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1970年代から80年代前半にかけて全世界を熱狂させたカリフォルニアを代表するロック・グループ、ドゥービー・ブラザーズ。そのマネージャーを務めていたブルース・コーンが1984年に始めたソノマのワイナリー。ヘレン・ターリーがワインメーカーだったこともあり、高い評価を受けています。1995年から造るこの「スペシャル・セレクション」はワイン・スペクテイターも連続して90点以上を与える話題のワインの一つ。年間約1000ケースという少量生産。 |
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まず思ったのはロッテの「雪見だいふく」(笑)。セックス・ワックス(サーフィンで使う甘い香りのワックス)のイメージも。十分に熟した果実に樽のバニラが見事に溶け込み、磨き込まれたタンニン、そこにからむハーブの清涼感。高いレベルのバランスを感じるワイン。ワイナリーのフラッグシップでさえ親しみやすさのあるワインは、ブルース・コーン氏の人を楽しませる人柄が出ているのでしょう。 ■「B.R.COHN FALL MUSIC FESTIVAL 2000」が開催され、ブルース・コーン氏に縁の深いミュージシャンが多数出演したようです。ドゥービー・ブラザーズのフォト・ギャラリーはこちら。トム・ジョンストンの元気な姿が見れます。 |
Silver Oak Cabernet Sauvignon Alexander Valley 1972年設立のワイナリー。以後、カベルネのスペシャリストとして知られ、常にトップクラスの評価を受けています。現在は2種類のカベルネを造っており、このアレキサンダー・ヴァレーはほとんど(95%)が自社畑のカベルネ、新樽約50%。そしてナパ・ヴァレーは買い付けブドウが80%に近く、新樽100%。とにもかくにも人気が高いワイナリー。 |
1973年創業、ソノマのワイナリー。各国の国賓歓迎レセプションなどの常連で、ワインのエチケットにぶどう畑の名前を表記する事をアメリカで最初に行なったワイナリーがシャトー・セント・ジーン。 |
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いきなり、ふくよかな果実香が嬉しいワイン。甘めの香りですが、意外にも味わいは赤から黒の果実を思わし、締まりのあるもの。やはりソノマの良さ? 抜栓直後も十分美味しいですが、やはり2時間後あたりが良い。1996のほうが濃いとの話も聞きますが、1995、素直に美味しいワインです。 (シャトー・セント・ジーン : Ch. St. Jean) |
E&J Galo Sonoma Stefani Vineyard Cabernet Sauvignon 世界最大級の規模を誇るワイナリー、ガロ・ソノマ。禁酒法が解けた直後の1933年、イタリア移民の息子であるアーネスト&ジュリオ・ガロは、わずかな資金からワイナリーを興し、いまでは年間7000万ケースと世界一のワイナリーへと発展。最高を追い求め研究を続ける姿勢は、これらの「シングル・ヴィンヤード・シリーズ」の成功により、ヴァラエタル・ワインの世界でも成功をおさめています。 |
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鮮やかなルビーレッドのワインは、1994というヴィンテージにして、ボトルに張り付く程のかなり多めの細やかな澱。若々しさのある色合い、明らかにカベルネの特徴をよく表すカシスのアロマ。ほんのりと甘味を感じるリキュール様の果実味、中盤から余韻への酸、野菜的で軽く収斂味のあるアフター。洗練されたジュースだと思うのですが、残念なことに、オーク(特にアメリカン)の要素がかなり強く感じます。もっと時間を置くと変わるかもしれませんが。 (アーネスト & ジュリオ・ガロ・ソノマ : Ernest & Julio Gallo Sonoma) |
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コロラドで建築業者として成功したジョセフ・フェルプスが、1973年、ナパのセント・ヘレナに創設したワイナリー。140haの自社畑を所有し、赤白ともに高品質のワインを造りあげる。ジョセフ・フェルプスは、設立当時からカベルネ、メルロー、シャルドネ、リースリング他、多数の品種を手がけていますが1974年にはカリフォルニアにしては珍しくシラーも生産(後の Vin du Mistral )。このワイナリーの名声を決定づけたのが同じ1974年ヴィンテージに造られた「インシグニア」。これはカリフォルニアにおける第一号のボルドーブレンドの銘柄(プロプライアタリー・ワイン)とされています。近年のヴィンテージの中で、94年はWA96点、95年はWA97点とR.パーカー氏も大いなる賛辞と共に高得点を与えています。 |
