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France-Cotes du Rhone |
![]() ![]() ![]() Chateauneuf-du-Pape "Chateau de Beaucastel" シャトーヌフ・デュ・パプ "シャトー・ド・ボーカステル" シャトーヌフ・デュ・パプ 赤 (グルナッシュ、ムルヴェードル、シラー他) ('82 \?)('96 \6,300位) ![]() ![]() Cotes-du-Rhone "Coudoulet de Beaucastel" コート・デュ・ローヌ "クードレ・ド・ボーカステル" コート・デュ・ローヌ 赤 (グルナッシュ、ムルヴェードル、シラー他) ('94 \2,800位) |
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ローヌ南部を代表する村名ワイン、シャトーヌフ・デュ・パプ。名前の意味は「法王の新しい城」。畑の表面は丸い石ころで覆われ、その石が昼間に熱をたくえわえて、夜間に放出するため果実味のあるしっかりしたワインが出来ます。 シャトー・ド・ボーカステルを所有するペラン家はシャトーヌフ・デュ・パプを代表する造り手。ジャン・ピエールとフランソワ兄弟が、それぞれ営業と醸造を担当。130haの畑のうち、100haがシャトーヌフ・デュ・パプACのエリアにあり、残りは高速道路の東側、コート・デュ・ローヌACの「クードレ・ド・ボーカステル」になります。下記のラヤスとは対照的にボーカステルではシャトーヌフ・デュ・パプで認定されているブドウ品種13種が植えられ、混醸によるワインの複雑性を主張しています。また30年以上に渡って無農薬を実践する有機栽培の先駆者で、硫黄の添加を抑えるために、収穫されたブドウを瞬時に加熱する「ショファージュ・ド・ヴァンダンジュ」という技法を用いることでも有名。大樽で8〜18ヶ月の熟成。 シャトー・ド・ボーカステル 96年 : ブラックチェリー、石灰、ハーブのアロマ。グリルした赤身肉のような感覚、アルコールの高さが食欲をそそるワインで、オリーブオイルを効かした料理が欲しくなる。今飲んでも美味しいですが、当然置いておきたいワインです。 82年 : この82年は、まさに飲み頃と言えるワインで、メモには単に「パーフェクト!」と記していました。柔らかさと旨さ、まるで素晴らしいブルゴーニュを飲んでいるような錯覚。ただただ美味しく、熟成したボーカステルの偉大さを知ったワイン。 | ||
クードレ・ド・ボーカステル タンニンと酸がソフトなので、飲みやすく感じるのですが、そのワインが持つニュアンスはさすが。タールや火薬のような香り。余計な味付けはなく、ブドウの素直な味わいなのに、どこか野性的。万人向けかどうか分かりませんが、個人的には大満足。若いヴィンテージを飲むなら、価格が高くなったシャトー・ド・ボーカステルよりこちらをチョイスするのも良いと思います。 (シャトー・ド・ボーカステル / ドメーヌ・ピエール・ペラン : Chateau de Beaucastel / Domaine Pierre Perrin) |
![]() ![]() Chateauneuf-du-Pape Reserve "Chateau Rayas" シャトーヌフ・デュ・パプ・レゼルヴ "シャトー・ラヤス" シャトーヌフ・デュ・パプ 赤 (グルナッシュ) ('84 \15,000位) ![]() ![]() ![]() Chateauneuf-du-Pape Reserve "Pignan" シャトーヌフ・デュ・パプ・レゼルヴ "ピニャン" シャトーヌフ・デュ・パプ 赤 (グルナッシュ) ('97 \5,500位) |
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シャトーヌフ・デュ・パプでは、13種のブドウ品種が認可されていますが、グルナッシュだけを使用して一つのスタイルを確立したのが、レイノー家。収量を15〜20hl/haと極限まで絞り濃厚なワインを造りあげます。そして通常畑は丸い石ころで覆われているこの地で、何故かラヤスの畑は石が無いとのこと(先代が取り除いたという話も)。名手ジャック・レイノー氏は1997年に他界し、現在は妹のフランソワーズと甥のエマニュエルが後を継ぎ、高品質を守っています。 シャトー・ラヤス : 雨の多かった1984年にジャック・レイノー氏は11月まで収穫を待ったということ。熟成したピノ・ノワールにも似た梅っぽさと甘味が入り混じった香りが親しみやすく、何故か植物の茎を折った時の香り。ミディアム・ボディでバランスの良く、時間を置くとバターの香りと共にコクが増したように思います。銘酒たる所以を感じるさすがの一本。 ピニャン : シャトー・ラヤスのセカンドとされるのがピニャン。これがセカンド?いやはや手放しで嬉しいワイン。ジャミーで旨味があり清涼感さえ感じるバランスの良さはピカイチ。何も言うことはありません。ジャック・レイノー氏亡き後も、これなら安心でしょうね。 (シャトー・ラヤス : Chateau Rayas) |
ワイン造りの名手かつ論客と言われるポール・アヴリルのクロ・デ・パプは、300年の歴史を持つ旧家。伝統的な長期間の浸漬、18ヶ月の樽熟成。生産量は11万本(うち白が1万本)と中堅どころですが非常に評価は高く、息子のヴァンサンが手助けをするようになり1995ヴィンテージにはパーカー氏が94点をつけ俄然人気をあつめたと言います。 |
4世代に渡りフィフォンティー家が所有しているというオー・ド・テレ・ブランシュ。シャトーヌフ・デュ・パプの古いヴィンテージはなかなかお目にかかれませんが、ここの古酒は比較的日本でも入手可能のようです。 |
