![]() |
![]() |
![]() |
今回の「味わいのあるワイン」はリアル・ワイン・ガイド誌(Vol.2〜Vol.5)に掲載して頂いたテイスティング・レヴューをご紹介致します。 |
France / Bordeaux |
メドック格付け第1級の中でも筆頭の位置を務める銘酒中の銘酒。コンティ王子とのロマネ・コンティの畑の取り合いをしたことでも知られるマダム・ポンパドールが晩餐の席で欠かさなかったと言われるのが、このラフィット。1級格付けの中で、最も広い100haの畑から約25000ケースのワインが生まれます。 |
![]() |
このワインを手掛けるのは、シャトー・シトランで働く父を持ち不動産業を営むポーショロン氏と、ヴァランドローの共同経営者でトゥヌヴァン氏の奥様ミュリエル夫人。マロジャリアの畑2.5haはル・テルトルとモンブリゾンの中間に位置し、以前はACマルゴーを生産していた前オーナーから、ポーショロン氏が1998年に畑を買い取り、ミュリエル夫人と共に更に高品質なワインを目指した。ミシェル・ローラン氏のコンサルタントのもと、夫人はヴァランドローで培ってきた経験を十分に発揮、25hl/haという低収量、フリーランジュースのみ使用し、新樽100%で18〜24ヶ月熟成。年産約6000本、1999年初ヴィンテージ。「マロジャリア」とは「マルゴー」のラテン語読み。 |
France / Bourgogne |
ミュニエ家はこの村でヴォギュエ家に次ぐ大地主。偉大なる3つの畑、ミュジニー(1.13ha)、ボンヌ・マール(0.35ha)、アムルーズ(0.52ha)を持ち、現在は5代目となるフレデリック・ミュニエにより精力的に運営されています。このフュエには0.71haを所有。新樽は約25%ということ。 |
シャンボール・ミュジニー村で最も尊重される旧家、コント・ジュルジュ・ド・ヴォギュエ。すべての畑はシャンボール・ミュジニー村にあり、ボンヌ・マール、ミュジニーといったグラン・クリュの多くを所有。ミュジニーには、7.2haもの自社畑を持ち、その中のわずか0.4haにはシャルドネが植えられ、ミュジニーの白ワインを産出しています。コート・ド・ニュイで唯一のグラン・クリュ格付けの白ワインであり、ワインファンにとっては幻の逸品。 |
サヴィニー・レ・ボーヌのテロワールが味わえるモーリス・エカール。自社畑のプルミエ・クリュは樹齢の古いブドウ樹(30〜50年)が多く、またひとつの畑が2〜3haとこのアペラシオンにしては広いため収穫量を抑えても一定量の良質なワインを造ることが出来るという。徐梗をせず、発酵段階で35度まで温度を上げしっかりと色素を抽出、充分なルモンタージュ(発酵槽の中での果帽の攪拌)を行う。通常新樽は25%、14〜18ヶ月の樽熟後に瓶詰め。赤のプルミエ・クリュが5ッ(レ・ナルバントン、レ・ジャロン
、ル・セルパンティエール 、レ・プイエ 、レ・クルー)、そしてオー・ジャロンの畑からはピノ・ブラン100%の白ワインを生む。 |
France / Rhone, Loire etc. |
シャトー・ド・ボーカステルを所有するペラン家はシャトーヌフ・デュ・パプを代表する造り手。ジャン・ピエールとフランソワ兄弟が、それぞれ営業と醸造を担当。シャトーヌフ・デュ・パプで認定されているブドウ品種13種が植えられ、混醸によるワインの複雑性を主張しています。また30年以上に渡って無農薬を実践する有機栽培の先駆者で、硫黄の添加を抑えるために、収穫されたブドウを瞬時に加熱する「ショファージュ・ド・ヴァンダンジュ」という技法を用いることでも有名。大樽で8〜18ヶ月の熟成。 |
![]() |
パプの5ッ星生産者ペゴーは主に父のポール・フェローが葡萄栽培を受け持ち、娘のローランスがワイン造りを行っています。生理学的に成熟したブドウ、収量は低く、ポールとローランスが瓶詰め時期だと決定するまで、大きなフードルの中で発酵後の澱に触れたままにし、So2の添加は極力抑えられ、清澄・濾過せずに瓶詰め。 |
![]() |
醸造家グザヴィエ・コペル氏がボルドーに96年に設立し、一気にブレイクしたスーパー・ネゴシアンがプリモ・パラテューム。コペル氏はトゥールーズ大学の醸造学を学んだ後び、フランス国内のトップ・レベルを誇るワイン生産者たちを直に訪問、話を聞くことに時間を費やす中、優秀な生産者や、素晴らしい条件の揃った畑が南フランスに集中していることを知り、各アペラシオンの栽培家と契約、密に協力し合い出来上がったワインをリリース。使用する葡萄は、各栽培家の畑で育った樹齢50年以上の古樹、最上の区画から収穫された完熟ブドウを低収量で収穫、さらに徹底した選別を行う。一部の白ワインとポートを除き、全てが新樽でシュールリー熟成、赤ワインはマロラクティック発酵も新樽で行われます。「プリモ・パラテューム」とは、ラテン語で「最初の味」「全てに先に絶つ味」という意味だとか。 |
