September 2002

ヴァーチャル・ブルゴーニュ・ツアー
ニュイ・サン・ジョルジュ特集

Nuits-St-Georges Les Damodes '90
Nuits-St-Georges Hauts Poirets '96
Nuits-St-Georges Les Damodes '95
Nuits-St-Georges Les Boudots '91
Nuits-St-Georges au Bas de Combe '97
Nuits-Saint-Georges La Richemone '96
Nuits-Meurgers '83
Nuits St. Georges Les St-Georges '85
Nuits St. Georges La Perriere '88
Nuits-Saint-Georges Les Pruliers '96
Nuits St. Georges Clos de Forets '89
Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau '98
Nuits St. Georges Les Corvees Pagets '90
Nuits-St-Georges Les Corvees Paget Cuvee Saint-Laurent '99
Nuits-Saint-Georges Clos des Corvees '95 '96 '97
Nuits-Saint-Georges 1er Cru '96 '98
Nuits-Saint-Georges Clos des Argillieres '99
Nuits-Saint-Georges Clos des Argillieres '96
Nuits-Saint-Georges '99


Nuits-St-Georges
Zone Vosnoise ヴォーヌ側地区


Nuits-St-Georges Les Damodes
ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ダモード
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('90 \15,000位)

Nuits-St-Georges Les Hauts Poirets
ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ゾー・ポワレ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('96 \7,900)
 前回のヴォーヌ・ロマネでエシェゾーを紹介したジャイエ・ジル。ここニュイ・サン・ジョルジュではこの二つのキュヴェを造っています。
 レ・ダモード90 : ヴォーヌ・ロマネとの村境に接するレ・ダモードは、ニュイ一級畑の中でも評価の高い畑。ジルが持つ区画はわずか0.1haで生産量は2樽(約600本)しかなく、その多くはパリの名レストラン、タイユヴァンのセラーに直行してしまう。エシェゾーと同等に扱われる一本。
 90年のエシェゾーと水平で試す事ができたダモード。この畑は標高が高いはずなので、ややエレガントなワインになるはずなのに、ジルは黒果実の強く深いワインになっています。エシェゾーに似ていますが、こちらの方がスパイスの香りが強く、量の多いタンニンを残す。やはり探す価値のあるワイン。
 オー・ポワレ96 : 90ヴィンテージから生産しているオー・ポワレ。(これはサン・ジョルジュ地区の畑ですが、一緒に紹介してます。)鮮やかな深みあるガーネット。カシス、ロースト、スミレといった若くて鋭いアロマ。村名格の畑ですが、クリアーな果実感は十分で、やや高めの酸が全体を引き締める。更なる熟成力を感じる一本。
(ドメーヌ・ロベール・ジャイエ・ジル : Domaine Robert Jayer-Gilles)

Nuits-St-Georges Les Damodes
ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ダモード
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('95 \4,000位)

 日本でもお馴染みのフェヴレィはニュイ・サン・ジョルジュを本拠とするドメーヌ兼ネゴシアン。1社としてはブルゴーニュ最大の115haに及ぶ自社畑を持ち、生産量の8割はその畑からというドメーヌ的な性格の強いメゾン。
 まだ熟成の進まない綺麗なルビー・レッド。やや還元的な赤い花の香りを中心とした上品で艶やかなワイン。清らかな味わいから、余韻にはタールに似た収斂性。酸味を中心としたクラシックなブルゴーニュ。
(ジョセフ・フェヴレイ : Joseph Faiveley)プルミエ・クリュ


