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France-Cotes du Rhone |
![]() ![]() Cote Rotie La Mouline コート・ロティ・ラ・ムーリンヌ コート・ロティ 赤 (シラー) ('81 \25,000位) ![]() ![]() Cote Rotie La Landonne コート・ロティ・ラ・ランドンヌ コート・ロティ 赤 (シラー) ('84 \15,000位) ![]() ![]() Cote Rotie La Turque コート・ロティ・ラ・トゥルク コート・ロティ 赤 (シラー) ('94 \20,000位) |
コート・ロティにある素晴らしき名畑「ラ・ムーリンヌ」「ラ・ランドンヌ」「ラ・トゥルク」。この畑からワインを造るのがギガル。創始者のエティエンヌ・ギガルがヴィダル・フルーリを離れ、自らのドメーヌを創設したのが1946年。わずか50年でその名を世界に轟かせることになったのは、これらのコート・ロティの存在なくしては語れないでしょう。「ラ・ムーリンヌ」は1966年が初ヴィンテージ、「ラ・ランドンヌ」は1978年、「ラ・トゥルク」は1985年から。いずれも100%新樽、42ヶ月の長期熟成。勝ち得ている評価はコート・ロティ随一。 |
ラ・ムーリンヌ : 石灰質の比率が多いコート・ブロンドにある1.5haの畑。樹齢は約60年で11%のヴィオニエが混植されています。幸いにも1981ヴィンテージを二度飲む事ができましたが、今からが本領を発揮する時期なのでしょう。黒果実に東洋風のスパイス、スミレの花やロースト香。酒躯の強さと樽のバニラも残しつつ、繊細かつ深みのあるワイン。澱の部分はまるで「セイロガン」のような複雑味。すでにバランスはとれているものの、やや閉じ気味の傾向も。まだ熟成を必要としているのかも? |
ラ・ランドンヌ : コート・ブリュンヌにある2haの畑、ヴィオニエは植えられていない。1984年という小さな年のワインながら、素晴らしく粘度のあるワインの脚に驚きます。黒胡椒、甘草、獣香といった深みのある香。幾層にも感じる落ち着きはらった密度のある果実。オフ・ヴィンテージにこれだけ堂々とした若ささえ持つワインを造るギガルの偉大さを感じた一本。 |
ラ・トゥルク : 粘度質の高いコート・ブリュンヌのたった1haの畑。1985年にわずか4000本のワインが造られて以来、この土地を代表するワインと称されます。1994年のワインは当然開けるのは早かったでしょうが、個人的には納得のいくもの。赤みがかった深いガーネットのワインは、第一アロマにその良さが表れていたと思います。ムッっと香る獣香やセージの香り。(この土地の伝統的な大樽ではなく)新樽にて長期熟成を施すことによる甘いバニラがワインと馴染む姿は、秀逸な新世界のワインが持つ個性にも通じるもの。今の時点ではふくよかさよりは、余韻の酸味が端正な輪郭を際立たせるコート・ロティの気品を感じる一本でした。 (E. ギガル : E. Guigal) |
ローヌ河の右岸、コート・ロティの南続きにあるコンドリューの地区。ここで評価の高い小規模生産者がドメーヌ・デュ・モンテイエ。アントワーヌ&モニック夫妻と息子のステファンが運営。ステファンは地元でのリーダー的な若き醸造家。雑誌ワイナートや田崎氏のワインライフで取り上げられ、日本でも知名度が高まったとは言え、ここのコンドリューは日本には少量しか入ってこないという事。 |
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見つける価値のあるワインかもしれません。ヴィオニエの良さを感じる華やかで張りのある香りは、洋ナシ、ミルクティー、カラメル。ヤクルトミルミルのような乳酸の香りが面白く、余韻は渋みを伴いしっかりドライ。ミッドパレットのふくらみがもう少しあれば申し分ないと思いますが、これはやや飲み頃が遅かったせいかもしれません。是非新しいヴィンテージを見つけたいですね。 (ドメーヌ・デュ・モンテイエ : Domaine du Monteillet) |
Chateau-Grillet ACコンドリューの中央辺りに、単独のアペラシオンを名乗るシャトー・グリエがあります。シャトー名、ワイン名、そしてAOC名を兼ねた「シャトー・グリエ」の名は広く知られており、ネイレ・ガシェ家の単独所有(モノポール)。1971年までは1.7ha、その後徐々に拡張され現在は3.5haとなっているものの、希少なワインである事には変わりがない。ローヌ河に面した真南を向いた畑、コンドリューが原産地統制される2年前、1938年にAOC指定を受けたという事からも、その秀逸さが分かります。 |
