ためになるワイン本

カタログ本、入門書
ワインってこんなにあるんだ


「世界の名酒事典」
(講談社、3800円)

 この本は、私の教科書的な存在。600ページにもわたり、総数1万点以上の名酒が写真と短いコメント付きで紹介されています。そして、この本の半分以上は、ワインのページ。それだけワインって種類が多いんです。
 毎年、改訂版が出版され、2002年度版も発売されました。2002年度版の巻頭記事、堀賢一氏による「ブロードバンド時代のワインサイト案内」の中でclass30が紹介されました。

「世界ワイン大全」
 渋谷康弘、柳忠之監修
 (日経BPムック、4000円)

 ワインの大百科事典、なんと1万4000本のワインが掲載されています。「世界の名酒事典」との大きな違いは、造り手別になっている事。ちょっと引きづらい点もありますが、その造り手を知る上でとても役立ちます。大方のワインに味のタイプやコメントもついています。サブ・タイトルには「プロフェッショナルのための」と書かれていて、素人は買ってはいけないような気になりますが。


「おいしい映画でワイン・レッスン」
 青木冨美子
 (講談社、1800円)

 ソムリエ協会の理事も務められる青木冨美子さんによる「映画とワイン」の楽しいお話が詰まった一冊。その豊富な知識もさることながら「ワインを飲む時は自然体で」という、この本に書かれているスタンスが伝わってきます。

 この本はこちらの「お題目」で詳しく特集しています。

「シャンパンの教え」
 葉山考太郎  (日経BP社、1200円)

 各雑誌でも、そのウイットに富んだコラムで人気の葉山孝太郎さんが、シャンパンについて詳細に、簡単に、面白く綴ってあります。シャンパンに関するこぼれ話も注釈でつけられていて、とても楽しい一冊。第一章から「見栄を張るならシャンパンだ」のタイトル。デートの前にはご一読を。



「世界一ブリリアントなワイン講座」
 上巻 - ワインの基礎知識
 下巻 - 世界のワイン

 ジャンシス・ロビンソン
 (集英社文庫、上巻1048円、下巻1143円)

 ご存知、マスター・オブ・ワインのジャンシス・ロビンソン女史のワイン講座。文庫本サイズで上下併せて2巻が出版されました。
 上巻は、ワインを味わうためのノウハウがジャンシス流のスタイルを通して書かれています。下巻は世界のワイン産地を事細かく紹介。入門書に分別していますが、プロの方や愛好家の方も、今一度、読むにふさわしい内容の深い本。さすがジャンシス!

「タンザーの飲み頃・飲み得 ワイン・ガイド」
 スティーブン・タンザー  (講談社、2500円)

 パーカー氏と人気を二分するワイン評論家、スティーブン・タンザーが、1999年に市場に出たワインを取り上げ評価したガイド。国・地域別にまとめてあり、最低価格、買い得ヴィンテージ表、飲み得グラフ、品質、入手の可能性など、細かく紹介しています。
 各地区のお薦め生産者やワインが紹介されていますが、ワインの写真が無く、コメントがその味わいについてだけ触れられているのがちょっと残念。購入ガイドですが、あまり購買意欲がそそられないかな?タンザー流ワイン表現法の勉強にはなります。



「BRUTUS FRENCH WINE BOOK」
「BRUTUS WORLD WINE BOOK II」
「BRUTUS FAVORITE WINE BOOK III」
(マガジンハウス、すべて950円位)

 ワイン・ブームの火付け役、田崎真也さんの監修するカタログ本。97年の9月に「フランスワイン」が出され、続いて「ワールドワイン」、そして各界の著名人が選ぶ「フェィバリットワイン」が出版されました。
 上の名酒事典に似た構成ではありますが、最近の人気商品を中心に掲載しているという事、実際に若手ソムリエが試飲をした上でのコメントを載せている事、使用ブドウ品種が分かる事、田崎氏の十八番、「味のバランスシート」が全てのワインについている事など、アイデアいっぱいの本になっています。そして、特筆すべき事は、1000本以上のワインをA5版にまとめている事。この情報量で950円は安い。

「世界のベストワインとベストワイナリー」
 米国Wine & Spirits Magazine社
 (厚有出版、1900円)

 米国著名ワイン専門誌「Wine&Spirits」年間バイイング・ガイドの増補日本語版。この本の採点方法も100点評価で、書いてあります。
 R.パーカー氏を始め、アメリカの本のいいところは、単純明快だということでしょう。ワインを選ぶ際の指標とするには、とても重宝します。世界各国の秀でた造り手も紹介されていますが、特にカリフォルニアを中心としたワインとワイナリーの情報は、役に立ちます。
 1999年度版、2000年度版が発売されています。詳しくは、この本のホームページをご覧下さい。


「ワイン・ベストセレクション260」
 浅田勝美 (日本文芸社、1400円)

 サブタイトルが「ワインの基礎知識から愉しみ方まで」。いわゆる入門書の部類に属するでしょう。この手の本はたくさん出ていますが、これは内容が濃いですね。ワインを知る上で欠かす事の出来ない有名銘柄は、ほとんど網羅されているように思います。それもそのはず、監修は日本初のソムリエ、日本ソムリエ協会名誉会長の浅田勝美氏です。

「田崎真也とみつける自己流ワインの楽しみ」
 田崎真也 (日本放送出版協会、1000円)

 この本は、NHKの趣味悠々という番組で98年の4月から5月にかけて放送されたワイン特集のテキスト本です。番組自体はすべて見れなかったのですが、この本は、これだけ読んでもためになると思います。
 ブドウの品種を中心に編集されています。意外と出来そうで出来ない構成です。よって、そのブドウ自体の個性を把握できるため、これからワインを飲もうという方でも、一度目を通しておくと、より興味がわいてくるでしょう。

「誰でも納得!赤ワイン」
 エド・マッカーシー、メアリー・ユーイング・マリガン
(講談社、1700円)

 アメリカの著名なワイン・ライター2人が書いた赤ワインの参考書。赤ワインだけというのも面白いし、アメリカの著者なのでカリフォルニアワインが詳しく紹介されているのも嬉しい一冊。
 本人達のおすすめワインや、ちょっとしたこぼれ話のようなものも書いてあって、やさしく、楽しく読めます。


「ぶどう彩」
 山梨県立美術館監修 (アート印刷、1000円)

 山梨県立美術館が監修。ワインを美術として捉えている姿勢が伺えます。ヴィンテージ・ボトルやグラス、ボトル・ペンダント、コルク・スクリューなど、ワインの持つ歴史を表現しています。圧巻は、シャトー・ムートンのアート・ラベル。45年から88年まで、全て掲載されています。


「アモーレ・ディ・ヴィーノ イタリアワインの愛し方」
 ファブリツィオ・グラッセッリ
(トラベルジャーナル、1900円)

 ミラノ出身、日本在住の著者が綴るイタリアワインの接し方。子供の頃の思い出や当時のワイン事情、そして現代との差を分かり易く伝えてくれます。個性的なワインが数多くあるイタリアならではの魅力が明瞭に語られ、ワインを愛する著者の想いが伝わります。「僕のお気に入り10銘柄」、「ワインと料理の相性リスト」、「ワインラベルの読み方」、「買い方・保存の仕方・飲み方」などの実用情報も。これからワインを飲みたいと思う方に是非読んでもらいたい一冊。


ためになるワイン本 目次

月刊、季刊、別冊 手記、小説、漫画 リファレンス本、詳解書 評価、評論誌



class30 "The Wine"