New Arrival
ボルドー 2002年9月-12月

■ Bordeaux / St-Emilion

12/12/2002



Ch. La Tour Figeac
シャトー・ラ・トゥール・フィジャック

サンテミリオン 赤 (M60,CF40)
('93 \5,000位)('93 \12,000位 1500ml)

 サンテミリオンにはフィジャックという名のついたワインが多いけれど、ここも1879年に分割されるまでは、広大なフィジャックの領地の一部だった。現在のフィジャックとシュバル・ブランに接し、西側はポムロールのアペラシオンになる。1994年にレテンマイエール家に買収され、エチケットのデザインも変更されている。今後が期待されているシャトー。
 93ヴィンテージを通常のボトルとマグナムで二度。比較的熟成の進んだレンガが入る色合いで、枯葉、鉄、ミント系(ややもすると病院ぽいアルコール)のすっとした香り。赤いチェリーを中心としたエレガントな個性。熟成したメルローらしい優しさがあり良い飲み頃。
(サンテミリオン地区特別級)

■ Bordeaux / Grave

12/12/2002


Ch. Haut-Bailly
シャトー・オー・バイイ

ペサック・レオニャン 赤 (CS65,M25,CF10)
('96 \10,000位 1500ml)

 グラーブ格付け銘柄に指定されるオー・バイイは、1955年以来サンドル家が所有。1970年代のスランプから脱し、1980年代から評価を高めている。55%新樽にて12〜14ヶ月の熟成、ボルドーとしては珍しく瓶詰め前に清澄も濾過もされない。
 96としては熟成したグラデーションの見える明るいガーネット。スペイン辺りを連想させるムンとする獣と樽、茶色のキノコといった湿り気のアロマ。プラム系黒果実に重さはなく、柔らかい口当たりだけど、厚みに比べ粉っぽいタンニンが目立ち、早めの終り。マグナムでこれなら、もう飲んだ方がいいのかも。
(グラーブ格付け銘柄)


■ Bordeaux / Pauillac

12/9/2002



Ch. Latour
シャトー・ラトゥール
ポイヤック (CS80,M15,CF4,PV1)
('93 \45,000位 1500ml)

 ご存知シャトー・ラトゥール。1993をマグナムで。。。しかし開けるのが早すぎると思うほど、まだまだ黒みの強い色合い。小粒のカラントを中心に、シダー、ミネラルと言った清涼感のあるアロマ。ふくよかでもないが難しさもない、じっと先を見つめるような正しい姿勢。ラトゥールとしては大きさを感じない部分は残念だけれど、朝露のような静寂感は、これから姿を変えそうな気がする。あと5年は待ってみたい。
(メドック格付け第1級 : Ch. Latour)


■ Bordeaux / Pauillac

11/17/2002



Ch. Lafite-Rothschild
シャトー・ラフィット・ロートシルト
ポイヤック (CS70,M15,CF13,PV2)
('85 \40,000位)

 ご存知、ボルドー格付け筆頭のラフィット。ヨーロッパでは彗星が接近した年には良いワインができると言われ、この年のラフィットはボトルの肩にハレー彗星のレリーフが施されています。その希少性からコレクションの対象にもなっている1985ですが、R.パーカーは87ポイントとやや厳しい評価。さて、どうなのか?
 外観にも茶の多い熟成感。乾いた土、茶色のキノコ、ドライアプリコットのブーケ。1985としてはやや熟成が早い気もしますが、ピリッとした赤い東洋風香辛料、丸みを帯びたタンニン、キリッとした酸は、ブラインドでも高価なワインだと分かるだろう格付け一級ならではの気品。良好に熟した、良好に熟成したラフィット。
(メドック格付け第1級 : Ch. Lafite-Rothschild)

■ Bordeaux / Pomerol

11/17/2002



Vieux Chateau Certan
ヴィユー・シャトー・セルタン
ポムロール 赤 (M60,CF30,CS10) 
('89 \16,000位)

