June 2003

今月の御題目

500000ヒット記念感謝プレゼント

 2003年5月31日、お蔭様で50万ヒットを迎えることができました。今年はなかなか更新も出来ず、テンションの低い50万となりましたが(苦笑)、皆様にご覧頂けること本当に感謝です。

 さて、50万という一つの区切り。今回は最近ワインの世界を席巻している「点数評価」について触れてみようと思います。そして、50万ヒットのプレゼント企画は、世界のテロワールを纏めたワイン本とソムリエナイフ、そしてワインもプレゼントします。


「ワインの点数」

 「キリン・ラガービールとアサヒ・スーパードライ、どちらが好きですか? また点数を付けるとしたら、どちらが高得点になりますか?」

 昨今、ワインファンの中でも点数評価というものが定着してきたような気がします。言うまでもなく、点数評価で最も大きな影響力を持つのはロバート・パーカー氏注1で、彼が付けるワインの点数が、市場を左右する状況はこれからも続いていく事でしょう。そして充実してきた日本のワイン誌の中でも、ワイナートリアル・ワイン・ガイド等が100点法の点数評価を掲載し、多くの消費者が、こうしたワインのポイントを参考にしていると思います。

 一本のビールや他のお酒を選ぶ時、多くは「味わいの好み:嗜好」というものが最大の選択理由になるわけですが、ワインの世界には何故か点数評価がはびこっています。ショップの店頭では「パーカー90点」、メルマガでは「ワイナート95点」といった売り文句が大きく語られます。私自身も以前はこうした点数評価に関して否定的な立場で「ワインの点数なんてつまらない。ワインも個性、味わいの好みで選べばいいのに。。。」と思っていました。

 しかしながら、昨年BBS上にて「ワインの点数評価」について皆様から多くのご意見を頂きました。本当に有意義であり白熱したお話だったわけですが、これを通して最後に感じたこと、それは「ワインの点数はすでに避けて通れない要素であり、ワインファンにとっては大きな関心事である」という事。点数評価を否定するよりも、ワインが持つ「味わい以外の要素」の一つとして受け入れた方が楽しいのではないか、と思うようになりました。

 HP上でワインのコメントを掲載する時、その味わいを文章で伝える事は本当に困難です。ある意味、読み手と書き手の間で、ある程度共有するスキルも必要になってきますし、こうした部分を簡潔明瞭な点数で補完することは重要であると思います。また、これだけ多種多様なワインが販売されるようになった現在、消費者のワイン選びも本当に大変! 何を買えば良いのか、何が価格に見合ったワインであるのか。一定のモノサシを設けることによって、ワイン選びの手助けとなる点数評価は、時代に合った事象なのかもしれません。

注1 : パーカーの100点法は、「基本点」を50点とし、「外観」に5点、「アロマとブーケ」に15点、「味わいと余韻」に20点、「全体的な品質レベルと熟成能力」に10点が加味され決定される。あれだけの本数のワインすべてに、こうした論理的な採点がなされている、、、のか?笑)


味わいの決定要因

 ワインの世界に点数評価が定着した今、何故に点数が必要になったかという理由を考えてみると、あまりにも瓶内に詰められた液体の実態が掴みにくいという点があるからではないでしょうか? ワインは本当にバリエーションが多く、様々な要因が絡み合って味わいを決定しています。

 「ブドウ品種:セパージュ」は現在世界で栽培されているものだけでも約1000種あり、そのうち実際にワインに使用されるのが約100種。同じセパージュであっても、生産される「産地:テロワール」によって、味わいを異にします。そして当然のことながら「生産者:ワインメイキング」も重要なポイントですし、同じ銘柄であろうが、その「収穫年:ヴィンテージ」毎に性格を変えてしまいます。

 また、ワインは瓶詰めされた後に「熟成」するもの。以前試したものであっても、今はどんな状態にあるのか? さらにワインは保存状態に影響を受け易いため、インポーター等の「流通経路」でも味わいに差が生じる場合があります。こうした事柄をすべて考えると、目の前にあるワインの中身について、あまりにも不確かな部分が多く「ワインは開けてみるまで分からない」と言われる由縁となっています。注2

