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Vosne-Romanee |
初めてピノ・ノワールの美味しさを教えてくれたジャイエ・ジルは、個人的に最も思い入れの強い造り手。コート・ドールから一歩奥まったマニイ・レ・ヴィリエ村にあるドメーヌ。御大ロベール・ジャイエは、名匠アンリ・ジャイエの従兄弟であり、1948年にロマネ・コンティの醸造長であった故アンドレ・ノブレの弟子としてワイン造りを始めた。ロベール・ジャイエは近年引退したが、息子のジャイエ・ジルが同様の手法でドメーヌを守っている。パストゥグランを除くすべてのワインに新樽100%を用いることでも有名で、ここのトップ・キュヴェとされるのがエシェゾー。グラン・エシェゾーのすぐ斜面の上
"Echezeaux du Dessus" という最上の区画から産出される。 |
コンフュロン家はヴォーヌ・ロマネ村に7代続く古い家系のひとつ。このドメーヌで取り沙汰されるのが1990年前後のギイ・アッカというコンサルタントの低温浸漬法の信奉者だったということ。現在はアッカは退任しているので、どういうスタイルになっているのか?パーカーもドメーヌへの立ち入りを禁止されているようで、このドメーヌの評価はなかなか出てこない。 |
1988年に亡くなったジョルジュ・ミュニュレ博士はブルゴーニュを代表する醸造家と言われた人で、ワインはミュニュレ・ジブールの名でもリリースされる(ミュニュレ・ジブールはミュニュレ博士の母親が1930年代に購入したブドウ畑から成り、ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレは彼自身が購入した区画から成る)。1984年に肝臓ガンにかかっていることが分かって以来、ワイン造りの哲学を周りの人たちに伝えたという。現在は未亡人と二人の娘(クリスティーヌとマリー・アンドレ)によって運営され、エシェゾー、リュショット・シャンベルタン、クロ・ヴージョというグラン・クリュをはじめ8.8haを所有。20%以上の除梗せず、高めの温度での発酵は3週間を超える。新樽使用率はヴィンテージにより異なりますが87年は50%という事。 |
Echezeaux モンジャール家は1620年頃より8代にわたってヴォーヌ・ロマネでブドウ栽培を行ってきた由緒ある家系。1945年、ウジェーヌ・モンジャールと妻の旧姓ミュニュレから現在のドメーヌ名になりました。現在は彼らの息子にあたるジャンとジャンの息子ヴァンサン、その妻アンヌが中心となって運営。所有する畑は23アペラシオン、計25haにのぼり、ブドウを摘む「手」のエチケットで親しまれています。エシェゾーには3ha以上の畑を持ち、このAC最大の所有者。2日間の発酵前浸漬、10〜12日のアルコール発酵。グラン・クリュには新樽60%で約20ヶ月の熟成。 |
Echezeaux ヴォーヌ・ロマネ村の名門として知られるドメーヌ・ミッシェル・ノエラ。祖父がアンリ、父がミッシェル、現当主はアラン・ノエラ氏。特級畑はこのエシェゾーとクロ・ヴージョ、一級はスショを所有。もともとネゴシアンに大半のワインを売っていましたが、近年ドメーヌ元詰めを増やしているということ。 |
有名なグロ一族。アンヌ・フランソワーズは、ミッシェル・グロとベルナール・グロ(グロ・フレール・エ・スール)の妹。ポマール村のドメーヌ・パランに嫁いでいるが、ジャン・グロの引退にともないグロ家名声の基盤であったリシュブールの畑を引き継ぎ、グロ家の象徴を守り続けている。彼女の持つエシェゾーは斜面上部の
"Les Champs Traversins" という区画。 |
