ためになるワイン本

手記、小説、漫画
ワインにまつわるお話


「ワインの自由」
 堀賢一 (集英社、1200円)

 ワインに対する考え方を教えてくれる一冊。「はじめに」の文末には、「自由に考えることの奇跡」を書かれた本だと記されています。
 「自由」という言葉は、簡単なことではなく、著者のワインに対する情熱と幅広い認識、そして責任が文章からうかがえます。ここで説明するよりも、とにかく読んでみて下さい。最もおすすめする一冊です。
(堀氏に「ワインの自由」の内容を参照させて頂きたいとのメールを出した所、快く承諾して頂きました。ご厚意、本当に感謝いたします。)


「マダム・ルロワの愛からワイン」
 星谷とよみ (文園社、2500円)

 筆者の星谷さんは、1983年、初めてマダム・ルロワに会って以来、マダムのワイン造りを追い続けた方。マダム・ルロワが自分の舌に叶うワインを造るべく、農業を根本から変える間、ブルゴーニュまで何度も足を運び、雑誌「婦人画報」に連載。さらに取材を重ねて、この一冊にされました。
この一冊は、こちらで詳しく特集しています。
CURRENT TOPICS October 1998
またルロワのワイン特集はこちらです。
CURRENT TOPICS March 2000 (2)



「カリフォルニアワインasナンバーワン」
 飯山ユリ (東京書籍、2000円)

 飯山ユリさんによるカリフォルニアワインの詳解書。品質はフランスワインに肩をならべ、値段はきわめてリーズナブル、注目度No.1のカリフォルニアワインの歴史と現状、とくに知られざる雄「ソノマ」のワインとワイナリーを中心に徹底解説したファン待望の初のガイド。
 ここまで優しくそして詳細にカリフォルニアワインのことを綴られた書は無かったのでは?特にナパの陰に隠れがちで、情報を入手しにくいソノマのワインについて網羅されています。カリフォルニアワインファンの方、是非読んでみて下さい。

「ナパ・ワイン 新世界ワインの王者」
 飯山ユリ (東京書籍、2200円)

 上記の飯山ユリさんによるカリフォルニアワイン第二弾。そうカリフォルニアといえば「ナパ」というくらい実に有名なワイン産地「ナパ」のワイナリー情報、徹底した現地取材による数多くの写真や記事は必見。カリフォルニアへの旅を計画されている方は是非。



「世界一優雅なワイン選び」
 ジェラルド・アシャー (集英社、980円)

 上記の掘氏も推薦されていた単行本。堀氏やこの著者のアシャー氏の本を読んでいて気持ちいいのは、ワインが持つ背景や、造られる過程が著者の想いを通して書かれている事。それも、決して一人よがりなものではなく、様々な経験や知識からくる「確固たる明快な意見」という風に感じます。
 かといって、難しい書物ではなく、各国のワイン産地のストーリーやお薦めワインが、読みやすく書かれています。

「フランスワインの12ヶ月」
 大谷浩己 (講談社現代新書、880円)

 ワインに惹かれ、フランスに惹かれた著者が、一年間のボルドー長期滞在を決意。ワイナリーとぶどう畑を興味深い視点から描いたワイン紀行。あのプピーユやプリュレ・ロックなどについても詳しくふれられています。
 造り手の想い、情熱に重きを置かれている所はとても共感が持てます。通でも初心者でも、ワインがもっと身近に感じられる本です。




「太陽の香り」
 渋谷康弘 (KKベストセラーズ、1500円)

 あの石田純一似の人気ソムリエ、渋谷さんが書かれた南フランスのワイン紀行。
 ローヌから南へ続くワイン産地。地中海マルセイユからコート・ダジュールへ。この本を読むと太陽を一杯に浴びたブドウ、それはワインの命の源だという渋谷さんの想いが伝わります。プロヴァンスに行ってみたくなる本です。


「夢ワイン」
 江川卓 (講談社、1500円)

