大土山

 大土山(大槌山)は、旧双三郡三和町の西北端に位置し、中国山地の中位面(300〜500m)に突出する標高801mの主として流紋岩類の山である。

1.大土山のでき方
 西日本の中国、四国、九州地方が、南方向から、フィリピンプレートの動きの横圧により、東西方向に長い期間
に断層隆起侵食の繰り返しによって出来た中位面の残丘であり、中位準平原の旧基盤面の名残を示すものであろう。

2.大土山と川の流れ
 この大土山を源流(湧き上り)とする成広谷川・今出川は、板木川となって、大力川、上板木川を合わせて東北に
 流れ、可愛川・江の川に合流し、中国山地を横切って日本海に流れる。
 南西流は三條川を経て太田川に合流し、瀬戸内海に流れます。
 従って、大土山は、日本海へと太平洋への雨水の分水嶺となっている。

3.大土山からの見晴らしと地質時代
 山頂には潛岩、念仏岩等の巨岩や、四方の山麓に広がる岩海は流紋岩である。
 これ等火成岩類の特性である方状節理によって割れた四角ばった石も、長年の風雨による侵食を受け続けた形に
 丸みがあり、日本一の庭石と言われている。
 この、潛岩のような流紋岩は。9000万年前(白亜紀)頃から激しい火山活動を伴って噴出して出来た岩石で、この岩
 の上部にはロー石が多い。
  南に向かい、天神嶽も同じ流紋岩である。津田明神山、黒川明神山などの○○明神、○○小富士と言う玄武岩鐘 の山は2000万年前に噴火した火山鐘である。
  これらの山は、6000万年前の花崗斑岩や、9000万年前の流紋岩の基盤を破って噴出してきた岩石で出来ていま   す。 大土山の低い谷間には、黒ボクと言って大山等の火山灰やキビ土という三瓶山の噴出物が残っているところが見つかります。

4.大土山と昔からのお話
  イ.潛岩(こぐりいわ)(双三郡誌)
  ロ.大土山と厳島神社の一の木姫
  ハ.大土山は天孫の元 高天原(タカマガハラ)