ファーウェイ警戒 余波

 中国の通信大手、ファーウェイ幹部が逮捕された事件は、米中の対立を再燃させ、関係各国もファーウェイの製品を受け入れるかどうかの判断を迫られている。

 中国は態度を硬化させており、首脳会談で緩むかとみられた米中間の緊張はむしろ新たな水域に入る兆しも出ている。

 

 日本政府はサイバーセキュリティー対策推進会議を首相官邸で開き、情報通信機器の調達の際、サイバー攻撃など安全保障上のリスクを低減させる運用を申し合わせた。安倍晋三首相は記者会見で「特定の企業や機器を排除する目的ではない」としたが、ファーウェイや中興通訊(ZTE)の製品を政府調達から排除する狙いがあるとみられる。

 こうした日本の動きが伝わると、在日本中国大使館は「特定の国や企業に対する差別行為の疑いがある。強く反対する」との談話を出した。

 米国がファーウェイへの警戒を強める中で、対応を講じたのは日本だけではない。とりわけ米国と諜報機関の情報を提供しあう「ファイブ・アイズ」と呼ばれる同盟国の動きが目立つ。オーストラリア政府は次世代通信規格「5G」通信網にファーウェイの参入を認めない方針を決定。ニュージーランド政府もファーウェイ参入は「リスクがある」との見解を示した。完全に排除しないものの使途などに制限をかける国もある。英国の通信大手BTグループは5G基幹ネットワークにファーウェイを使わない方針を表明。カナダ安全情報局も名指しは避けつつ「スパイ行為のリスクは高まっている」と警告した。

 こうした流れと一線を画すのがドイツだ。内務省スポークスマンは会見で「特定の企業や製品を締め出すことは考えていない」と明言。日本などが対応に動いているとの指摘が出ると、経済省スポークスマンは「安全対策は通信法で定められ、政府によって検証もされている」と、あらためてファーウェイの参入を認める方針を鮮明にした。