 あのル・パンを生んだティエンポン家の所有で、畑はペトリュスの南。ペトリュスが台頭するまでは、ポムロールのトップであり、現在でもトロタノワと並んでポムロール最上級の評価を受ける名シャトー。
 以前、同じ89を飲み、一目惚れではなく一飲惚れした一本。エッジに茶が入る程度の良い枯れ具合。しなやかな果実に酸と渋みがすべて溶け込んだ状態は、今が良いので早く飲んだ方がいいと思うほど。枯葉、漢方、土のブーケ。エレガントという言葉がぴったりのポムロール10傑中の貴族。


■ Bordeaux / St-Emilion

11/13/2002



Ch. Trotte Vieille
シャトー・トロット・ヴィエイユ
サンテミリオン 赤 (M50,CF45,CS5)
('90 \10,000位)

 サン・テミリオン・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセに格付けされるこのシャトーは、ボルドーの著名なネゴシアン、ボーヌ・マヌー社の所有。86年以降は、新樽90%、厳しい選別などの努力により、その品質も改善されてきました。
 ビッグ・ヴィンテージ90年は今良い状態。ドライプラム、ほうじ茶、樽香も溶け込んで少しのミルキーな甘さがふわっと香るブーケ。今のサンテミリオンから見るとクラシカルな果実は、肉厚ではないけれど、落ち着きのあるしっとり感。
(サンテミリオン地区第一特別級B)


■ Bordeaux / Pomerol

11/9/2002



Fugue de Nenin
フューグ・ド・ネナン

ポムロール 赤 (M,CF)
('98 \2,000位 375ml)

 1982を飲んで「もう飲まねーぞ!」と思った印象の悪いシャトー・ネナン(笑)。確かに以前の評価はさんざんたるもので、だからこそ気になる存在。
 ポムロールの中心に位置し、25haというこの地としては大きなブドウ園。1847年から同一族デプジョル家の所有だった歴史のあるシャトーは、1997年にドゥロン家(レオヴィル・ラス・カーズの当主)がオーナーとなり、コンサルタントにミッシェル・ロランを迎えるとみるみるうちに評価が上がった。セカンドの「フューグ・ド・ネナン」も評判がよく、98年は生産量の40%はセカンドに回されている。
 ファーストを開ける前に、セカンドのハーフボトルで、ネナンの変貌ぶりを試してみました。(以前のセカンドはSt-Roch de Neninと呼ばれていた様子) カラントやプラム、ロースト香が交じる今風のアロマ。人肌のような柔らかさのあるアタックとふくらみのあるボディ。長くはないがアルコールがふわっと香る心地よい終り。今飲んで美味しいセカンドは、音符が描かれているので、音楽好きな人へのプレゼントにもOK。
(シャトー・ネナン : Ch. Nenin)


■ Bordeaux / Pauillac

10/26/2002



Les Forts de Latour
レ・フォール・ド・ラトゥール
ポイヤック 赤 (CS80,M10,CF10)
('75 \15,000位)

 ご存知、シャトー・ラトゥールのセカンド。1975という古酒は珍しいですね。エッジに少しレンガ色が見える程度でまだ若さのあるガーネット。古典的な小粒の赤から黒の果実、丁子や甘酸っぱい杏。このヴィンテージにして、枯れかけた程度の良好な状態。タンニンも溶けはじめ、しなやかな印象だけれども、ボディ自体はやや細身。セカンドでここまで保つのもすごいが、ラトゥールと聞くと抜栓前の期待が高くなりすぎのが困ります(笑)。
(シャトー・ラトゥール : Ch. Latour)


■ Bordeaux / Bordeaux Superieur

10/12/2002



Ch. Domi-Cours
シャトー・ドミ・クール
ボルドー・シューペリュール 赤 (M60,CS40)
('00 \1,500位)

 ボルドー・シューペリュールというアペラシオンは、地区的にはACボルドーと一緒ですが、アルコール度数、ヘクタール当たりの収量等、規制が厳しくなっているもの。このドミ・クールのブドウ畑はジロンドの最も高い丘に位置しているという。
 この価格で満足感のある美味しいワイン。濃厚なベリー系果実は、メルローらしい柔らかさとまったりとした十分なコク。数日にかけて飲んでみましたが、時間経緯にも強いので、レストランなどでグラスとしても使えるでしょう。これからリリースされてくる世紀のヴィンテージ2000年。デイリーも要チェックですね。