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94年:CS88%,M10%,CF2%。このワインに関してパーカー氏が「飲むと陽気な気持ちにさせられる」とコメントしていますが、どちらかというと95年の方があてはまると思いました。95年に比べ熟成が進んだ感のある94年は、すべてにおいてエレガントな表情。華やかなカシスやシダー、赤い花を連想させます。丁度、思春期を迎えた複雑な印象。 95年:CS90%,M7%,PV3%。黒に近い深々とした色からも凝縮度が感じられますが、若さがありふくよかで旨味のあるワインは、黒果実、ハーブ、薫香、スパイスが完全に交じり合い、緊張感のあるバランス。快活なイメージを持つカリフォルニア女優が、時折みせる「女の艶」のような魅力を感じるセクシーで印象的なワイン。 (ジョセフ・フェルプス・ヴィンヤード : Joseph Phelps Vineyard) |
![]() ![]() Beaulieu Vineyard Georges de Latour Private Reserve ボーリュー・ヴィンヤード・ジョルジュ・ド・ラトゥール・プライベート・リザーヴ ナパ 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ('82 \10,000位) ![]() ![]() Beaulieu Vineyard Cabernet Sauvignon ボーリュー・ヴィンヤード・カベルネ・ソーヴィニオン ナパ 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ('65 \?) | |
ボーリュー・ヴィンヤード。1900年にフランスのジョルジュ・ド・ラトゥールによって興された伝統的なワイナリー。ここを語る時に欠くことのできないのが、1938年から1973年までこのワイナリーで高品質なカリフォルニアワインの基礎を築き、品質、地位を向上させたアンドレ・チャレチェフの存在。カリフォルニアにおけるカベルネ・ソーヴィニオンの実力を世界に知らしめた立役者です。ここの最上級キュヴェが創立者の名を冠した「ジョルジュ・ド・ラトゥール・プライベート・リザーヴ」。 1969年にラトゥール一族からヒューブレインに売却され、やや評判を落としていたようですが、近年では「シグネット・コレクション : Signet Collection」という限定シリーズも発表し、高い評価と名声を取り戻しています。 82年のジョルジュ・ド・ラトゥールは、鮮やかなルビー色をし、綺麗な熟成を感じるワイン。甘いチェリー、草原、無花果風の香り。まさに今熟成の峠を迎えたワインは、果実の中に細やかなタンニンが生きていました。 そして生まれ年の65年。このワインは「今月のお題目」をご覧下さい。 (ボーリュー・ヴィンヤード : Beaulieu Vineyard) |
![]() ![]() ![]() Stag's Leap Wine Cellars S.L.V. スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ S.L.V. ナパ 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ('96 \12,000位) ![]() ![]() Stag's Leap Wine Cellars Napa Valley Cabernet Sauvignon スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ・ナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニオン ナパ 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ('97 \4,500位) | |
スタッグス・リープ、この素晴らしいワイナリーについては、以前「お題目」で紹介していますので、参照して下さい。(2000年4月のお題目"世界地図を塗り替えた「ワイン屋の息子」") | |
96 S.L.V.:またまた素晴らしいS.L.V.。いきなりドーンとくるバニラは、ローストをあまり利かせないフレンチオーク?十分な熟度、ふくらみと純粋さのあるワインで、口中での滑らかさ、心地よい酸とタンニンが余韻をしめる。とにかく美味しく、今までのスタッグスの中では、インパクトの強いワイン。 97 Napa Valley:S.L.V.と比べると、樽使い、凝縮度ともに、やはり弟分という事が分かりますが、その良さは人なつっこく柔らかなミディアムな果実。香りも十分に開いていました。 (スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ : Stag's Leap Wine Cellars) |
Grgich Hills Cabernet Sauvignon Napa Valley 上記スタッグスのウォーレン・ウィニアスキー氏と並んで、カリフォルニア創生期、偉大なる醸造家として語られるのが、マイク・グルギッチ氏。クロアチア出身の彼は、ボーリューの技術者、モンダヴィの主席醸造責任者、そしてシャトー・モンテリーナではワイン・メーカー兼ビニヤード・マネージャーとして活躍。そして1976年米仏テイスティング対決にてトップを勝ち取ったのが、マイク・グルギッチ氏が手掛けたシャトー・モンテリーナのシャルドネでした。現在、シャルドネ・フュメ・ブラン、ジンファンデル、そしてカベルネ・ソーヴィニオン等を生産、グルギッチ家と資産家ヒルズ家の共同経営。 |
