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California / Napa Valley |
現在、カリフォルニアでも最も高い評価を受けるワイナリーと言ってもよいハーラン・エステイト。初リリースと同時に一大センセーショナルを巻き起こし、1994ヴィンテージにパーカーが100点を献上してから、そのカルトぶりは異常なほど。オークヴィルにある約14haの畑(現在収穫が行われるのは10haほど)から、年産1500ケース。完璧主義者であるオーナーのビル・ハーランはこの地を求めるまで、約10年を要したという。ワインメーカーはボブ・レヴィ、顧問はあのシンデレラワイン引受人ミッシェル・ロラン。 | |
1995 : このワインは目から鱗が落ちる思いがした! カリフォルニア・カルトと呼ばれるワインは、絶対的な重さと圧迫感があるものだと勘違いしていたから。。。ここまでピュアな果実感を持ったワインはお目にかかったことがない。同席したプロの友人にその訳を聞くと「ハーランは全くのフリーランジュース」ということ、なるほど。濃密でいながら見事なまでの均整のとれた姿は見事としか言いようがない。 1996 : プラムやブルーベリーの濃縮されたアロマに、ハーブがからみ、ミネラルやスパイス、ローストの要素が内向きに入ってくる。非常に複雑なアロマを醸し出していると同時に、果実の濃縮度は抜群、しかし決して重苦しくならない。他の年に比べるとタイトで、ややボルドー寄りの個性を感じるヴィンテージ。 1998 : 98を頂いた時、他のカリフォルニアも数多く飲んだのですが、やはりハーランは別格。ブランデーでも入れて発酵止めたのではないかと思うほどの、酒精強化っぽい甘さ。グリルした肉、タバコ、黒胡椒。ハーランとしては初めてのカベルネ100%(通常少量のメルローがブレンドされる)、若さゆえ、余韻のタンニンはまだまとまっていないけれど、骨格、ワインの層、ゆるぎない存在感。 | |
こんな高価なワインに☆は付けたくないけれど、これに付けずに何を良しとする?「濃密」と「純粋」という相反するような要素を併せ持つワイン。面白いのはカリフォルニアにもキッチリとしたヴィンテージ差があり、ハーランがそれを如実に描きだしているような気がする。ミッシェル・ロランによると、ここほど細部に至るまで注意を払い収穫をするワイナリーはないということだが、その言葉の意味がよく分かる。さらに高評価の94、97なんてどんなワインなのだろう? (ハーラン・エステイト : Harlan Estate)オークヴィル |
ヘレン・ターリーが手掛けるブライアント・ファミリーも、1992年が初ヴィンテージながら、すでにカリフォルニアのトップ・カベルネという名声を確立。オーナーはドン・ブライアント夫妻。ナパのプリチャード・ヒル近くの丘にカベルネ・ソーヴィニオンが植えられ、ワイナリーの蔵出し価格は200ドル前後という事だが、市場に出ると簡単にその2、3倍の値段となる。パーカーはすべてのヴィンテージにほぼ満点に近い評価を与えている。 |
元証券マンだったディック・グレースが、都会に疲れセントヘレナに家を買い、その庭先0.4haの畑から造り出すスーパー・プレミアム。ブドウが植えられたのは1976年、初ヴィンテージは1978年で、その後数年間はケイマスでワイン造りが行われていた。当初のワインメーカーはゲリー・ギャレロンだったが、95年からあのハイジ・バレットに引き継がれている。メーリング・リストの顧客のみに販売されるワインは、1985年に畑を増やしたようだが、フィロキセラの影響で現在でもその年間生産量はわずかに200ケース足らず。幻のカルト・カベルネ。 |
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スタッグス・リープ・ディストリクトの中心にあるエステート・ワイナリー。グレース・ファミリーのクローンを植樹し、ワインはグレース・ファミリーのワイナリーで醸造。やはり年産200ケース前後で、評価は高いが市場に出回る事はめったにない。コンサルタントはハイジ・バレット。 |
1972年、ナパのラザフォードに設立され、卓越したカベルネの生産者として名高いケイマス。「スペシャル・セレクション」はカリフォルニア好き憧れのスーパープレミアムで、オークで約3年間ほど熟成される。生産量はだいたい年産2000ケース以下、良年だけリリースされる(近年では1996はリリースされませんでしたが、1998は造られたようです。) |
