Beaune ボーヌ ブルゴーニュのワイン産業の中心地がボーヌ。様々なドメーヌやネゴシアンがここに本拠を構えます。 |
ブルゴーニュ、特にピノ・ノワールの名産地として名高いコート・ドール地区(コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌの両地域)の特徴は、複雑な土壌と、ミクロ・クリマ(畑の違いやわずかな環境の違いが生み出す気象変化)によって、畑ごとにワインの性格が異なるということがあります。そのため、ボルドーのようにシャトーにではなく、畑ごとにその等級が付けられています。 また、ブルゴーニュでは、同じアペラシオンの畑を、何人もの造り手が分割所有していることが多いため、その造り手によって微妙に味わいがちがいます。 つまり、畑の数と造り手の数を掛け合わせただけの種類のワインが存在するという事になります。 |
1. Beaune Hospices de Beaune Cuvee
Nicolas-Rolin ボーヌ・オスピス・ド・ボーヌ・キュベ・ニコラ・ロラン ('89 \8,700) 有名なオスピスのボーヌ。素晴らしく柔らかなミディアムタイプ。やさしい気持ちにさせてくれる大好きなワイン。 詳細はこちらへ ブルゴーニュのページ | |
2. Beaune Montagne Saint-Desire ボーヌ・モンターニュ・サンデジレ ('90 \5,000) フレッシュな果実味、まだ若さの残るイメージ。ばらのような香りも。 詳細はこちらへ 今月の味わいのあるワイン5月 | |
3. Beaune Montagne Saint-Desire ボーヌ・モンターニュ・サンデジレ (タスト・ヴィナージュ) ('90 \3,000 1/2bottle) すでに飲み頃の、複雑な香り。高級ブルゴーニュの典型ともいえる熟成感。2のワインとの違いは、タスト・ヴィナージュ付き。 詳細はこちらへ 今月の味わいのあるワイン6月(2) |
1のワインは、有名なオスピスの物ですし、1級畑なので違うのも当然でしょう。 ・輸入された状態、そしてこれまでの保管状況の違い。 ・3のワインは、ハーフ・ボトルだった。 ・3のワインは、当たりのボトル! ・この造り手が、タスト・ヴィナージュ用に出来のいい樽から選りすぐった物を出荷している。 これくらいの理由が考えられます。ただでさえ種類の多いブルゴーニュなのに、ここまで考えてたらワインを選ぶのがいやになります。まあ、そこが面白い所なのですが..... |
ブルゴーニュの利き酒騎士親睦団(Confreries ies Chevaliers du Tastevin/コンフレリ・レ・シェヴァリエ・デュ・タストヴァン)が毎年11月にフランスのクロ・ド・ヴージョで催される騎士団の集会において、ブルゴーニュのブドウ園や酒商から出品されたワインの中から、優れたワインを選び、“タストヴィナージュ・オリジナルラベル”が与えられます。 これは、最高質なブルゴーニュワインを世界に広めるために1950年より実施されたもので、優良なワインにのみ許可されるラベルです。 もちろんその年々で与えられるワインも違ってくるのでいつも同じ造りで同じワインが与えられるとは限りません。 |
これだけの理由を見ても、やはりピノ・ノワールは、気候や、土壌に影響を受けやすい繊細な品種だと言う事ができます。 実際、カベルネ・ソーヴィニヨンが今では世界中で栽培され、廉価でおいしい赤が飲めるようになりましたが、ピノ・ノワールは、それに比べるとまだまだです。 しかし、人間の技術と情熱は、不可能を可能にします。カリフォルニアや、オーストラリアのピノ・ノワールにも、そういう意味でこれから注目していきたいと思います。 |
皆さん、「ソムリエ」第6巻、読みました?またまた、為になる物語が一杯でした。その中で、堀賢一氏が掲載されている「ワインの自由」というコラムの中で、今回紹介したボトル毎の違いについての説明がありました。 上記で説明した理由の中で、「3のワインは、当たりのボトル!」という意味について詳しく書いてありますので、是非そちらを参照して下さい。 それにしても、この同じ畑、同じ造り手、同じヴィンテージ、同じボトルサイズの全く同じワインでも味わいが違うことがあるというのは、本当に不思議ですよね。ワイン研究家の間では、このことをボトル・ヴァリエーションと呼ぶそうです。(んー、これは、知りませんでした。) |
6月に、このボトル・ヴァリエーションについて書いてから、やっぱりちょっと不思議に思ったので、上記の3のボトル、ボーヌ・モンターニュ・サンデジレ
(タスト・ヴィナージュ)をもう一度飲んでみました。それも全く同じボトル、全く同じ店で、同じマスターと一緒に。(そこまでするかって感じ) やっぱり、違うんですよね。今度は、丁度2と3のワインの中間的なイメージ。最初に飲んだ3のボトルよりは、やはり弱い感じがするんです。開くのに時間のかかるワインだったので、待ってみたのですが、前の物よりフレッシュな部分が残っているボトルでした。 |
![]() |
||
今月のお題目 目次 | ||
今月のお題目 前回 | 今月のお題目 次回 |