February 2002

ヴァーチャル・ブルゴーニュ・ツアー
マルサネ、フィクサン etc.

Marsannay Les Boivins '96
Marsannay '99
Fixin Clos Napoleon '97
Fixin Clos de la Perriere '97
Cote de Nuits-Villages '96 '99
Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Blanc '90
Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Clos Saint-Philibert '98


Marsannay


Marsannay Les Boivins
マルサネ・レ・ボアヴァン
マルサネ 赤 (PN,Pb,PL)
('96 \3,000位)

 ブルゴーニュ、コート・ドール最北のマルサネ。ベルナール・コアロはこの村にあるドメーヌ。1986年にベルナール氏により設立され、1991年からは息子のクリストフ氏が切り盛りしています。収穫は100%手摘み、まず大きな樽で発酵させてから、228Lの小樽で熟成させます。樹齢35〜40年のぶどうを1haの畑から厳選し新樽率20%に抑え樽香を控えめにしています。
 この他、ジュヴレイ・シャンベルタン村、フィクサン村、コート・ド・ニュイなどブルゴーニュにいくつかの畑を所有。ベルナール氏の時代にはあまりコンクールなど意識していませんでしたが積極的にワインを宣伝したかったクリストフ氏は、1993年のパリのコンクールに出展したところ、一気にジュヴレイ・シャンベルタンとこのマルサネが金賞を受賞しました。
 ボアヴァンという畑は、マルサネでも斜面の一番上部、良い区画のようです。赤から黒の果実の香りはカシスに似た凝縮感のあるもの。味わいは意外にもタニックで、しっかりした構造があるように思いました。時間をかけて飲みたいワイン。
(ベルナール・コアロ・ペール・エ・フィス : Bernard Coillot Pere & Fils)


Marsannay
マルサネ
マルサネ 赤 (PN,Pb,PL)
('99 \3,500位)

 伝説の造り手アンリ・ジャイエがコンサルタントを努めるドメーヌ、メオ・カミュゼ。この造り手に関しては、もう説明もいらない位に有名ですね。ド・ゴール将軍の技術顧問も歴任したジャン・メオの息子、ニコラが、クリスティアン・フォーロワと共に運営する。1983年に元詰めを始めたばかりですが、今なおジャイエの基本的な考え方を生かし、素晴らしいワインを造りあげる。
 このマルサネを見て「あら?メオ・カミュゼって、マルサネも持ってたの?」と思ったんですが、どうやら最近はネゴシアンとしてブドウを買い付けワインの生産も始めた様子。
 いや、これが美味しいワインで、ラズベリーの赤い果実、高いアルコール感と甘味ののった様は新世界ワインの雰囲気。現時点でバランスよく、タンニン分もほどほど、とてもチャーミングで美味しい。さすがメオ、ワインの選択眼も抜群。
(メオ・カミュゼ : Meo-Camuzet)


Fixin


Fixin Clos Napoleon
フィクサン・クロ・ナポレオン
フィクサン 赤 (PN,Pb,PL)
('97 \3,600位)

 1925〜1930年にかけて、フィクサン村出身のピエール・ゲラン氏が畑を購入し、創設したドメーヌ。今日小さな造り手が多いフィクサン村で代表的なドメーヌ。1959年に21歳でワイン造りに参加したピエールの息子、ステファンが現在の当主。ピエールの時代から長年にわたりこのドメーヌで働いてきたアンドレ・ラモン氏が1995年に引退してからは、ステファンとその妻によって運営されています。
 この畑は、丘の頂上近くにある「ノワゾ公園」に沿っていて、ほぼ真東を向き。平均樹齢約50年の老木からのブドウを20〜22ヶ月熟成させる。新樽は10%。
 鮮やかなルビーレッド。どこかほっとできるブルゴーニュらしいワイン。果実の旨味が伝わる中量級のボディに心地よいタンニンとエレガントな酸味。こういう食中酒がいい。食事が進むワインです。
(ドメーヌ・ピエール・ゲラン : Domaine Pierre Gelin)プルミエ・クリュ


Fixin Clos de la Perriere
フィクサン・クロ・ド・ラ・ペリエール
フィクサン 赤 (PN,Pb,PL)
('97 \2,800位)