Nuits-St-Georges Les Boudots
ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ブード
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('91 \8,000位)
Nuits-St-Georges au Bas de Combe
ニュイ・サン・ジョルジュ・オ・バ・ド・コンブ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('97 \4,700位)
 ヴォーヌ・ロマネを中心に、クロ・ド・ヴージョ等、計4.6haの畑を所有するジャン・タルディは、良質のぶどうだけをドメーヌ物として使用し、それ以外はネゴシアンであるルイ・ジャドとジョセフ・ドルーアンに売却する。発酵は長時間をかけ、セニエを実施、最上のワインには新樽にて16ヶ月間の熟成、清澄・濾過をしない。セレナ・サトクリフ女史も「手にいれるのが難しいかもしれないが、苦労して味わってみれば、それだけの価値があることがわかる」と評価するドメーヌ。
 レ・ブード91 : ヴォーヌ・ロマネの秀逸な一級畑マルコンソールに接するレ・ブード。ファースト・ノーズで熟成感が分かるトリュフ的なブーケ。その後に湧き出るイチゴの甘さは若ささえ感じる鮮やかさ。シルキーで近づきやすく、若々しさを保ったバランス感。これは美味しい。
 オ・バ・ド・コンブ97 : この区画はレ・ブードの斜面下になる村名格の畑。エッジはピンクの入る明るめのルビー色。チェリー&レッドベリーの可愛い赤果実と茎の植物的なアロマ。還元的で、酸を芯にする軽やかな果実。戻りが焼きプリンのようでちょっとニッコリ。
(ドメーヌ・ジャン・タルディ : Domaine Jean Tardy)プルミエ・クリュ


Nuits-Saint-Georges La Richemone
ニュイ・サン・ジョルジュ・ラ・リシュモーヌ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('96 \5,500位)

 フランス国内に熱烈なファンを持っていたヴォーヌ・ロマネのペルナン・ロサン。ルロワがリリースした85年のリシュモーヌは、ペルナン・ロサンのワインを瓶詰めしたものだったという。(最近アンリ・ペロ・ミノに買収され、2000ヴィンテージからペロ・ミノがリリースしている)
 抜栓後すぐに心地よさのあるジャミーなアロマを感じさせるワイン。時間を置くとカシス系の香りに変化。味わいの中間域がやや物足りなく、どことなく捉えどころのないワインであるものの、もう少し熟成することで良くなることを期待。全体としては熟成の端境期にあるようなイメージ。
(ペルナン・ロサン : A. Pernin-Rossin)プルミエ・クリュ


Nuits-Meurgers
ニュイ・ミュルジェ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('83 -)

 ご存知、神様アンリ・ジャイエの作。このワインは本来なら「Nuits-Saint-Georges Aux Murgers」と記されると思いますが、単に「Nuits-Meurgers」となっています。神様だからこういうタブーも許されるの?(笑)
 このヴィンテージにして、いきなりのフルーツコンフィの甘さ。木苺、土、バター。ミルキーな味わいは酸が溶け込む形で自然にでまとまり、どこかヴォーヌ・ロマネ的でもある。余韻にはブドウの皮を噛むようなタンニン。ブルゴーニュの風景を彷彿とさせる全体像は、正直に脱帽したくなる美味しさ。
(ドメーヌ・アンリ・ジャイエ : Domaine Henri Jayer)プルミエ・クリュ



Zone de Saint-Georgrs サン・ジョルジュ地区


Nuits St. Georges Les St-Georges
ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・サン・ジョルジュ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('85 \8,000位)

Nuits St. Georges La Perriere
ニュイ・サン・ジョルジュ・ラ・ペリエール
ニュイ・サン・ジョルジュ 白 (下記参照)
('88 \7,000位)

 ブルゴーニュの歴史において、いち早くドメーヌ元詰を行ったアンリ・グージュ。かつてはニュイ・サン・ジョルジュ最高のドメーヌと賞賛されていました。70年代以降、その評価を落としていましたが、近年ではピエール(栽培担当)とクリスチャン(醸造担当)により復活の兆しを見せているようです。(詳しくはこちらで)
 レ・サンジョルジュ85 : ニュイを代表する名畑、そして80年代最上のヴィンテージである85年。ただし、この時期は不調を伝えられるアンリ・グージュ。さてどうなのか?
 状態のよい色合い。甘酸っぱさのあるチェリー、ほのかなお茶っ葉とオレンジピールのブーケ。みずみずしく軽やかなワインで、格下のワインでも、状態さえよければ、これくらいの味わいはありそう。ただし、下味の野生感、余韻での厚みと時間経過後のコクの増し方は、名畑の力量なのだと思う。
 ラ・ペリエール88 : 故アンリ・グージュは、低収量型のクローンを作る名人でもあり、彼のクローンは後世に大きな貢献をしています。ペリエールの畑に植えられている白ブドウは、一般にはピノ・ブランとされていますが、実はピノ・ノワールの変種で「アンリ・グージュ・アルビーノ・ピノ・ノワール」と呼ばれています。1940年代の終り、グージュはピノ・ノワールの中に赤と白の両方のブドウを実らせるものを発見し、それを切り取り増やしていった。その苗木は関心のある栽培者に気前よく分け与えたので、現在ではダニエル・リオンやジャイエ・ジル、モーリス・エカールらもこのクローンから白ワインを生産しています。
 パーカー氏はこれを「目隠しして試飲したら軽い赤ワインに思うだろう」とコメントしていますが、まさにボリュームのある白。アタックには洋ナシのコンポートの甘さ。シャルドネ的な要素に、ムスク、芳醇なシャンパンの残り香のようなアロマ。個性のある香りですが、ボディは美しく清廉な酸が印象的。大変興味深い一本で、その背景を含め☆印。
(ドメーヌ・アンリ・グージュ : Domaine Henri Gouges)プルミエ・クリュ