ラングドック最上の生産者と言われ、絶大な人気を誇るグランジュ・デ・ペール。オーナーのローラン・ヴァイエ氏は、一年間ブドウ栽培に適した土地を探し、ラングドック・エロー県のドーマス・ガサックの近くの土地を購入。シラー、ルーサンヌ、マルサンヌはエルミタージュのジャン・ルイ・シャーヴから、カベルネ・ソーヴィニヨンはプロヴァンスのトレヴァロンから樹を分けてもらったという。初ヴィンテージは1992年。7.3haの畑から20hl/haという低収量、足によるピジャージュ、4〜6週間に及ぶ長期間発酵、さらに18〜24ヶ月の樽での熟成。 |
France / Champagne |
偉大な収穫年にのみリリースされるテタンジェの最高峰は、1978ヴィンテージより「テタンジェ・コレクション」と称し、世界的な現代芸術家にそのボトル・デザインを依頼しています。このアイデアは、現社長のクロード・テタンジェが、ランス大聖堂のステンドグラスをデザインしたマルク・シャガールとの出会いが生み出したという事で、瓶を覆うプラスチックに直接印刷する技術は日本のノウハウによるもの。1988ヴィンテージは、グラン・クリュ格付け100%の畑からシャルドネ55%
、ピノ・ノワール45%。ドサージュ前にマグナム瓶で約6年間の熟成を経ています。 |
1920年代、パリのマキシムにてハウス・シャンパーニュとして愛飲されたというサロン。このシャンパンはこちらで詳しく特集しています。 |
1949年に設立されたレコルタン・マニピュラン。ジャック・セロスは、コート・デ・ブランに7haの畑を所有し、100%シャルドネ種から年産約4000ケースを生産。1991年よりビオディナミ農法を採用。化学肥料や殺虫剤は一切使用されず、発酵も天然酵母を使用し木樽で発酵させる。 |
![]() |
California |
カリフォルニアのプロプライアタリーワイン(ワイナリーが独自のブランド名を付けて売る高級ワイン)の中でも、最も有名であろうオーパス・ワン。ロバート・モンダヴィとシャトー・ムートン・ロートシルトのジョイント・ベンチャーによる名作。オーパス・ワンとは”作品第一番”の意。 |
![]() |
明るめのルビー色をしたピノは、ボディは中程度だが十分な旨みと後半への広がりがあるワイン。赤くて甘いベリーにスッキリした香草とタール、キャベツにお好み焼ソースをかけた美味しさ。フロッグス・リープのJ.ウィリアムスが造るプライヴェート・ブランドという事で、日本では主に業務店向けらしいので、レストランで見つけたらすかさず注文しましょう。【D:2003
P:88】[Real Wine Guide Vol.3 掲載] |
Australia |
グランジと並びオーストラリア最高峰のシラーズと賞されるヒル・オブ・グレイス。1860年代中頃から南オーストラリア、バロッサ・ヴァレーでワイン造りを始めたヘンチキ家は、4代目シリルの時、高品質なスティルワインの生産に注力し、1958年に名高いヒル・オブ・グレイスが生まれました。樹齢130年というシラーズ100%から生まれるワインは、5代目当主ステファンの手により、伝統を受け継いでいます。ヘンチキはケイントン、エデン・ヴァレー、レンズ・ウッドの標高の高い、冷涼な気候の地区に100haの畑を所有。ヒル・オブ・グレイスの畑に入る時はフィロキセラを持ち込まないよう、特製の靴袋を履かされるとか。 |
![]() |
1912年、現在のマクラーレン・ヴェールにジョセフ・オズボーンが創立した重要なワイナリー。著名な「レッド・ストライプ」をまとったワインは、数多くのコンテストにてメダルやトロフィーを獲得、高品質かつ安定したワイン造りで知られます。ユーティパ・ラタという病原菌による病害の名が"デッド・アーム"。この菌は世界中のブドウ畑に存在するが、ブドウ全てを枯らしてしまうことはなく、部分的に感染する。幹から伸びる2本の枝の片方がデッド・アームに感染したものの、残りの枝からは濃縮したすばらしい果実がとれたことから、このブロックのシラーズを他とは分けて醸造している。 |
Austria |
ブルゲンラント地方のノイジードラーゼという地域、その中のApetlon(アペトロン)という町にあるヴァイングート・フェリッヒ。お爺様の代から3代に渡りワイン造りを行っており、最初は地の品種が畑に植わっておりましたが、良いワインを造ろう最終的に選んだのがシャルドネだったということ。オーストリア最高のシャルドネと評されるワインは、かのジャンシス・ロビンソン女史も「ブラボー!」と誉め称えたとか。"Tiglat"と"Darsho"というキュヴェがあり、こちらが格上のワイン。 |
Japan / Katsunuma |
1937年創業、有賀社長率いる勝沼醸造の甲州。2001年ヴィンテージはシュール・リーと呼べないシュール・リー。日本ワイナリー協会のワイン表示問題検討協議会は「国産ワインの表示に関する規準:醗酵終了後5ヶ月以上シュールリー状態にし、6月30日までに容器移動(ビン詰め)しなければならない。」という基準を定めている。勝沼醸造さんは「旨み成分の還元を高める」ため、8月上旬までシュールリー状態にしたので、このワインに「シュール・リー」の表記はされていない。 |
![]() |
||
今月のワイン 目次 | ||
今月のワイン 前回 | 今月のワイン 次回 |