ブルゴーニュの造り手の中でもその名を馳せるグロ一族。その本家とも言うべきドメーヌ・ジャン・グロの跡を継ぐのが、ジャンの長男であるミッシェル・グロ。1995年にジャン・グロは引退、その一部の畑を相続し現在計18haの畑を持つ。「クロ・デ・レア」は曾御祖父のアルフォンスが1860年に取得して以来のモノポール、栽培面積は2.12ha。平均樹齢は15年、100%新樽にて約18ヶ月の熟成。卵白で清澄、基本的にフィルターは使わず瓶詰め。 |
ルモワスネは1877年創立のボーヌにある裕福なネゴシアンで、ブルゴーニュのあらゆるアペラシオンを揃える大手。ここはブドウではなく、ワインを買い付けるが、1986や1984のような年は購入せず、きっちりとしたワイン造り、そして長熟型のワインを生産する事でも有名。クロ・デ・レアは上記のグロの単独所有のはず。多分ジャン・グロが仕込んだワインを、ルモワスネが樽買したものだと思われます。 |
ブルゴーニュの神様、醸造家の中の醸造家と崇められる伝説の造り手アンリ・ジャイエ。厳格なブドウ畑の管理、発酵前の低温浸漬、長期間の発酵、新樽の採用、So2の否定と近年のブルゴーニュのワイン造りをリードしてきた人物。自身所有の地所は2.5haに満たず、ほとんどのワインは、現ドメーヌ・メオ・カミュゼの畑から分益耕作契約により造ってきた。その契約が切れるのを契機に1988年フルタイムの労働からは退き、以後、甥のエマニュエル・ルージェにドメーヌを任せるようになります。ルージェをサポートし、メオ・カミュゼの顧問として助言を与えていましたが、1994年ヴィンテージを最後に事実上の引退。アンリ・ジャイエの持つ畑はドメーヌ・エマニュエル・ルージェに引き継がれる事になります。アンリ・ジャイエのクロ・パラントゥーは、ワイン・ファン垂涎のアイテム。ジャイエ自身が第二次大戦後に開墾、植樹した畑だという。 |
![]() ![]() Vosne-Romanee Les Suchots ヴォーヌ・ロマネ・レ・スショ ヴォーヌ・ロマネ 赤 (PN,Pb,PL) ('97 \10,000位) ![]() ![]() Vosne-Romanee Les Hautes-Maizieres ヴォーヌ・ロマネ・レ・オート・メズィエ−ル ヴォーヌ・ロマネ 赤 (PN,Pb,PL) ('96 \10,000位) ![]() ![]() Vosne-Romanee Clos Goillotte ヴォーヌ・ロマネ・クロ・ゴワイヨット ヴォーヌ・ロマネ 赤 (PN,Pb,PL) ('89 -) | |
ご存知、現DRCの共同経営者、マダム・ビーズ・ルロワの甥にあたる、アンリ・フレデリック・ロックが1989年に創設したドメーヌ。醸造にはフィリップ・パカレを起用し、ワイン造りのすべての行程において「昔のままに」という造り方。シトー派時代の有機無農薬栽培法を復活、醸造法も房を丸ごと発酵槽に入れる伝統的手法、木樽での発酵、今でも発酵時の攪拌も人間が樽に入って足でかき混ぜる。澱引きは一切行わず、ビン詰めの際もSo2を一切加えない。 レ・スショ97 : ややくすみのあるルビー色。紅茶や湿った土の熟成香、酵母の香りがアコースティックで飾り気のない親しみやすさ。濃縮度はもの足りなさもあるものの、余韻での主張あるタンニンは一級畑スショの風格。全体のまとまり感にはロックの余裕を感じる一本。 オート・メズィエ−ル96:0.6ha。3回目の96メズィエール。未だにしっかりとした綺麗な酸による輪郭。タクアンのような熟成香はヴィオディナミ。以前に感じた今にも動き出しそうな動物的な感触が見られませんでしたが、やはりプルミエ・クリュ並みの存在感。 クロ・ゴワイヨット89:0.55ha。大変珍しいプリュレ・ロックのファースト・ヴィンテージは、今とエチケットが違う。やはり漬物的なニュアンスと甘くミルキーな熟成香。ブランデーっぽい酒質で、やや茎の青さが入るドライな味わい。比較的軽めの終り。全体的には今のスタイルと共通部分があると思います。 (ドメーヌ・プリュレ・ロック : Domaine Prieure Roch) プルミエ・クリュ |