Nuits-Saint-Georges Les Pruliers
ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・プリュリエ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('96 \5,700位)

 現在ニュイ・サン・ジョルジュで最上と目されるドメーヌ、ロベール・シュヴィヨン。レ・サン・ジョルジュ、ヴォークラン、カイユなど秀逸な一級畑を計13ha所有、新樽を1/3用い18ヶ月の熟成。パーカーは「一級もの同士の味の違いはあるが、これは平気で畑やヴィンテージの差を埋め去るたぐいの蔵癖(ハウススタイル)がないことによる」といい、マット・クレイマーも「作為にみちたワイン作りのあとが、全く見られない」と評する。ニュイ・サン・ジョルジュ名畑のテロワールを映し出す生産者。このプリュリエも非常に評価の高い畑。
 暗めのルビーレッドのワインは、最初?と思うほど押し黙った硬い印象。徐々にブラックベリーとミネラルの豊富なアロマ、イリコのようなアミノ酸的な香りも。タンニンと酸のレベルの高いくっきりとした味わいが余韻まで続く。
 パーカーは「(寝かせることで)私が与えた評点の幅(90-92+)の最高点を凌駕するのを目の当たりにしても、驚かないであろう」「濃密で、四角張った、筋肉質の、力強いこのワインはニュイの典型である」と言っていますが、なんとまあ、この村の典型とは我慢が必要なのだと思う。
(ドメーヌ・ロベール・シュヴィヨン : Domaine Robert Chevillon)プルミエ・クリュ



Premeaux-Prissey プレモー・プリセ地区


Nuits St. Georges Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ・サン・ジョルジュ・クロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('89 \10,000位)

Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
ブルゴーニュ 赤 (PN,Pb,PL)
('98 \2,800位)
 プレモーに居を構えるドメーヌ・ド・ラルロは、1987年、フランスの大手保険会社AXAがドメーヌ・ジュール・ベランを買取り、他に入手した畑と合わせて創設したドメーヌ。ワイン愛好家であったジャン・ピエール・ド・スメ氏は、デュジャックの指導を受けてワイン造りを始め、現在でもその手法に倣っている。高名なロマネ・サンヴィヴァンやスショも所有しますが、代表的なのがこのクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュとクロ・ド・ラルロという二つのモノポール。(クロ・ド・ラルロからは赤白造られている。)
 クロ・デ・フォレ : 1993年以降、クロ・デ・フォレを樹齢によって三つのキュヴェとしてリリースしており、低い樹齢のものを「ニュイ・サン・ジョルジュ」、樹齢15年までのものを「ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ」として格下げし、高樹齢のブドウのみを使い「クロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュ」を仕込んでいるということ。
 「上等なコート・シャロネーズみたい」という第一印象、いいですね、こういうスタイル。多分この辺りの年は、厳しい樹齢の選別はしていないと思いますが、赤果実のチャーミングさが嬉しい。酸が華やかで流麗なワインは、今飲むべき美味しさ。
 クロ・デュ・シャポー : このコート・ド・ニュイ・ヴィラージュは、上のクロ・デ・フォレ・サンジュルジュの若樹を使っているとの記述もあるのですが、おかしいなぁ(笑)。まぁ、いづれにしてもラルロの造るヴィラージュですから、プレモーにある畑からのワインでしょう。
 少しのバニラを伴うほんのり甘いイチゴやラズベリーの可憐なアロマ。海草の旨味を感じさせる、酸のアタックからすべすべした心地よい果実。長くはないけれど、旨いタンニンの終り。ラルロのワインも徐々に高くなっていますから、これはお買い得でしょう。
(ドメーヌ・ド・ラルロ : Domaine de l'Arlot)プルミエ・クリュ


