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Saint-Estephe |
モンローズの北隣、50haの畑はジロンド河に面した恵まれた立地。安定した品質のワインを産するブルジョワ級は、常に格付け同等の評価を受けています。1918年以降、グリュオ・ラローズやタルボのオーナーでもあるコーディア社の所有となっています。 |
Pauillac |
「メドック格付け筆頭」もうこの言葉は聞き飽きたでしょうか。1855年に定められた格付けは、格付けに見合わぬシャトーが多く存在する現在、すでに1世紀半を経て、未だ改定される事はありません。 | |
1980というバッド・ヴィンテージ、20年経った今、どんな変化があるのか?素晴らしく透明感のある色合いから状態の良さが分かります。揮発香の中にシダーや枯葉、フレッシュ・オレンジと秀逸なメドックを思わせる土の要素。確かに果実味は少なくとも、まるで「無」を感じさせるが如く、口中に流れ込むワインに、ラフィットの個性を感じ、余韻の気品あふれる細やかなタンニンが舌の上で広がる様は、オフ・ヴィンテージと言えどまさに格付けの筆頭。1980のワインが最良の変化を遂げた姿に感動。 21世紀、世界の秀逸なワインが次々とリリースされていくにつれ「点数評価」がもっと大きな意味を持つようになるかもしれません。でも、このワインの価値だけは「数字」で量らないで欲しいと思います。 (メドック格付け第1級 : Ch. Lafite-Rothschild) |
言わずとしれたメドックの第1級、絶大な人気と実力を誇るシャトー。カベルネ・ソーヴィニオンの比率が約8割を占め、女性的なラフィット、マルゴーに対し、男性的で力強いワインと形容される。ジロンド河を望む65haの畑。その中でもシャトーを取り囲む47ha「ランクロ」と呼ばれる区画のブドウがグラン・ヴァンの重要な部分となります。 |
メドック格付け第1級。宿命のメドック格付け論を越え、1973年例外的に第1級へ昇格。毎年、著名画家によりラベルが描かれる事でも有名。 |
第1級同等の評価を受ける第2級の最高峰。50%の新樽で20ヶ月の熟成を行う。オーナーのド・ランクザン夫人が、78年より後を継ぎ現在の評価を作り上げたと言われます。 |
Saint-Julien |
サン・ジュリアン村のメドック格付け第2級。やや内陸部にあるこのシャトーは、全体132haのうち82haにブドウ樹が植えられています。しっかりした体格と濃密なワインを造ることで有名。 |
サン・ジュリアンのベイシュヴィル村にある50haのシャトー。シャトー名は「美しい小石の畑」。その名の通り、小石混じりの土壌からオーナーである著名なボリー氏のもとで上品なワインを生み出します。 |
手堅く高品質なワインを生み出すことで知られるコーディア社所有の格付けシャトー。同じコーディア社所有のグリュオ・ラローズに隣接し、102haという広大な単一畑からワインが造られます。新樽は約40%。 |
Margaux |
このワインに詳しい説明はいらないほどのシャトー・マルゴー。ボルドーで最も名のしれた87haの畑。マルゴーの歴史は、1855年の格付け以来、様々な所有者に転売され、1900年代中期に有力なネゴシアンのジネステ社の所有になりました。その後1960年代後半には、ジネステ社が財政危機に陥りいいワインが造れない状態だったと言います。 |
マルゴー村の堅実なブルジョワ級、ラベゴルス。このワインは何度飲んでもその強さに驚きます。乾燥イチジク等、甘くて赤いフルーツを感じるのですが、その味わい自体は凝縮感があり、余韻に渋みを伴う、しっかりとしたもの。マルゴーのワインというイメージにはならないのですが、これはこれで良いブルジョワ級だと思います。一度試して下さい。 |
Haut-Medoc |
メドックのブルジョワ級ワインの中には、素晴らしい物がたくさんあります。中でも秀逸なワインとして挙げられるのが、このソシアンド・マレ。サンテステフの北、ジロンド河を望むサン・スーラン・ドゥ・カドゥルヌにある58haの畑。1haあたり8000本という密植度、80%〜100%の新樽、清澄も濾過もされません。 |
