ・ラ・シャペル(ポール・ジャブレ・エネ)

4.Chateau Haut Brion 1989
 シャトー・オー・ブリオン

5.Chateau Beausejour Duffau-Lagarrosse 1990
 シャトー・ボーセジュール・デュフォー・ラガロース

6.Chateau Latour 1990
 シャトー・ラトゥール

7.Chateau Leoville Las Cases 1982
 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ

8.Chateau Cheval Blanc 1982
 シャトー・シュヴァル・ブラン

9.Chateau Mouton Rothschild 1982
 シャトー・ムートン・ロートシルト

10.Harlan Estate Proprietary Red Wine Napa 1994
 ハーラン・エステート・プロプライアタリー・レッド・ワイン・ナパ

 物凄いラインナップです。やはり、言わずと知れた名シャトー、そしてビッグ・ヴィンテージのワイン達です。これだけの物が、現在でも一挙に揃えられるという事にも感心しますが、こういうイベントをやってしまうという日本は、不景気といいながらワインに関しては今が最高のブームの頂点のような気がします。

 まあ、そんな話はさておき、Y氏のメモには、なんだかんだと詳細に感想が記述されていたのですが、基本的には言葉で書くより頭の中で出来るだけそのイメージと特徴を覚えるようにしたとの事。まあ、そうですよね。ワインは飲んでみなくちゃ分からない!

 これらのラインナップを見て、少し気付いた事を。
 やはり、ボルドーが多いという事(日本に合わせたのかもしれませんが)。10本中、からの6本は、一般的にも評価の高いボルドーの名シャトーです。
 (こちらのページを参照して下さい ボルドーのページへ
 ただ、この中でちょっと興味深いのが、"ボーセジュール・デュフォー・ラガロース"。これは、サンテミリオン地区、第1特別級格付けのシャトーです。やはり、サンテミリオンと言えば、オーゾンヌやシュバル・ブランなどに気をとられて日本ではあまり注目されていなかったシャトーなのではないでしょうか(私個人の認識不足だったらごめんなさい)。多分この10本の中で、と共に比較的低価格で手に入れることのできるワインでしょう。このイベントの内容を聞いた業者さんや酒屋さんに値上げされる前に買っておきましょう。

 唯一のカリフォルニア(パーカー氏自身、今までカリフォルニアのワインには2回しか100点を付けていないそうです)10は、さすがのY氏も、ゆっくり調べてみないと分からないという事でした。ハーラン・エステートって聞いたことないし、あまり日本には入って来ていない物かな?気になります。ご存知の方は、教えて下さい。これ、カベルネだったそうです。

 あと、ブルゴーニュがの1本しかないのに比べ、ローヌのワインが2本ある()のは面白いですね。
 マジ・シャンベルタン、85年はブルゴーニュも当たり年、そしてあのオスピスの物、その年の瓶詰めはルロワという事になれば考えただけでもよだれの出そうな一本です。
 は、”焼けた斜面”コート・ロティです。南東を向いた40度近い急斜面で育つシラー種から出来る、男性的と言われるワイン。なんと新樽熟成は4年近くかけるそうです。それにしても、ここギガルラ・ランドンヌ、ラ・ムーリンヌ、ラ・トゥルク、本当に高い。85年物にもなれば10万円位するでしょうね。
 は、ローヌの名門、ジャブレのエルミタージュ。ラ・シャペルは、丘の最上部に位置する畑で、ジャブレの単独所有。前々からこのエルミタージュを飲みたいのですが、いい年の物はあまり残ってないかもしれません。

人生最後に飲むワイン!
 そういえば、最近のパーカー氏の評価を見ていると南仏のローヌや、ラングドックの評価がいいですね。確かにいい造り手が増えて来ているのだと思うのですが。
 Y氏が「人生で最後に飲むとしたら、どこのワイン飲みます?」って急に聞くので、「僕はやっぱりブルゴーニュかなあ。」って答えました。Y氏曰く、「私はボルドー、でもパーカーさんはローヌって言ってました。」
 そうなのです、パーカーさんはローヌが好きらしいのです。上のコート・ロティとエルミタージュの意味がよく分かります。いわゆるパーカー好みと言われるしっかりしたワイン達。まあ、パーカーさんも人間です。好みがあって当たり前。人それぞれ好みが違うから面白いのでは?
 あなたなら、人生最後に飲むワイン、何を選びます?

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