 ワインに接していると、本当に多様な味わいがあり、その奥深さに感嘆したり閉口したり。世界中のワインを把握するのは、終着駅のない作業のように思えますが、こうした「味わいの決定要因」を一つ一つ紐解いていく事が、ワインの面白味となっている事も間違いないでしょう。

 ということで、今回の50万ヒットは、ワインの味わいを決定する大きな要因である「産地:テロワール」について纏められた偉大な一冊をプレゼント致します。

注2 : この他に「瓶詰め時のロット差などによる味わいの違い」にも注意が必要。この先天的なワインの個体差を「ボトル・バリエーション」というのに対し、「流通経路や保存状況」による後天的な個体差を「ボトル・コンディション」という。いずれにせよ、ここまで考えるとワインが買えなくなります。)


プレゼント@
The World Atlas of Wine / Hugh Johnson, Jancis Robinson

 ワインが他のお酒と違う大きな特性として、産地が非常に重要視されるという点が挙げられます。2000年10月のお題目で書いたように、ブドウは最も風土を反映する果物とされ、ヨーロッパでは原産地呼称法により、産地が指定されているのはご承知の通り。さらには未来の名産地と目される新世界各国でも、ワイン産地が細かく線引きされるようになりました。

 「The World Atlas of Wine」はワインの権威、ヒュー・ジョンソン氏が世界のワイン産地を網羅した大書で、1971年に初版を発表して以来、現在13カ国語に翻訳されているベストセラー。この 5th Edition からはマスター・オブ・ワインのジャンシス・ロビンソンとの共著となっています。
 地勢図は等高線入りで、ワイン産地への想いを馳せる内容。なかなかワイン産地まで足を運ぶ事のできない私達にとって、重要な情報源になるでしょう。英文で書かれていますが、重要なワイナリーや畑が記された地図を見るだけでも楽しいですし、ヒュー爺さんとジャンシス女史のおすすめワインも掲載されています。 (全352頁、オールカラー)

 ブドウが育つ自然環境の中で「気温」「降水量」「日照量」、そして「地形」「土壌」などが、出来上がるワインの個性に大きな影響を与えるわけですが、そんな生育条件に関わる情報を地図と共に纏めたのが、この一冊。「このワインはパーカー高得点だぞ!」と息巻いても、どんな産地なのか全く知らないのは悲しすぎますよね。そんな時、必ず役に立つと思います。




プレゼントA
Pulltap's Corkscrew (class30 Version)
 ワイン本は欲しくない、お勉強は面倒くさい(笑)という方はこちらをプレゼント。プルタップスのソムリエナイフ。私が知るワインのプロ達もよく愛用しているナイフで、レバー部分がダブルレバー方式になっています。レバーの長さと2つのフックによりグランヴァン等の長いコルクも、2度抜きすることなくレバーを掛け替えるだけで引き抜けるので、とっても便利。プレゼントするナイフはclass30のロゴ入り、世界に二本しかありません(もう一本は自分用、笑)。




プレゼントB
1999 Beaune Clos des Ursules / Domaine des Heritiers Louis Jadot
ボーヌ・クロ・デ・ズルシュル / ドメーヌ・デ・エリティエ・ルイ・ジャド

 やっぱりワインが飲みたい! という方のためにワインもプレゼント。class30が敬愛するルイ・ジャドのワイン。ルイ・ジャド社は150種ものワインを生産するブルゴーニュ屈指のネゴシアンとして知られますが、総面積105haのブドウ畑を所有する大ドメーヌでもあります。

 ドメーヌ物はその所有形態に応じて、ドメーヌ・デ・エリティエ・ルイ・ジャド、ドメーヌ・ルイ・ジャド、ドメーヌ・ガジェイ、ドメーヌ・デュック・ド・マジェンタなどに分かれ、ラベルの下部に記されていますが「Domaine des Heritiers Louis Jadot」となっているものは、ジャド家が代々継承してきた由緒ある自社畑からの物。