Nuits St. Georges Les Corvees Pagets
ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・コルヴェ・パジェ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('90 \18,000位 1500ml)

 200年以上続くヴォーヌ・ロマネ村の名門ロベール・アルヌー。現当主のパスカル・ラショー氏は、先代ロベール・アルヌーの娘婿で元薬剤師。1985年、アルヌーからブドウ園で働くように頼まれ、結婚後に栽培と醸造の学位をとったという。そんな短いキャリアながら、低収量、100%の除梗、発酵温度の管理、新樽の増加、清澄と濾過をしないという誠実なワイン造りにより、ワイン界の注目を集めはじめています。 12haの所有畑のうち、クロ・ヴージョ(0.45ha)、エシェゾー(0.95ha)、ロマネ・サン・ヴィヴァン(0.35ha)というグラン・クリュを所有。このレ・コルヴェ・パジェはオー・コルヴェの小区画で、アルヌーは0.65haを持っています。
 嬉しいアルヌーのマグナムボトル90年。あぁ、ほんと美味しい。ややオレンジの入ったレンガ色をしているワインは、マーマレードのような甘さとキノコ系のフレンドリーな熟成香がしっとりと落ち着いた感触。タンニンの十分に溶け込んだ状態で、果実自体の甘味と細めの酸の相性がとても良い。若いワインにはない楽しみを教えてくれる一本。
(ドメーヌ・ロベール・アルヌー : Domaine Robert Arnoux)プルミエ・クリュ


Nuits-St-Georges Les Corvees Paget Cuvee Saint-Laurent
ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・コルヴェ・パジェ・キュヴェ・サン・ローラン
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('99 \4,000位)

 ボーヌのオスピスほど知名度はないものの、堅実なワイン造りで知られるオスピス・ド・ニュイのワイン。(詳しくはこちらで。) コルヴェ・パジェの区画ならなる「キュヴェ・サン・ローラン」は0.35haの畑から造られます。
 これは近年注目を集めるニコラ・ポテルが、ワインの育成・瓶詰めをしたもの。彼はかの有名なドメーヌ・ド・ラ・プス・ドールの醸造家ジェラール・ポテルの息子。16歳でワイン造りを学び始め、西オーストラリアに渡り7年間、モス・ウッド、ルーウィン、マウント・メアリーなどで修行。カリフォルニアにも数度赴き、新世界の風を受けてきた。1997年に父ジェラールが急遽、これを機に自らのネゴシアンを立ち上げ、今では100以上ものAOCワインを醸造する期待の星となっています。
 深みのあるルビー色をしたワインは、野イチゴや土といった、自然でしとやかなアロマ。まだ若いけれど、果実には柔らかささえ感じ、整然とした印象を与える。「あぁ、ブルゴーニュだ」という気にさせられる優等生。
(オスピス・ド・ニュイ / ドメーヌ・ニコラ・ポテル : Hospices de Nuits / Domaine Nicolas Potel)プルミエ・クリュ


Nuits-Saint-Georges Clos des Corvees
ニュイ・サン・ジョルジュ・クロ・デ・コルヴェ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('95,'96,'97 \10,000〜14,000位)

Nuits-Saint-Georges 1er Cru
ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('96 \6,500位)('98 \5,800位)
 ご存知DRCの共同経営者、プリュレ・ロックはここニュイ・サン・ジョルジュに醸造所を持ちます。オー・コルヴェの小区画であるクロ・デ・コルヴェ5haを単独所有。今年3月に東京で開催されたVINEXPOに来られていたロック氏を拝見すると、日本のサムイのような服を着てらっしゃいました。
 クロ・デ・コルヴェ : 95から97をVINEXPO時に試飲させて頂きました。共通するのはヴィオディナミを思わす酵母の香りとしっかりとしたミネラル。熟成の進んだ95と97に比べ、96だけは個性を異にしており長熟型、深さが違う。95はすでに枯葉的な熟成感、97もこなれていて親しみやすいヴィンテージ。
 プルミエ・クリュ96 : まさに今飲みごろになっていて、色だけ見ても茶が入る。枯葉、ほうじ茶、腐葉土という熟成香が心地よいベストの状態。味わいがやや細身にも感じる部分はしょうがないかもしれませんが、少し値段が安ければもっと嬉しい。本当かどうかは分かりませんが、飲んだ感じでは、クロ・デ・コルヴェを格下げしたワインではないでしょうか?
 プルミエ・クリュ98 : 酵母的な柔らかさとバラの花の麗しき感触。タンニン量の多い余韻を持ちますが、やはり全体のボリューム(特にミッドパレット)が一回り小さい感じがします。ちょっと贅沢になったかな?(苦笑)
(ドメーヌ・プリュレ・ロック : Domaine Prieure Roch)プルミエ・クリュ