![]() ![]() Stag's Leap Wine Cellars Cask 23 スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ・カスク23 ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ('92 \18,000位)('95 \40,000位 1500ml) ![]() ![]() Stag's Leap Wine Cellars S.L.V. スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ S.L.V. ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ( ![]() |
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1976年に行われた米仏テイスティング対決の勝者として、あまりにも有名なスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ。ここについては2000年4月のお題目でまとめていますので、ご覧ください。 | ||
カスク23-1992 : 比較的熟成の早い、エッジに淡くこげ茶の入った赤紫色。うっすらと新樽からのバニラ、コンフィ的な甘さと柔らかい香りの奥に西洋杉と漬物香。派手さはないが、バランス良く今が飲み頃だと思う。 カスク23-1995 : CWFCワイン会にてブラインドで頂いたワインはなんとマグナムボトル。まだ若々しい色合いながらエッジにはピンクのグラデーション。弾けるようなレッド・ペッパーの香、こなれたタンニン。ゆったりと柔らかい果実味はメルローが多いのではないかと思わす豊かさを、細めの酸が姿勢を整える。食事とともに時間をかけて味わいたいワインだと思う。 | ||
S.L.V.-1973 : なんとSLVの73年。米仏テイスティング対決で勝ったワイン、つまりワシントンのスミソニアン博物館に永久保存されているもの。いいのか?こんなワインを飲んで! いや、飲んでよかった(笑)。本当にお世辞でもなんでもなく、美味しい、スゴイ。何故かメモには「一汐した平目の昆布〆のよう」とか書いている。つまり食物の旨味を最大限に引き出したような味わい。ワインの個性を云々というより、歴史を変えた一本は、本当に神がかっていたという実感。 S.L.V.-1976 : 外観を含め赤土を思わす全体像。赤胡椒、ドライフルーツのブーケ、レーズンのような甘味を残す。味わいはややフラットだけれども、高いアルコールにより若さが保たれ、76年という年月を感じさせない。やはりSLV、この時代にすごいワインを造っていたんだなと思う。 (スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ : Stag's Leap Wine Cellars)スタッグスリープ |
![]() ![]() Dunn Vineyards Cabernet Sauvignon Howell Mountain ダン・ヴィンヤーズ・カベルネ・ソーヴィニオン・ハウエル・マウンテン ハウエル・マウンテン 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン) ('88 -) ![]() ![]() Dunn Vineyards Cabernet Sauvignon Napa Valley ダン・ヴィンヤーズ・カベルネ・ソーヴィニオン・ナパ・ヴァレー ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン) ('83 -) | |
1970年代に、ケイマスの名ワインメーカーとして名を馳せたランディ・ダンが最上のカベルネを造るべく、ハウエル・マウンテンの標高約500mの高地に設立したワイナリー。1979がファースト・ヴィンテージ、1981年には自社畑からの「ハウエル・マウンテン」のアペラシオンを名乗るカベルネを発表、翌年に谷床平坦部の買付けブドウからの「ナパ・ヴァレー」をリリースし、現在もこの2タイプを造っている。どちらもカベルネ・ソーヴィニオン100%からなるワインは、強靭な骨格を持つマウンテン・カベルネの代表。 ハウエル・マウンテン88 : 未だ若さを感じる黒みがかった鮮やかな色彩。土、丁子やインク、メドックのような黒果実。