■ Bordeaux / St-Estephe

10/1/2002



Ch. Haut-Marbuzet
シャトー・オー・マルビュゼ
サンテステフ 赤 (CS50,M40,CF10)
('94 \8,500)

 ブルジョワ級のワインですが、1952年以来、デュボスク家の運営の下、サンテステフでも5指に入るワインを生み続けるオー・マルビュゼ。ジロンド河を見下ろす砂利質土壌の50haの畑から年産約24,000ケース。熟成は新樽のみで18ヶ月、清澄処理は行われるが濾過は一切行わない。パーカーは格付け第三級同等の評価。
 このワインを購入したのはclass30を始めた1998年3月。恵比寿タイユヴァンの重厚なセラーにて。オー・マルビュゼというワインを飲んでみたくて思わず手にとったものの、その価格の高さ、94という硬そうなヴィンテージゆえ、何故か今まで家で眠っていた。思えばあの頃はボルドーがめちゃくちゃ高かった(笑)。
 未だ鮮やかなガーネット。ブルーベリージャム、シダー、アニスといった深くそそられるブーケ。これからキノコ系の熟成香が出そうな時期で、時間を置くとかなりポートに近づく。甘さのあるリキュール的な目の詰まった味わい。余韻でのドライなタンニンはまだまだ強く、あくまでボルドー、あくまでエレガンス。高級フレンチのソムリエさんがチョイスしそうな、多様な表情を持つワイン。
(ブルジョワ級)


■ Bordeaux / St-Emilion

9/25/2002



Clos Badon Thunevin
クロ・バドン・テュヌヴァン
サンテミリオン 赤 (M50,CF50)
('98 \5,000位)

 シャトー・ヴァランドローのオーナー、テュヌヴァン氏の新しいサンテミリオン、初リリースは1998年。1996年にクリュクラッセの“Cure Bon La Madeleine”を購入したかったが前オーナーはテュヌヴァンへの販売を拒み、シャネルグループへ売却。その代わりにパヴィとラルシス・デュカスの間に位置する6.5haのクロ・バドンを取得した。エチケットに描かれているのは、テュヌヴァン氏が友人から贈られて、自宅で飼っている中国産の鶏で、ずっと可愛がっているものだとか。平均樹齢30年のメルロー、カベルネ・フランが半々。新樽100%で16〜18ヶ月の熟成。年産約11000本、当然コンサルタントはミッシェル・ロラン。
 テュヌヴァンのワインは「黒い」と言われるように、黒の強いガーネット色。いかにも現代的な甘いオーク、ゆで小豆、熟れたブラックベリー。ねっとり感のある滑らかなボディ、熟したタンニン。なんだかんだと言ってもこの現代的な美味さには納得。(翌日はアルコールを中心に、やや浮ついた酸のあるワインになっていた事からも、このワインは早めに飲んであげるのが、ベストではないだろうか?)


■ Bordeaux / Pauillac

9/15/2002



Ch. Lynch Bages
シャトー・ランシュ・バージュ
Ch. Haut-Bages Averous
シャトー・オー・バージュ・アヴルー
Blanc de Lynch Bages
ブラン・ドゥ・ランシュ・バージュ
Ch. Les Ormes de Pez
シャトー・レ・ゾルム・ドゥ・ペズ
「葡萄酒の匠」のコーナーへランシュ・バージュとカーズ・ファミリーの詳細及びワインリストを掲載しました。


 メドック格付け第一級、マルゴーとムートンが造る白ワイン。「メドック」のアペラシオンを使用できるのは赤ワインのみのため、メドック地区で産出されてもACは「ボルドー」になります。

■ Bordeaux / AC Bordeaux (Medoc)

9/10/2002



Pavillon Blanc du Ch. Margaux
パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー
ACボルドー(マルゴー) 白 (SB100%)
('87 \8,000位)('97 \8,000位)