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シラー種のブドウを使った赤ワインの中で最も歴史があり、1934年に原産地呼称を認められたエルミタージュは、コート・ロティと並び、ローヌを代表するワイン。 | |
「ル・メアル」と「レ・ブレッサンド」の区画に植えられた平均樹齢40年を越えるシラーからなるラ・シャペルは、天然酵母による発酵、一ヶ月にも及ぶ浸漬を経て、この地区の伝統を守るようにブルゴーニュ地方の生産者から購入する二年間使用した古樽にて12ヶ月の熟成が施されます。 1983 : エッジにはレンガの入った熟成した色合い。プラムや腐葉土、アーシィで酸のアタックから佃煮の旨味があり、気品ある果実が口中を満たす満足感。伝統的なエルミタージュとされるラ・シェペルの個性に惚れる一本。 1984 : いきなりの愛らしいイチゴジャム。焦したカラメル、まるでミルフィーユのようなパイとクリームの香り。好ましい香りに対して、フラットな果実と酸味とのバランスがとれていないのが不思議。やや尖った感じの酸、時間を置いて感じた奥にある木の香。 (ポール・ジャブレ・エネ : Paul Jaboulet Aine) |
![]() ![]() ![]() Ermitage "L'Ermite" エルミタージュ "レルミット" エルミタージュ 赤 (シラー) ('96 \25,000位) ![]() ![]() Ermitage "de l'Oree" エルミタージュ "ド・ロレ" エルミタージュ 白 (マルサンヌ100%) ('94 \15,000位)('96 \15,000位) |
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1808年創立、タン・エルミタージュに本拠を置く信頼のおける造り手、シャプティエ。1988年以降、マイクとミシェル兄弟は、自社のワインを大改革。契約している栽培農家に、有機農法への移行を強め、自社畑においてはビオディナミを取り入れています。テロワールを重視し、その土地に合った唯一の品種を栽培するという「モノセパージュ思想」を打ち出し、伝統的な手法を残しながらも革新的。1989年からリリースされた金字塔的な名作「ル・パヴィオン : Le Pavillon」はトロンセ産の新樽を採用し、熟成期間を最長でも18ヶ月と短縮、今日の名声を確固たるものとしています。シャプティエの一連のフラッグシップが、これらのエルミタージュの赤白。シャプティエに一段と興味を覚えるようになった2本のワイン。 | ||
レルミット : 上記のポール・ジャブレが所有するチャペル周辺の小区画、樹齢100年以上と思われるシラーからなるワイン。収量はなんと9hl/ha。R.パーカー氏のWAは1996年のフランスの「ワイン・オブ・ザ・イヤー」候補とし99点を与え、WSも98点をつけています。 深々としたガーネットのワインは、イチゴジャム、ブラックベリー。樽のバニラはすでに完全に果実に溶け込んで、非常に豊かで滑るような舌触り。エレガントさとパワーを両立させた完璧なバランス。現代的なイメージは、シャプティエの技術と温故知新的な思想が垣間見れたように思います。 | ||
ド・ロレ : 平均樹齢60〜70年のマルサンヌ100%、収量は12hl/ha。良く熟したものを手摘みにて収穫。全体の50%を新樽で醗酵。残りは大樽で醗酵。瓶詰めされる前に頻繁な試飲を行い熟成期間、瓶詰め時期が検討される。 96年は、WAは99点、WSは94点の高評価。麦わらがかった深い黄金色のワインは、アプリコットとドライフラワー、薬っぽい複雑な香り。口当たりは丸く、低めの酸も相まって今でも美味しく感じますが、立体的で強烈なフルボディ。2時間後、ハニーやミネラル感が増し時間が必要な事を伝えているようでした。 94年は、その内向的なこと、酒質が3時間もの間全く変化しないのには驚きました。濃い麦藁色、アロマは96年と共通。抜栓直後の埃っぽくひんやりとした感じは時間につれ無くなりましたが、ドライな果実は打ち解けてくれない。飲み頃に悩むワインかもしれません。 (M. シャプティエ : M. Chapoutier) |
「ヴァン・ド・パイユ」とは、収穫後最低2ヶ月間麦藁(Paille)で乾燥させるか天井に吊るすかして、糖分を濃縮させて造ったワイン。もともと醸造法のルーツはエルミタージュにあり、ミシェル・シャプティエはこの伝統を再興しようと、1990年よりエルミタージュ・ブランの収穫の一部でこのワインを作り出しています。熟れた粒から順次収穫していき、麦藁を敷いた棚で最低2ヶ月乾燥。通常のエルミタージュ・ブラン1樽分で300kgのぶどうを用いますが、このワインを同量作るには3倍以上のブドウが必要。94年のアルコール度数は14.8%、残糖は105g/l。当然ながら高価かつ希少なワイン。 | |