瑞々しく引き締まった贅肉のなさ。カリフォルニアからイメージするふくよかさはなく、あくまで凛とした姿。他のナパとは一線を画すスタイルなので、難解にも感じてしまうかもしれませんが、個人的には好み。 ナパ・ヴァレー83 : これもほぼ20年も経ったワインとは思えないほど若々しい。サンテステフのワインにありそうなシダーや土。やはり硬さもあるけど、時間を置くと少し微笑むようなナパらしい甘さを出してくれる。ランディ・ダンは「他に迎合しない一徹さを持った頑固親爺」とあったが、ワインはまさにその通りだと思う。 (ダン・ヴィンヤーズ : Dunn Vineyards)ハウエル・マウンテン |
![]() ![]() ![]() Joseph Phelps Insignia ジョセフ・フェルプス・インシグニア ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ('95 \13,000位) ![]() ![]() Joseph Phelps Cabernet Sauvignon Eisele Vineyard ジョセフ・フェルプス・カベルネ・ソーヴィニオン・アイズリー・ヴィンヤード ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン) ('84 -)('86 -) ![]() ![]() Joseph Phelps Cabernet Sauvignon Backus Vineyard ジョセフ・フェルプス・カベルネ・ソーヴィニオン・バッカス・ヴィンヤード ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニオン) ('91 - 1500ml) |
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コロラドで建築業者として成功したジョセフ・フェルプスが、1973年、ナパのセント・ヘレナに創設したワイナリー。140haの自社畑を所有し、赤白ともに高品質のワインを造りあげる。このワイナリーの名声を決定づけたのが1974年ヴィンテージに造られた「インシグニア」で、これはカリフォルニアにおける第一号のボルドーブレンドの銘柄(プロプライアタリー・ワイン)とされています。そしてインシグニアと共にジョセフ・フェルプスの名声を高めたのが「アイズリー」と「バッカス」2本のシングル・ヴィンヤードからのカベルネ・ソーヴィニオン。 インシグニア : 約二年ぶりのインシグニア95。やはり美味しいです。純粋で透明感のあるブラックベリーは、やや柔らかさも出てきていますが、依然として凛とした骨格を持ち乱れがない。インシグニアを飲むと「あぁ、カリフォルニアの高いワインだぁ」と思います(笑)。 アイズリー・ヴィンヤード : カリストガの東側斜面にあり100年の歴史を持つカリフォルニアの名畑。昔はジンファンデルとリースリングが植えられていたが、1960年代にミルトン・アイズリーによってカベルネに改植された。1975年から1991年までジョセフ・フェルプスによって手掛けられたワインは、当時最上級の評価を受けていました。1992年以降、この畑を引き継いでいるのがアロウホ。 バッカス・ヴィンヤード : シルバラード・トレイルにある4haの畑は、1977年に以前の所有者であったバッカス夫妻から譲り受け、その名が冠されている。スペルは違うが「酒の神バッカス:Bacchus」と同じ発音であることからも非常に人気の高い銘柄。鉄分を多く含んだ火山性土壌。 86年のアイズリー、91年のバッカスとBVCワイン会にて供されたもの。ゆっくりとは頂けなかったのだか、カリフォルニア古酒の素晴らしさを物語る名品達。お持ち頂いた方々に感謝するばかり。 (ジョセフ・フェルプス・ヴィンヤード : Joseph Phelps Vineyard)セントヘレナ |
傑出したカベルネ・ソーヴィニオンの造り手として一世を風靡したハイツ。UCデイヴィス校出身のジョー・ハイツは、ボーリュー・ヴィンヤードの故アンドレ・チェリチェフの下で働いた後、1961年に自らのワイナリーを興しました。代表作である「マーサズ・ヴィンヤード」と「ベラ・オークス・ヴィンヤード」はそれぞれ畑の所有者の名前であり、マーサズの初ヴィンテージは1966、ベラ・オークスは1976。以降それぞれの畑からのブドウはすべてハイツに紳士協定(口約束だけで)売られているという風に、ブドウ畑のオーナーと密接な関係を保っている。1980年代には息子のデイヴィッドに世代交代。1989年からは自社畑の「トレイルサイド」もリリースしています。 |