Nuits-Saint-Georges Clos des Argillieres
ニュイ・サン・ジョルジュ・クロ・デ・アルジリエール
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('99 \7,000位)

 サン・ロマン村で1996年にワインを造りはじめたばかりの新しい造り手、ドメーヌ・ド・シャソルネイ。オーナー兼醸造家のフレデリック・コサール氏は、ロワールのバイオダイナミクで名高いニコラ・ジョリー氏の主催するサロンに参加し、数少ないバイオダイナミクを実践している醸造家の一人。奥さんのお母様が持っていた畑を借りて、良き先輩アンリ・フレデリック・ロック風に醸造方法を変えて造った、というのがこのクロ・デ・アルジエール。
 以前1997を頂いた事がありますが、やはりこちらは少し開けるのがもったいない印象。鮮やかな赤紫色。苺キャンディーとクールなハーブの香り。強いミネラル感を持つギュッと詰まった小粒の果実、余韻はやや収斂性のある渋み。1時間後にはミルキーで軽くグリルした肉の要素もありますが、熟成させたい若さ。
(ドメーヌ・ド・シャソルネイ : Domaine de Chassorney)プルミエ・クリュ

Nuits-Saint-Georges Clos des Argillieres
ニュイ・サン・ジョルジュ・クロ・デ・アルジリエール
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('96 \6,300位)

 ニュイ・サン・ジョルジュのドメーヌ、ダニエル・リオン。唯一のグラン・クリュであるクロ・ド・ヴージョを始め、ニュイ・サン・ジョルジュとヴォーヌ・ロマネに多くの畑を所有、その面積は18.22ha。1979年から父ダニエルのあとを継いだパトリスは、若手醸造家(今はもう40代だが)達のオピニオン・リーダー的な存在。彼の代表作の一つに挙げられるクロ・デ・アルジリエールは、0.72haの畑から。
 深く黒みがかった色合いから濃縮感が分かるが、残念なことに軽いブショネだったと思う。ややカビっぽい、不潔なアルコール臭と、上あごへのざらっとした味わい。少しすると、そのニュアンスも抜け、飲めないほどではない。濃密なカシス、ブルーベリーといった黒果実のワインは、正常なものを飲みたかった。
(ドメーヌ・ダニエル・リオン : Domaine Daniel Rion & Fils)プルミエ・クリュ



AC Nuits-Saint-Georges ACニュイ・サン・ジョルジュ


Nuits-Saint-Georges
ニュイ・サン・ジョルジュ
ニュイ・サン・ジョルジュ 赤 (PN,Pb,PL)
('99 \6,000位)

 ルイ・ジャドやフェヴレィと並び、ブルゴーニュを代表するネゴシアンであるルイ・ラトゥール。白が得意な生産者ですが、今回ジュヴレイ・シャンベルタン、モレ・サン・ドニ、このニュイ・サン・ジョルジュの村名ワインを頂き、白ほどでないけれど、赤も手堅いという印象を持ちました。
 赤果実中心のアロマは、イチゴ、アプリコットジャム、少し茎のような印象。ネゴシアンらしく濃厚さよりも規律正しい酸と果実のバランスを持つミディアム・ボディ。食事との良き友となりそうなワインです。
(ルイ・ラトゥール : Louis Latour)


今月のお題目2002年9月
ではニュイ・サン・ジョルジュ村について紹介しています。

今月のワイン 目次
今月のワイン 前回 今月のワイン 次回



class30 "The Wine"