こんなワインを飲めただけで幸せ、憧れのヴァン・ド・パイユ。クルミやレーズンの香りが複雑に混ざり合い、まるでベークトされ、ドライフルーツをいっぱいに乗せたフルーツケーキのよう。味わいは意外にも甘すぎずアフターにはドライな感じさえあります。個性的な至福のデザート。 (M. シャプティエ : M. Chapoutier) |
Hermitage Blanc この地区で偉大な造り手として崇められるのが、シャーヴ家。1481年から続くエルミタージュ生産家として6世紀にわたる歴史を持つ家系であり「ワインづくりは料理のようなもの」と言い切るゲラール・シャーヴの柔軟で意思のあるワイン造り、そして現在はカリフォルニア大学デービス校を卒業したジャン・ルイ・シャーヴが親子で運営しています。白のエルミタージュは一部をステンレスタンクで、一部を樫の小樽で発酵。赤同様、新樽は用いず、約18ヶ月の熟成。 |
共通するワイン哲学を持つ2人によって興されたタルデュ・ローラン。ミッシェル・タルデュー氏は、もともとワインの愛好家で、ワインについて大変造詣が深く、アヴィニョンの地方公務員として働きながら"Lourmarin"というワイン同好会を主宰し、地方のレストランのワインリスト作りをしていたと言います。やがて彼はプロヴァンス地方随一と評判の高いレストラン"La
Feniere"のワインリストを作るまでになりました。 |
オーナーのフロラン・ヴィアル氏は新進気鋭の南仏の生産者で、もともとギガルにワインを売っていました。自家瓶詰を始め、1993年に傑出した評価を受けて以来、注目を集めるコロンビエのクローズ・エルミタージュ。このキュヴェ・ガビーは樹齢の高いシラーを、新樽を含む大樽で12ヶ月間熟成。パーカー氏も「秀逸」と誉めそやす逸品。 |
![]() ![]() Saint-Joseph サン・ジョセフ サン・ジョセフ 赤 (シラー) ('98 \2,300) ![]() ![]() Crozes-Hermitage クローズ・エルミタージュ クローズ・エルミタージュ 白 (マルサンヌ) ('98 \2,100) |
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ジャン・ダールとフランソワ・リボのよって1984年に設立されたわずか6haの小さなドメーヌ。ビオディナミを実践しており、ローヌの伝統的な醸造を踏襲するように大きな木の桶による発酵、除梗は一切しない。人足での破砕、テロワールを表現することを重視するため、古樽での熟成。当然のようにワインは清澄もフィルターもかけず、So2も無添加というこだわりようです。黒地のエチケットに手書きの白文字が精悍な雰囲気の外観。 サン・ジョセフ : レネ・ジャン・ダールの父親が第二次世界大戦中に友人から譲り受けたというサン・ジョセフの畑は、樹齢45〜60年というシラーからなるもの。深みのある色合いで、ホワイトペッパーや東南アジアのスパイス系の香りが好ましい。赤いチェリーを感じさせ、時間を置くとこの若さでも、熟成したようなまったり感がありました。バランスのとれた美味しいワインです。 クローズ・エルミタージュ : クローズ・エルミタージュの白自体とても珍しいですね。樹齢45年のブドウから生まれるワインは、清澄も濾過もしないために白濁した色合い。とても飲みやすいワインで、丸みを帯びた柔らかい酒質。清廉な花の香りがあり、豊かな果実感が味わえるワイン。この価格はお買い得だと思います。 (レネ・ジャン・ダール & フランソワ・リボ : Rene-Jean Dard & Francois Ribo) |
Cornas Les Ruchets シラー種からなる赤ワインだけを産出するコルナス。コート・ロティ、エルミタージュに比べ控えめな存在のAOCですが、この地で一際光輝くのがジャン・リュック・コロンボ氏。マルセイユ生まれの彼は1983年から醸造コンサルタントとして100以上のワイン造りに携わり、1987年よりドメーヌとしてスタート、現在は5haを超える畑を持つ。コルナスの知名度を高めた立役者とされる彼が最初に購入した畑がこの「ルシェ」で、樹齢は70年〜100年とされています。 |
ローヌ北部で最も南に位置するサン・ペレイは白ワインだけが生産されるアペラシオン。ドメーヌ・ロマノーのオーナー、ベアトリス・スオー氏はティエリー・アルマンで基本的なワイン造り習得し、のち前出のダール・エ・リボで研修を積んだということ。彼はあのプリュレ・ロックの醸造責任者フィリップ・パカレ氏を起用し、ロックと同じくビオディナミを実践。あくまで自然な発酵にまかせ、SO2無添加、清澄も濾過もせず瓶詰め。ローヌで注目を集めています。 |
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