 シャトー・マルゴーで造られる、豪華で最も洗練された白。最優秀ボルドー辛口白ワインにも毎年選ばれる。歴史も古く、ピカソも愛飲したと言われるワインは、ソーヴィニヨン・ブランだけが植えられた12haの畑から。
 1987 : 80年代のパヴィヨン・ブランは初めての体験。1987という作柄には恵まれなかった年のワインが今なお、素晴らしい状態。ソーヴィニヨン・ブランのフレッシュで尖がった部分が年を経て、完全に球のように丸くなったまろやかさ。ほのかに甘味を残したグレープフルーツのような酸味が口中に広がる美しさ。
 1997 : まさしくボルドーのトップ・シャトーと分かる高級感ある味わい。若さのあるグリーニッシュなイエロー。ハーブとミネラル、心地良い樽香。キッチリとした枠組みの中に、口当たりの良いクリーミィなボディ、余韻での上品な苦味。シャトー・マルゴーというイメージ通りの白。和食と合わせましたが、これがなかなか合う。

 マルゴーだから☆という訳ではなく、本当に感心した二つのヴィンテージ。ソーヴィニヨン・ブラン100%ということを考えても、状態さえ良ければ15年前のワインがここまでの姿になる熟成力。ブドウの熟度と骨格、気品が備わる97。素直に美味しいと思った2本。
(シャトー・マルゴー)


Aile d'Argent
エール・ダルジャン
ACボルドー(ポイヤック) 白 (Se48,SB38,Mu14)
('94 \5,500位)

 ご存知シャトー・ムートン・ロートシルトが造る白ワイン。バロン・フィリップがムートンの畑で優れた白ワインをつくるという長年抱いてきた夢を実現、エール・ダルジャン(銀の翼)の名前で1991年に初リリースされました。マセラシオン・ペリキュレール(スキン・コンタクト)の後、樽発酵、澱と共に樽熟成。
 94年は濃い麦藁色。清涼感のあるハーブ系のアロマ、しかし熟成によるミルキーな質感。セミヨンが多いせいか?保存状態によるものか?ややのっぺりした味わいだけれど、練れたボディは心地よいバランス。
(シャトー・ムートン・ロートシルト)


 近年、様々な動きが見られるボルドー右岸地区。その中でもあまり話題に上らないアペラシオンだけど、ちょっと注目のシャトーを。

■ Bordeaux / Saint-Georges Saint-Emilion

9/1/2002



Ch. Griffe de Cap d'Or
シャトー・グリフィ・ド・キャップ・ドール
サンジョルジュ・サンテミリオン 赤 (M100)
('98 \3,600位)

 ヴァランドローのオーナー、ジャン・リュック・テュヌバン氏が昨年リリースした新しい銘柄。サンテミリオン衛星地区で、サンテミリオンのほぼ真北にあるサンジョルジュ・サンテミリオンACの畑6haから。平均樹齢40年のメルロー100%、セガン・モローの新樽100%、18ヶ月〜20ヶ月間の熟成、年産16000本。畑の管理から醸造まで、全ての行程をテュヌバン氏が行っているという事。この1998がファーストヴィンテ−ジ。
 黒みの強いガーネット色のワインは意外にも現時点で美味しいワイン。チョコの甘さ、熟した黒いベリーとスパイス。メルローらしいふっくらとした質感と、タンニンが枠組みを作る好印象のバランス感。
 よくネット上で「ヴァランドローの醸造所の2軒となりが、グリフィ・ド・キャップ・ドールの醸造所で目と鼻の先」なんて書いてありますが、畑の位置は全然違うと思う(醸造所が隣でもしょうがないし、元々ヴァランドローは様々な区画のブドウから造られている)。それよりもサンテミリオンの衛星地区でも、手をかければこうした旨いワインが出来るんだなぁと感心した一本。
Ch. Griffe de Cap d'Or




■ Bordeaux / Cotes de Castillon

9/1/2002



Clos l'Eglise
クロ・レグリーズ
コート・ド・カスティヨン 赤 (M,CF)
('99 \2,800位)

 サンテミリオンの南東に広がるACコート・ド・カスティヨン(以前話題になったプピーユなんかもこの地区産)。このワインは、モンブスケやパヴィを手掛けるジェラール・ペルス氏とキノー・ランクロのアラン・レノー博士がカスティヨンにて共同で造るもの。新樽100%で熟成され、1999年がファースト・ヴィンテージ。この価格でパーカー氏が90点を与えるお買い得ワイン、コート・ド・カスティヨンのスター候補。
 深いガーネット色。甘いアロマはプルーンやヨーグルト、新樽からのバニラ。どこかバローロ・ボーイズを思い起こされる濃縮感ある果実、余韻は樽から(?)の渋みがやや落ち着きがない。この価格で本当に手のかかったワインだと思うが、一本飲むのは疲れそうなので、ワインバーなどでグラスで出してくれると嬉しい。(同名のクロ・レグリーズというワインがポムロールにもあるので、間違わないように。)
(S.C.A. Vignobles G. Perse et A. Reynaud)