 フィクサン村の名門ジョリエ家は、この地に5haの畑を所有(ピノ・ノワール4.5ha、シャルドネ0.5ha)。このクロ・ド・ラ・ペリエールは、同家が単独所有しているプルミエ・クリュで、上記のクロ・ナポレオンとは公園を挟んだ南隣に位置します。新樽を50%使用し、約18ヶ月熟成。ワイナート9号の「ブルゴーニュのバリューワイン・ブラインド・テイスティング」でベスト1にもなっていたワイン。
 綺麗なルビー色をしたワインは、ピノ・ノワールらしいチェリー香が鮮やかで、やや動物的な部分が垣間見れる熟成感。リンゴ(アクと苦味)、木樽の風味。キッチリとした輪郭があり、高めの酸味とタンニンが旨い。古典的なブルゴーニュの良さを伝える一本だと思います。
(ジョリエ・ペール・エ・フィス : Joliet Pere et Fils)プルミエ・クリュ


Cote de Nuits-Villages


Cote de Nuits-Villages
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ
ブルゴーニュ 赤 (PN,Pb,PL)
('96 \4,500位)('99 \4,200位)

 お気に入りのジャイエ・ジル。お題目でも書いたように、このコート・ド・ニュイ・ヴィラージュは、ブルゴーニュというワインに興味を持たせてくれた思い出深いワイン。
 96年 : 96をブラインドで頂きましたが、意外にもピノ・ノワールらしくなかった。赤から黒の果実はまったり感と複雑味もあり、甘草などのスパイス香がとれるのですが、酸味がイタリアっぽい感じ。しかし旨いワインには変わりはない。
 99年 : 深く鮮やかなルビー色。レッド・ベリーとやや乾いた木の香り。流れるような水々しい果実感が心地よい。すっと飲めるように思えながら、余韻の戻り香と浮かび上がるタンニンはさすが。ロースト香と収斂味は、少し先の飲み頃を思わすワイン。

 御大、ローベル・ジャイエ氏は引退し、1996年からはジャイエ・ジルがこのドメーヌを管理している。近年、ジャイエ・ジルのスタイルは少し変わったという人もいるけど・・・鮮やかになった変わりに、黒っぽさと土臭さがなくなったかな?しかし、これからもこのワインだけは飲んでいきたいと思います。
(ドメーヌ・ジャイエ・ジル : Domaine Jayer-Gilles)


Hautes Cotes de Nuits


Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Blanc
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ・ブラン
オート・コート・ド・ニュイ 白 (Ch,PB)
('90 \3,000位 375ml)

 こちらもジャイエ・ジルのワイン。ジャイエ・ジルは、ACオート・コート・ド・ニュイで白ワインも造っています。90年のオート・コート・ド・ニュイという珍しい白。レモンピールにややオイリーな香りが混ざり、未だ健全な高めの酸が印象的なワイン。意外と若々しい。ジャイエ・ジルって、実は白も美味しい。またボーヌで紹介しますが、1989のオート・コート・ド・ボーヌの白は絶品!
(ドメーヌ・ロベール・ジャイエ・ジル : Domaine Robert Jayer-Gilles)


Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Clos Saint-Philibert
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ・クロ・サン・フィリベール
オート・コート・ド・ニュイ 白 (Ch,PB) 
('98 \3,500位)

 これはメオ・カミュゼの造る唯一の白ワインです。フラジェ・エシェゾー村内にある標高380mの高台、3.5haの畑はメオ・カミュゼのモノ・ポール。土壌は岩が多く、1990〜92年に植えられた若樹から、約30hl/haの低収量で造られるということ。
 やはりニュイの白は個性的。リンゴに小石のミネラル、ナッツに軽い樽香。何故か玉葱のような香りや、ソースのような肥えたニュアンスもある。アタックは丸くボリューム溢れるボディで、最後はドライな酸が締めくくる白。いやー、美味しいです。
(ドメーヌ・メオ・カミュゼ : Domaine Meo-Camuzet)


今月のお題目2002年2月(2)
ではマルサネ、フィクサンについて説明しています。

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