フランス国内に熱烈なファンを持っていたというヴォーヌ・ロマネの造り手。89年までギイ・アッカの影響下にあったドメーヌで、計6.3haの畑は、高い樹齢、低く抑えられた収量、低温で一週間という発酵前浸漬。グラン・クリュのクロ・ド・ラ・ロッシュを始め、多くのプルミエ・クリュをコート・ド・ニュイに所有していたが、最近アンリ・ペロ・ミノに買収された(これらの畑のワインは2000ヴィンテージからペロ・ミノがリリースしている)。 |
この造り手は全く知らないんですが、ある友人が恵比寿のワインショップにて「一人限定一本」となっていたので購入したというもの。 |
1930年の設立のドメーヌ・カティアール・モリニエは、公務員だった祖父が分益耕作でワインを造り、ネゴシアンに売るかたわらDRCで働き、その後少しづつ畑を購入、1950年代後半にドメーヌ元詰を始めた。パーカーも「ドメーヌが小さいため、ここのワインは滅多に見かけないが、ヨーロッパ最高のワインリストにはちゃんと載っている」と1990年出版のブルゴーニュの中で語っています。 |
菓子職人からワイン業界への見事な転身を果たしたドミニク・ローラン。友人から「優れたブルゴーニュを探して」という頼みを引き受けた事から、ワインの道へと進み、何人もの優れた生産者との出会いにより、1989年にネゴシアンとしてニュイ・サン・ジョルジュに会社を設立。懇意にするブドウ栽培家達から最上のワインのみを購入する。「新樽200%」(熟成の際、新樽から新樽へ移しかえる)で知られるドミニク・ローランですが、もう一つの特徴は最後まで澱を取り除かないことで、樽を替える際にも澱をすべて一緒に移す。最終段階で澱引きを行い、清澄・濾過をせず瓶詰めされます。 |
1849年設立、近年創立150周年のキュヴェもリリースしているドュデ・ノダンは、サヴィニー・レ・ボーヌのドメーヌ兼ネゴシアン。ボーヌ・クロ・デ・ロワ、サヴィニーのオー・ゲット、ルドレスキュなど約5haの自社畑を持つ。冷涼なセラーには状態の良い古酒を多くストックしていることで有名。ブルゴーニュの古酒は難しいといわれる中、信頼感ある造り手。 |
あるワイン会で供された村名ヴォーヌ・ロマネの古酒。オージュというのは聞いた事がないのですが、黄色地にブルーの配色がかなり独特なエチケット。 |
フランスの代表的なワイン・ガイド「ギ・ド・アシェット」で5年連続で「もっとも衝撃的なワイン」賞を得ているドメーヌ・ギュイヨン。輸入元の方がブルゴーニュで地元の醸造家と話していると「時間を無駄にしたくなければ、ギュイヨンへ行け」と言われたとか。これからが注目されるドメーヌ。 |
このワインの造り手は「フランソワ・フュイエ」となっていますが、ブドウ栽培を一任されているのは若き醸造家ダヴィッド・デュバンで、メタイヤージュ(折半耕作)により造っているワイン。ドメーヌ・ダヴィッド・デュバンの本拠地はオート・コート・ド・ニュイのシュヴァンヌという村。以前は協同組合に売っていたものの、彼はブドウ畑を父から受け継ぎ、1991年にダヴィッドの代になってから、初めて数樽を元詰め。1995年には協同組合を完全に脱退して、全てドメーヌ元詰めする事を決意。同じオート・コート・ド・ニュイの有名な醸造家ジャイエ・ジルにワイン造りを教わり、これからが注目される。ジルと同じく高い比率で新樽を使うということです。 |
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