 ご存知、江川さんの「夢ワイン」。江川さんの話を聞いていると、「世界の名酒事典」を丸覚えしたとか、「最初はシャブリばっかり飲んだ」とか、「私もそうそう」ってうなずきそうな話が多くて、「一ワイン好き」としての姿勢がいいですね。さすがに、野球の世界で頂点に立った人、今度はワインの世界で活躍されそうです。



「ソムリエ」
 原作:城アラキ、漫画:甲斐谷忍
(集英社、530円)

 これも、皆さんご存知のはず。98年の10月から、テレビドラマにもなりました。(テレビは、ちょっと脚色しすぎ。あんなソムリエがいたら、実際恐い?)
 この漫画、何故面白いのでしょう?答は「第6巻」の裏表紙に書かれた甲斐谷忍さんのコメント。「これはワインの漫画ではなく、ソムリエの漫画なのですから。」
 毎回、登場するワインもとても楽しみなのですが、そのワインに対する主人公ジョー・サタケの姿勢を通して、ワインの世界を教えてくれます。


「瞬のワイン」
 原作:城アラキ、漫画:志水三喜郎、監修:堀賢一
(集英社、505円)

 オールマンに掲載されている「瞬のワイン」のコミック。人気が高かった「ソムリエ」の後も、楽しいワインのお話がいっぱい。堀賢一氏によるコラム「ワインの自由」も相変わらずためになる情報が盛りだくさんです。




「ワインの涙」
 城アラキ (集英社、1200円)

 上の「ソムリエ」の原作者、城アラキ氏による5つのワインにまつわる物語。「ソムリエ」の主人公ジョーも登場します。
 さすがに、そのワインがある風景が、頭の中に浮かんできます。少しナイーブで、気難しくて、頑固で、寂しがりやなワイン好きの人達。とても安心して読める小説集です。

「フランスワイン、とっておきの最新事情」
 宇田川 悟 (講談社、1000円)

 現地在住のジャーナリスト、宇田川氏によるワインの生情報。ワインの最新事情から、現地でのワイン観、日本のワイン観などの差も感じられ興味をそそられる内容。全11章からなる文庫ですが、各節がとても簡潔にまとめられており、話題の豊富さが凄い。普通のワイン本に飽きた人は、是非読んでみて下さい。

「ロマネ・コンティ・一九三五年」
 開高 健 (文春文庫、369円)

 1973年に発表された短編小説。
 40歳の「重役」と41歳の「小説家」が飲んだ1935年のロマネ・コンティ。しかしながら、そのロマネ・コンティは、衰えきっていた。

この小説とロマネ・コンティについては、こちらをご覧下さい。

「あなたに似た人 : SOMEONE LIKE YOU」
 ロアルド・ダール (ハヤカワ文庫、800円)

 「幻想とユーモアと恐怖をちりばめた奇妙な味の短篇を得意とする鬼才ダールが賭博に打ち込む人間の心の恐ろしさと人間の想像力の恐ろしさをテーマに描いた珠玉の15篇を収める代表的短篇集。」
 この文庫の中に収めれている「味」。サンジュリアン村のグラン・クリュ、一本のシャトー・ブラネール・デュクリュをめぐるミステリーは、堀賢一氏がワインの自由の中でも紹介されました。食卓のワインを当てるブラインドゲーム。しかしそ賭け金は邸宅と当主の令嬢。ゾクゾクする短篇です。




「最高のワインをめざして」
 ロバート・モンダヴィ自伝 (早川書房、2600円)

 ワインの素晴らしさを信じ、人生のすべてをワインに捧げた男、ロバート・モンダヴィ。伝統と格式を誇る旧世界(ヨーロッパ)ワインをしのぐ高品質のカリフォルニア・ワインを生み出すため、50代半ばにして自らのワイナリーを起こした彼は、斬新な発想と類まれな行動力で、ワイン界に次々と革命をもたらしてきました。
 尊敬すべきモンダヴィ、カリフォルニアワインを牽引してきた人物の情熱、成功者たる所以がこの一冊に詰まっています。今語られることのない、50年代から60年代のカリフォルニアの移り変わりを知る上でも重要な資料となります。


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