1979年に古いベンソン・ワイナリーをジル・ニッケルが当時の金額で二億ドルを投じて修復したワイナリー。ナパでも名高い畑が集まるオークヴィルの西側、マヤカマス山脈の山裾にあるワイナリーで、カベルネとシャルドネ、2種のバラエタルワインのみを生産。ステリング、バロー・レーン、ジョンズ・クリークの自社畑は現在約68ha。ワイナリーの地続きであるステリング・ヴィンヤードは、ロバート・モンダヴィのベストな区画(リザーブ用)、マーサズ・ヴィンヤード(ハイツ)、UCディヴィス校の実験畑など、秀逸とされる畑と隣接している。ファー・ニエンテとはイタリア語の「何もしない」が語源で「何の憂いもなく」という意味だとか。 | |
1994 : カシスを中心に、セージ、丁子といったすっきりとした香り。すべすべした舌触り、タンニンも溶け込んでいて飲み頃のミディアム・ボディ。大きくはないが余韻の長さに品位を感じる。 1995 : ナパらしいふくよかさがあって、みずみずしくバランスがよい。1994よりも、若さがあり、線香のようなスモークやスパイス香が強く複雑。余韻はドライなタンニンを残す。 こう書けるし実際に「美味しい」ワインですが、両ヴィンテージとも価格を考えると熟成が早く、立体感、果実感にやや物足りなさを覚える。「このワイナリーは初期投資が大きかったので、価格設定が高いという噂がある」という文献もありますが、確かに現在のナパ・ワインのポテンシャルを考えると、もう少し廉価なもので代わりが見つけられそうな気がする。かねてから憧れのワイナリーだっただけに「何もしない」ではなく「憂いのない」ワインであって欲しい。 (ファー・ニエンテ : Far Niente)オークヴィル |
かつてボルドーのシャトー・ラフィット・ロートシルト、ナパのトレフェセン、ニュートンで研鑚を積んだルディー・ヴォン・ストラッサーが1990年に興したワイナリー。カリストガの西方、ダイヤモンド・マウンテン山麓の畑から出来るカベルネ・ソーヴィニヨンの力強いスタイルに、ボルドーの技術、複雑さをブレンドしたワインを造ることをモットーとしている。本年リリースされた1999は約1000ケース。カベルネ・ソーヴィニオン76%、メルロー21%、カベルネ・フラン2%の構成。フレンチオーク100%(新樽は50%)、18ヶ月の熟成。 |
ソノマの大手ワイナリー、ケンドール・ジャクソンを所有する一族であるジェス・ジャクソン氏がナパのペピを買い取り、ペピ、カーディナル、ロコヤのそれぞれのワインを生産しています。ロコヤという名前は白人がナパに入る前からビーダー山に住んでいたインディアンの部族の名前がロコヤという事。ナパ・バレー山岳地域の畑「Mt.Veeder」「Howell
Mountain」「Rutherford」「Diamond Mt.」をリリースし、いきなり各評論誌で高評価を受けています。ほぼ全てのキュヴェに100%新樽のフレンチオークが用いられ、22ヶ月熟成されます。 |
ダイヤモンド・クリークはロサンゼルスで薬品事業に成功したアル・ブラウシュタイン氏が1968年に興したワイナリー。ダイアモンド・マウンテンの斜面にある3区画を購入、その複雑な地形を持つ渓谷の影響を受けた畑の個性に着目。その名のとおり、ダイヤモンド・クリークという小川が敷地の中央を流れており、この川を挟んで北側の斜面「ヴォルカニック・ヒル:火山の丘」、南側の斜面「レッド・ロック・テラス:赤土の段々畑」、そして大きな池の近くに広がる一角「グラヴェリー・メドウ:小石の牧場」と名づけました。それらの畑からのワインは、最も早くから畑名を冠したワインとしても高い評価を受け、カルト・カベルネの先駆けとも言われる。ちなみにブラウシュタイン氏が植え付けたカベルネは、ボルドーからスーツケースにいれて持ち帰ったものだという噂も。 |
セントヘレナの東の小高い丘に位置する小さな家族経営のワイナリーで、ナパでも有名なブドウ栽培農家であり、ダラ・ヴァレ、シャペレなどの著名なワイナリーにもブドウを供給しているデヴィッド・アーサー。オーナーはデヴィットとロバート・ロング、ワインメーカーは、ボブ・エゲルホフ。最高峰のエレヴェーション1147は、カベルネ・ソーヴィニヨン100%、1147とはデヴィット・アーサー・ヴィンヤーズの標高を示しています。年産約200ケースと入手困難なワインの一つですが、ワイン・スペクテイター誌にて、1996年は95点、1997年は99点、1998年は91点と高評価を受けています。 |