ローヌ河右岸、タヴェルと並んでロゼワインの産地として知られるリラック。タヴェルはロゼだけの産地ですが、ここリラックでは赤、そして少量ながら白も造られています。 | |
90年という珍しいリラック。エッジにややオレンジがかかるものの、未だ若さを感じる色合い。野イチゴの甘味を含む香りと熟成香がそこはかとなく漂い、果実味の残ったボディは柔らかで、余韻の渋みにも旨さがあります。これはあと2年から3年おけば、大変面白いワインに変化するような気がしました。 (シャトー・ダケリア : Chateau d'Aqueria) |
シャトーヌフ・デュ・パプのやや北東に位置するジゴンダスは、昔はコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュでしたが、1971年ACジゴンダスに昇格。ロゼワインも許されていますが、ほとんどが強い陽射しによる豊潤でスパイシーな赤ワイン。 | |
さすがに落ち着いた味わいのワインは、石灰やタール、薬草とブラックベリーの香り。十分な密度があるのですが、どこか押し黙った風なのは、閉じた時期なのかな?ドライな余韻が、熱く感じる。これは開けた事が悔やまれるワインでした。 (ドメーヌ・サンタ・デュック : Domaine Santa Duc) |
こちらも世代交代により、高い評価を受けるようになったジゴンダスのシャトー・ド・サン・コスム。以前は一般の生産者と同じようにワインをネゴシアンに売っていましたが、90年代に入り息子のルイス・バリュエルの努力により、5ッ星の生産者にランクされ、特にプレスティージュのヴァルベル : Valbelle は「ジゴンダスのル・パン」とR.パーカー氏に評価されるほど。このレギュラー・キュヴェも1996年以降のヴィンテージにすべて90点以上を与えています。 | |
澱引きをほとんどせず、清澄、濾過もしない事は、細かな澱が混ざる外観から伺えます。この造り手は、二酸化硫黄(酸化防止剤)の添加を極力抑えるという事ですが、それは96年のワインを、現時点で飲み頃としているようです。優しいイーストの香りが特徴的で、ジューシーで柔らかな果実、それでいて酸も備わっており、素晴らしく均整のとれたワインとなっています。近年の中では比較的難しい年となった96年に、サン・コスムは10月中旬まで収穫を続けたという事。労作というにふさわしいワイン。 (シャトー・ド・サン・コスム : Chateau de Saint Cosme) |
このラスパイユ・アイも、10ha程度の畑から高い評価を受けるワインを産出。上記のサンタ・デュックやサン・コスムと同じくパーカー氏は5ッ星の生産者にランク。発酵及び熟成を木樽による伝統的な生産者とされていますが、日本ではなかなかお目にかかれない造り手。 |
![]() ![]() Gigondas "Les Pallieroudas" ジゴンダス "レ・パレルーダス" ジゴンダス 赤 (グルナッシュ80%、ムールヴェードル20%) ('98 \2,500位) ![]() ![]() Vacqueyras ヴァケラス ヴァケラス 赤 (グルナッシュ80%、シラー15%、クレレット&サンソー5%) ('99 \2,500位) | |
オレンジ色をしたラベルが印象的なジゴンダスのエドモンド・ビュルル。4代続く家系ながら、数年前、彼は屋根から落ちて脊髄をひどく損傷。その苦難を乗り越え、伝統的な手法により素晴らしいワインを産出すると評判。ジゴンダスの「レ・パレルーダス」は平均的樹齢70年のグルナッシュ、収穫量35hl/ha、手摘み、除梗はなし。また清澄、濾過もしません。そしてヴァケラスやACコート・デュ・ローヌ、ヴァン・ド・ターブルも生産しています。 | |
ジゴンダス : 98年のジゴンダスは、スミレのアロマ、ミディアムボディで、一瞬タンニンが少なく思うのですが、余韻にしっかりとした重み。バランスがとれ、どこか惹かれる魅力を持つワイン。 | |
ヴァケラス : 99年からヴァケラスのエチケットも、ジゴンダス同様目立つオレンジ色になりました。レンゲ、ドライフラワー、木屑の舞ったような乾いた香り。水々しくフレッシュ感溢れ、時間とともに八角の深いニュアンスも。ワイン単体より食事と一緒に楽しみたいエドモンド・ビュルル。中華とも合うと思います。 (エドモンド・ビュルル : Edmond Burle) |
ヴァケラスの地で5ッ星の生産者にランクされるのが、このドメーヌ・デ・ザムーリエ。25haの畑を持つザムーリエはどうやらシラー種を重んじているようで、以前に頂いた「Les
Haut Terrasses (Vin de Pay de Vaucluse)」はシラー100%で造られたものでした。ここのトップキュヴェである「Les
Genestes」(しかしこのヴァケラスよりヴァン・ド・ペイの Les Haut Terrasses
の方が高価)も半分近くをシラーが使われる珍しいセパージュ。 |
ジゴンダスの東、ヴァントゥー山麓からアプトに至る総面積6300haの広大な地域がコート・デュ・ヴァントゥー。ドメーヌ・ド・フォンドレシェの所有者であるセヴァスチャン・ヴァンサンティ氏は、1991年に葡萄畑を購入し、アンドレ・ブルネル氏の元で修行した後、ヴァントゥーでワイン造りを始めました。"キュヴェ・ナダル"は限定生産のキュヴェで、手摘みによるシラーを3週間、グルナッシュは4週間かけてそれぞれ別々につけ込むという丹念な造り。 | |
これは気さくで美味しいワイン。深々とした赤紫をし、黒砂糖、中華風のスパイス、スミレの花のアロマに、茎や木の香りが複雑性を与えているよう。低めの酸、甘味を感じる滑らかな味わいは、温かい気候、熟した果実そのもの。この価格は本当にお買い得。是非デイリーの一本に。 (ドメーヌ・ド・フォンドレシェ : Domaine de Fondreche) |
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