 ボーヌのプルミエ・クリュ、ヴィーニュ・フランシュの一部である「クロ・デ・ズルシュル」(2.2ha)は、17世紀から知られる銘醸畑。ジャド家がまだ一介のブドウ栽培農家にすぎなかった1826年(同社の創業は1859年)に買い取って以来、ルイ・ジャドのモノポール(単独所有畑)となっています。

 ジャドは、クラシックなブルゴーニュの模範とも言うべきワインで、甘苦系スパイスの香りとブラックベリーの濃縮した果実味。適度な緊張感のある酸味が料理との相性も良いワイン。果実味重視のドメーヌ物がもてはやされる昨今ですが、こうした折り目正しい魅力を持つワインも飲んでみて下さい。




応募方法

 応募フォームに、このサイトの感想や意見(なんでも結構です)と御自分が好きな0から9までの数字を書き込んで下さい。応募の際に、名前はハンドル名でも結構です。当選者だけに、後でメールにて、ご本名と郵送先をお伺いします。

 応募時に「The World Atlas of Wine」「Pulltap's Corkscrew」のどちらか一つ選択して下さい。それぞれ応募していただいた方全ての「お好きな数字」を加算した合計数の「1の位」を当選番号とします。

 「Beaune Clos des Ursules」は、その抽選にもれた方の中から、「この人にあげたい」と思ったコメントを書いて下さった方に差し上げます。(ふつーに書いてね。コメントの長さも問いません。)

 当選者が重複した場合、class30の独断で決定させて頂く事があります。ご容赦下さい。(発表は後日当ページ上で。)

 6月10日までを、応募期間とします。皆さんに、50万ヒットに感謝を込めて・・・ ご応募、お待ちしております。

 応募は締め切らせて頂きました 


500000ヒット記念感謝企画
プレゼント当選者発表!


以下の方々にご応募頂きました。本当にありがとうございました。

The World Atlas of Wine / Hugh Johnson, Jancis Robinson
数字

応募者名(応募順)
人数 数字×人数
0 masayukiさん、daddyさん、ミホプリオさん 3 0
1 jordanさん 1 1
2 Seagulさん、sunさん 2 4
3 マーク大佐さん 1 3
4 nafnafさん、Naoさん、B.V.C.会長ほげちゃん、MIKIKOさん、koppeさん 5 20
5 shinさん、メトロノースさん、arrauさん、トモさん、F. YAMAMOTOさん、digiengelさん 6 30
6 VINOさん、Andyさん 2 12
7 レザンさん、マーチンのパパさん、よう子さん 3 21
8 やゆよさん、ibisさん 2 16
9 眠らぬ羊さん 1 9
総計   26 116

Pulltap's Corkscrew (class30 Version)
数字

応募者名(応募順)
人数 数字×人数
0 junko-tさん、マンショニャッガーマークTさん、rouge-mayさん 3 0
1 店長さん、ひらがなたけしさん、たむやすさん、みかりん(アイ夫婦)さん 4 4
2 takeさん、ねーやさん 2 4
3 CFGさん 1 3
4 igarikunさん、hidetaroさん、Takeさん、fujitouさん 4 16
5 平泉夕斎さん 1 5
6 ナパさん、Y.T.Sさん、49ermaniaさん、やさかさん 4 24
7 やまじゅんさん、たけまささん、ろびんさん、カリ王さん 4 28
8 ますみ姉さん、yurikoさん、一如さん 3 24
9 Qたろ〜さん 1 9
総計   27 117

抽選方法、当選者

計53名の方々から応募頂きました。本当にありがとうございました。その結果

「The World Atlas of Wine」
「6」と書かれた2名の応募者の中から

Andyさん

「Pulltap's Corkscrew」
「7」と書かれた4名の応募者の中から

やまじゅんさん

「Beaune Clos des Ursules」
 は、嬉しいコメントをお寄せいただいた

Y.T.Sさん

に決定しました。おめでとうございます。

皆さん、本当に多数の応募ありがとうございました。多くの心温まるコメントや感想を頂き、本当に感謝しております。そして惜しくもはずれてしまった皆さん、ごめんなさい。また次回をお楽しみに。これからもよろしくお願いします。

6/15/2003 class30 -Takeshi-



今月のお題目 目次
今月のお題目 前回 今月のお題目 次回


class30 "The Wine"