オーパス・ワン、ルビコンと共に現在、カリフォルニアで最上級のプレミアム・ワイン。1982年に、ポムロールのクリスチャン・ムエックス氏(あのペトリュスのオーナー)が興したワイナリー。畑はナパ・ヴァレーのヨントヴィル、マヤカマス山に向かって緩やかな傾斜を描く約50haの「ナパヌック・ヴィンヤード」。「フランスの手法をカリフォルニアの葡萄で生かす」ことがポリシーだといいます。ラベルは従来、様々なアーティストによりムエックス氏が描かれていましたが、1991年からはミシェル・バルダン氏による同一のデザイン(写真下)となりました。 |
1964年にピーター・ニュートン率いるスターリング・インターナショナル・ペーパー・カンパニーが興したワイナリー。当初から多くのツーリストを招くワイナリー設計をしたという事で、大規模な敷地にはケーブルカーで谷をまたいで到着、ワイナリー見学が出来るという事。1977年、コカ・コーラがこのワイナリーを買収し規模を拡大、そして1983年にはシーグラムの手に渡った。近年では350haという広大な自社畑を所有し、高品質なワインつくりを目指しているという事。 |
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ここのフラッグシップであるリザーヴは「SVR」と書かれた特徴的なボトル。柔らかな赤い果実、品の良いオークの香りを持ったワインは、今飲み頃を思わせます。熟していてみずみずしいミディアム・ボディ、熱い石を感じるフィニッシュに組成のよさを感じました。 (スターリング・ヴィンヤーズ : Sterling Vineyards) |
![]() ![]() Whitehall Lane Cabernet Sauvignon Reserve ホワイトホール・レーン・カベルネ・ソーヴィニオン・リザーヴ ナパ 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ('96 \8,000位) ![]() ![]() Whitehall Lane Cabernet Sauvignon Napa Valley ホワイトホール・レーン・カベルネ・ソーヴィニオン・ナパ・ヴァレー ナパ 赤 (カベルネ・ソーヴィニヨン主体) ('97,'98 \4,500位) | |
1979年、ナパのラザフォードに設立。1993年、現在のトマス・レオナルディーニ(サンフランシスコのワインショップ"ナパ・ヴァレー・ワイナリー・エクスチェンジ"を経営)がオーナーとなり、1994年からグレイス・ファミリーの醸造家だったガリ・ギャルロンを起用。その評判の良さは近頃発表された2000年度"Wine
Spectator's Top 100"にて、97年のカベルネ・ソーヴィニオン・リザーヴが第三位(97点)となった事でも証明されています。 96年リザーヴ : レオナルディーニ及びモリソリ・ヴィンヤードからのカベルネ、フレンチとアメリカン・オークを使用、新樽比率は約65%。熟した甘いカシスやプラム、濃縮された果実味にオークが溶け込んだ丸みのあるワインは、今飲んでも美味しく焦点の定まった見事な調和。これは97ヴィンテージも是非試してみたいワインです。 97,98年カベルネ : スタンダードなカベルネも活々したバランス感にあふれ、スミレの花、チェリーのアロマ。リザーブに比べジューシーですが、こちらの方が酸とタンニンを顕著に感じます。少し置くと良さが増すでしょう。 (ホワイトホール・レーン・ワイナリー : Whitehall Lane Winery) |
Mayacamas Cabernet Sauvignon 1889年創立のカリフォルニアの中では歴史の古いワイナリーは、1968年に元株式ブローカーだったロバート・トラヴァースが買収、その評価を高めます。ナパヴァレーとその西側のソノマヴァレーを分ける標高700メートルの休火山の火口に位置し、最良の条件を満たす20haの自社畑から年間5000ケースを産出。「できる限り自然に」というポリシーで古典的な醸造方法を施すということ。 |
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1962年、建築家のピエール・ラフォンによって、禁酒法以降サンタ・バーバラ郡で初めて設立されたワイナリー。25haの自社畑をサンタ・イネズ・ヴァレーに所有し、サンタ・マリア・ヴァレーから購入するブドウも含め、現在では年間2万6000ケースを産出。「Late
Harvest Zinfandel Essence」も話題になりました。 |
カリフォルニアのワイナリーに関しての詳しい情報は、飯山ユリさんの「カリフォルニアワインasナンバーワン」「ナパ・ワイン 新世界ワインの王者」を是非ご覧下さい。ナパ、ソノマの現地取材に基づく情報がいっぱいです。 |
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