セントヘレナの町を見下ろすハウエル・マウンテンの中腹、標高370mの高地にあるワイナリー。オーナーのアルゼンチン女性、デリア・ヴィアデルは、大学院で経営学を学ぶためカリフォルニアに移り住むが、やがて経営学よりもワインにとりつかれた。父親がナパ・ヴァレーのハウエル・マウンテンに所有していた土地を譲り受け、1987年にワイナリーを創立。そしてトニー・ソーターをコンサルタントに迎え、一躍注目を集める。年によって品種構成は若干変わるが、カベルネ・フランを多く使うセパージュは、彼女が大好きなシャトー・シュバル・ブランを目指しているからだとか。畑面積7.3ha 、主にフレンチ・オーク(新樽率75%)を用い、約21ヶ月間の熟成。 | |
1997 : 果実味の勝ったボリュームあるワイン。このワインとしては複雑さより豊かさのあるヴィンテージのような気がしますが、あくまで女性オーナーを思わす優雅なスタイルの良さ。軽く煮詰めたプラム、気品ある樽香。 1999 : ハーヴィーなブラック・カラント、茎、薫香、ブルーベリージャム。それでいて重さのない輝くような光沢のある果実。秀逸なボルドーにカリフォルニア・テイストをプラスしたようなワイン。このワインはもっと安かったので、値上がりを残念に思っていましたが、この99を飲んで、それもしょうがないと思った。 2000 : VINEXPO時に頂いたリリース前のボトルサンプル。少し還元状態で閉じた雰囲気は否めないものの、中に潜むミネラル、熟度あるフルーツ・フレーバー。これからどんなワインになるだろうか? (ヴィアデル・ヴィンヤーズ & ワイナリー : Viader Vinyards & Winery) |
フィリップ・トーニ氏は長いキャリアをもつワインメーカー。ボルドー大学で著名なエミール・ペイノー教授に地質学を学び、カルフォルニアに戻った後は、マヤカマス、シャローン、ガロ、シャペレなど多くの一流ワイナリーで経験を積んだという。1981年、スプリング・マウンテンの標高600mの土地にブドウを植え、1983年にワイナリーを築いた。この畑から収穫したブドウのみを使い、生産の一切を地所で行っている。ボルドーに倣ったワイン造り、90%新樽のフレンチオークにて樽熟は20ヵ月。ワインスペクテーターからは5つ星の評価を受けています。 |
マヤカマス山脈標高330mの畑で、完全有機栽培にて水牛やニワトリ、馬などを育て、ワインとオリーブ・オイルを生産しているロング・メドウ・ランチ。オーナーのテッド・ホール氏は、母親の影響から、元々農場だったこの地でオーガニック栽培による世界に通用する質のワイン造りを目指し、1990年にブドウ栽培を始めました。その苗木はラザフォードのベラ・オーク・ヴィンヤード(ハイツ)とアレキサンダー・ヴァレーのジョーダン・ヴィンヤードからのもの。初めてワインをリリースしたのは1996ヴィンテージですが、この1994はセラーの中に眠っていた彼らのファースト・ヴィンテージだということ。 |
オーナーのロバート・クレイグは、1970年代にウィリアム・ヒルのパートナトーして、そして80年代にはヘス・コレクションのジェネラル・マネージャーとして活躍した人物。この間、ナパのマウンテン・サイト(山岳地帯)に当たる「ハウエル・マウンテン」や「マウント・ヴィーダー」の可能性に着目、1992年に自分のワイナリーを3人の友人達と立ち上げました。ハウエル・マウンテンの「デニス・ジョーンズ・ホワイト・コテージ・ランチ・ヴンヤード」、マウント・ヴィーダーの「フィムレイ・ヴィンヤード」からカベルネ・ソーヴィニオン主体のワイン造りを開始。またナパの各AVAのブレンドである「アフィニティ」の評価も高い。 |
![]() ![]() ![]() Pahlmeyer Meritage Napa Valley パルメイヤー・メリテージ・ナパ・ヴァレー ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ('93 \10,000位)('99 \10,000位) ![]() ![]() Pahlmeyer Chardonnay Napa Valley パルメイヤー・シャルドネ・ナパ・ヴァレー ナパ・ヴァレー 白 (シャルドネ) ('94 \10,000位) |