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「メドック格付け第1級」に例外としてグラーヴから選ばれたオー・ブリオン。その品質の高さは十分に認められながら、5大シャトーの中では比較的流通価格も低く、地味な存在。ただ「5大シャトーで好きなワインは?」と尋ねられれば、ラフィットと共にこのオー・ブリオンと答えるかも。 |
ぺサックの郊外、オー・ブリオンよりやや内陸に位置するパプ・クレマン。13世紀に遡る歴史あるシャトーで、その品質はグラーヴでもトップクラス。1970年代後半より調子を崩していたようですが、1985年以降の改革により名声を取り戻しています。評価の高い赤だけでなく、近年は白にも力を入れているという事。 |
![]() ![]() Ch. Smith Haut Lafitte シャトー・スミス・オー・ラフィット ペサック・レオニャン 赤 (CS50,M35,CF15) ('95 \6,000位) ![]() ![]() Les Hauts de Smith レ・ゾー・ド・スミス ペサック・レオニャン 赤 (CS,M,CF) ('95 \3,800位) |
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グラーヴの成功したよい例としても喩えられるほどのシャトー・スミス・オー・ラフィット。1991年、現在のオーナー、カティアール家に代り、数々の変革を決行。化学肥料と農薬を止め、畑には気象観測装置を設置。そしてボルドーでは珍しい自前の樽工場。約80%の新樽で15〜18ヶ月の熟成。パーカー氏は「メドック格付け2級相当の品質」と誉めそやす。 レ・ゾー・ド・スミス : ここのセカンドワインがレ・ゾー・ド・スミス。透明で光沢のある綺麗なルビー色のワインは、可愛さのあるスミレ、サワークリームの爽やかさ。若さがあって気持ちがよく、コスト・パフォーマンスの高い美味しいワイン。 スミス・オー・ラフィット : セカンドに比べると、色、味わいともにワンクラス上かな。こちらもサワークリームの要素があり、よりまろやかで目の詰まった質感。セージのようなハーブが混ざる複雑性もあり、調和のとれた素晴らしいワイン。1st、2nd、どちらも太鼓判、お買い得です。 (Ch. Smith Haut Lafitte) |
Domaine de Chevalier ドメーヌ・ド・シュヴァリエは、グラーヴ地区のレオニャン村南部、森に囲まれた場所にあります。赤と白のワインを産出するこのドメーヌは、その生産量が少なく、ワインの質も高いため、ワイン好きの間では大変人気のあるもの。特に白ワインは垂涎の的、赤もグラーヴを代表する一本。 |
Ch. Malartic-Lagraviere 土壌の良いレオニャンの高台にある21haの畑。赤、白ともにグラーブのクリュ・クラッセ。1980年代にはエミール・ペイノーをコンサルタントに迎え、品質が向上。さらに1990年〜1997年はシャンパーニュのローラン・ペリエの所有に。現在では、アレクサンドル・ボニーの手に渡り、赤ワインはあのミッシェル・ロランが、白はドゥニ・デュブルニューが手掛け、これからが期待されるシャトー。 |
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90年:偉大なる90年のワインは、焼けた石、西洋杉、石灰、ほんのりとバニラを感じるグラーヴというイメージ通りの香り。すでに角のとれた柔らかみのあるワイン。ボディはミディアムから薄く感じますが、余韻では細やかなタンニンを残します。味わいよりも香りが勝るワイン。 70年:エッジにはレンガが入っていますが、90年よりしっかり光沢と深みのある色あい。少し不潔っぽいアルコールからブラックベリーのアロマ。香りはバランスがとれていないかな?高めの酸とチェリー様の果実は、強さがありながら、明瞭感に欠けるか? ワインとしては問題なく美味しいのですが、グラーヴ格付け、1970年と1990年というグレート・ヴィンテージ、お値段を考慮すると物足りなさの残る2本でしょうか? |
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