■ Bordeaux / Sainte-Foy Bordeaux

9/1/2002



Ch. Hostens Picant "Cuvee d'exception LVCVLLVS"
シャトー・オステン・ピカン "キュヴェ・デクセプション・リュキュリュス"
サント・フォワ・ボルドー 赤 (M98,CF2)
('98 \4,000位)

 サント・フォワ・ボルドーと聞いてもピンとこない人が殆どだと思います。ACとしてはあまり聞かない地区ですが、アントル・ドゥー・メールの東に広がるワイン産地で、赤と白が生産されます。
 シャトー・オステン・ピカンはフランス人のナディーヌとイヴ・ピカンが1986年に買取ったもの。三年間の試行錯誤の後、醸造設備を一新、ミッシェル・ローランをコンサルタントに迎え1990年から新しいワイン造りを始めました。メルローを中心とした赤用の畑32haと白用の畑10haの畑を所有。このリュキュリュスはシャトー最上級ワイン。樹齢の高いブドウを選別し、ステンレスタンク(温度コントロールと微量酸化装置付き)にて醗酵。オーク樽でのマロラクティック醗酵を経て、新樽にて18ヶ月の熟成。卵白を使った非常に軽い清澄、フィルターはかけない。
 深く黒みがかった凝縮を感じさせる外観。やや青さを含むミンティーなアロマ、コリアンダーや黒い小粒の果実。意外にスッと流れ込むアタックから、凛とした果実味、例外的な余韻の辛さを持つワイン。サンテミリオンとも違う、グラーブとも違う、やはり個性的な雰囲気。抜栓後、時間をかけて飲みたい。
Ch. Hostens Picant


以下、今年「無印良飲」に掲載したものを載せておきます。


■ Bordeaux / Grave


Le Sillage de Malartic (Blanc)
ル・シラージュ・ド・マラルティック (ブラン)
ペサック・レオニャン 白 (CB,Se)
('98 \2,500位)

 ル・シラージュ・ド・マラルティックは、赤、白ともにグラーブのクリュ・クラッセであるシャトー・マラルティック・ラグラヴィエールのセカンドワイン。土壌の良いレオニャンの高台にある21haの畑。1980年代にはエミール・ペイノーをコンサルタントに迎え、品質が向上。さらに1990年〜1997年はシャンパーニュのローラン・ペリエの所有に。現在では、アレクサンドル・ボニーの手に渡り、赤ワインはあのミッシェル・ロランが、白はドゥニ・デュブルニューが手掛け、これからが期待されるシャトー。

 丸の内のフレンチレストランでお薦めされたもの。ソムリエ氏曰く「白ですが、非常に固いワインなのでデキャンタをしましょう」という事で、リーデルのウルトラ・デキャンタ(写真右)に移して下さった。色は濃い麦藁色をしており、ほんのりとメロン、ハーブやグレープフルーツの清潔感あるアロマが食欲をそそる。非常に強いミネラル感は、デキャンタの意味を知らせるようです。
 食事やワインを美味しく頂くにはこうした演出も大切。デキャンタする前のものは頂いていませんが、多分ソムリエ氏の言われている事は間違いないと思います。そんなことよりこうしてサーブされると嬉しいもの。
 実はこのシャトー、赤白とも何故か古いヴィンテージを数度頂いたことがあったんですが、あまりいい印象はなかったのですが。。。ドゥニ・デュブルニュー氏の手掛けるワインはとても好み。このシャトー、これから注目でしょう。セカンドでこれだけ美味しいのですから。


新着ワイン 目次
新着ボルドー 前回

BORDEAUX RHONE, LOIRE ITALY AUSTRALIA
BOURGOGNE CHAMPAGNE CALIFORNIA OTHERS...



class30 "The Wine"