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パルメイヤーといえば、以前お題目でお伝えした映画「ディスクロージャー」。デミ・ムーアがマイケル・ダグラスを誘惑する時に使用したワインとして一躍有名になりました。もともと法律家だった、ジェイソン・パルメイヤーが始めたワイナリーで、彼はボルドーのシャトー・ランシュ・バージュに行き「オーパス・ワンのようなワインを造りたい」と申し出て断られたという過去も持っているとか。初ヴィンテージは1986年、当初ランディ・ダンがワイン・メーカーとして働いていたが、1990年以降はヘレン・ターリーを迎え、ますます評価が上がっている。 メリテージ93 : パルメイヤーは8年の時を感じさせないほどの黒々とした色で、沸き立つようなインパクトのあるアロマ。ゆで小豆やタバコにロースト香。当初のインキーな部分は時間を置いたほうがバランス良く、強さの中に清廉さを持つワインに変身。高いアルコール感からの長い余韻。全くダレていないので、まだまだ置いてもいい。アルコール度数14.2%。 メリテージ99 : 若さを感じる紫がかった深いガーネット。エスプレッソ、ブルーベリージャム、針葉樹、御香っぽい東洋風の薫香とスパイス。若さゆえまだ内に向っているけれど、潜伏した十分に濃密なボディが花開くとどうなるだろう。クール&パワー、これは熟成させたい。 シャルドネ94 : 果実は練れているのに、酸のレベルがしっかりと保たれているため、94年とは思えないほど。柑橘オイル、ミネラルのキレイなアロマ。清廉な印象から余韻にふっと上がる甘味と苦味を持つ大人のカリシャル。 (パルメイヤー : Pahlmeyer)オークヴィル |
![]() ![]() Spottswoode Cabernet Sauvignon Napa Valley スポッツウッド・カベルネ・ソーヴィニオン・ナパ・ヴァレー ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン) ('98 \12,000位)('99 \12,000位) ![]() ![]() ![]() Spottswoode Cabernet Franc Premiere Napa Valley スポッツウッド・カベルネ・フラン・プレミア・ナパ・ヴァレー ナパ・ヴァレー 赤 (カベルネ・フラン) ('97 -) |
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禁酒法以前はスポッツ一族が所有していた畑を、1972年にノヴァック夫妻が買取り、設立されたワイナリー。16haのブドウ畑はセントヘレナの西の裾野にあり、主にカベルネ・ソーヴィニヨン、他にソーヴィニヨン・ブランも栽培されています。ワイナリー創立にあたり、ワインメーカーとしてトニー・ソーター氏を起用し、卓越したカベルネ・ソーヴィニヨンを造った彼は一躍有名に。ソーター氏は1991年までワインメーカーとして働き、以後ワイン・コンサルタントとしてワイン造りを見守っています。通常カベルネ・ソーヴィニヨンが95%、カベルネ・フラン5%のセパージュ、フレンチオークの新樽にて20ヶ月以上の熟成。 カベルネ98、フラン・プレミア97 : この2本を同時に頂けるという幸運。カベルネ・フランのプレミアは、オークション用のスペシャルキュヴェ。二つを飲んで、まず思ったのは、非常にスタイルが似ているということ。当然セパージュの差、ヴィンテージの差はあれど、明瞭な酸が豊満なボディを綺麗に仕上げているという感じ。この共通性はスポッツウッドの確かさを証明しているよう。 カベルネ・ソーヴィニオンは、これ単体で飲んだらすごく美味しいと思う。スミレ、黒スグリの香りが華やか。味わいでタンニン、余韻で酸が目立つと思ったのは、まろやかなフランと比べちゃったから。 やはり特筆すべきカベルネ・フラン。滑らかなビロードの舌触り、フランの良さを表現するふくよかな果実味。バニラ香も完全に溶け込み、煮詰めたブルーベリーのアロマの奥にやや針葉樹的なクールさ、余韻にスパイスのアクセント。カリフォルニアのフランもこれから注目です。 カベルネ99:まだ若いのは当然ですが、それでもナパらしい芳醇な黒果実系。このワイナリーは何故か重さがなく、素晴らしいバランス感を持っていると思う。エレガントな個性のスポッツウッド。 (スポッツウッド・ヴィンヤード & ワイナリー : Spottswoode Vinyard & Winery)セントヘレナ |
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