神石郡や上下町の離脱にもめげず、県下のトップを切って ゴミ固形燃料化施設の建設に         つき進む府中市 七月三一日の臨時会で建設費予算の議決を予定  七月一〇日に市議会全員協議会が開催され、ゴミ固形燃料化(RDF)施設整備計 画について説明がありました。神石郡や上下町が府中市での広域処理から離脱す るという事態にもめげず、二〇〇二年のダイオキシン処理基準達成までの時間が ないとばかりに、がむしゃらに突き進んでいます。七月三一日に臨時市議会を開 き、ゴミ固形燃料化施設建設の予算を上程、議決されれば八月三〇日に入札を行 い、九月議会には、落札業者との契約の議案を上程する予定を組んでいます。 府中単独でゴミ処理量は二五%減るのに施設費は三%しか減らない  ゴミ燃料化施設は、上下町や神石郡との広域処理の場合は、日量八〇トン・年 間ゴミ処理量一九、七二五トンでしたが、府中市単独となったために、日量六〇 トン(三〇トンの二系列)・年間ゴミ処理量一四、四四七トンと下方修正しまし た。処理量が二五%減ったにもかかわらず、施設の建設事業費の見積額はほとん ど下がらず五〇億一〇〇〇万円が四八億四七五八万六千円と、わずか三・二%し か下がりません。もっとも、競争入札によりかなり下がるから、予算の計上も四 〇億円程度だと市当局は説明していますが、そうであるならなおのこと、実際の 建設費用はいくらが妥当なのか疑問が残ります。  維持管理費は、今のゴミ焼却に比較にならないほどかかります。ゴミを乾燥さ せるための燃料として灯油を使います。ゴミを固めるために消石灰を混入しま す。これまでの焼却炉と違って、乾燥固形のための連続自動運転をする工場プラ ントですのでそれを稼働する電力も大幅にかかります。これら費用がゴミ一トン あたり七千円として年間六八八八万七千円、人件費は職員七人で四九〇〇万円、 工場プラントの補修費が建設費の一%として四七九九万一千円。RDFを福山まで 運搬する経費が年間三二五〇万円。ゴミ発電工場でRDFを燃やしてもらう費用が RDFトンあたり一万二千円かかり、年間五四三二万二千円。しめて、二億五二七 〇万円毎年かかります。 維持管理費は年二億五千万円、現在の三倍かかる  現在のゴミ焼却場の経費ですが、正職員五人に臨時職員一人、その人件費に維 持管理費を加えても九〇〇〇万円程度です。維持管理費だけでも三倍近くにふく れあがります。この維持管理費は、施設がスムーズに稼働しての見積であり、ゴ ミの質によって火災が発生したり、棒状に固まらなかったり、また、金属類が混 入して破砕機の羽が折れたりで、スムーズな運転はなかなか困難なようです。さ らに、ゴミ発電工場への搬入量も一万二千円で済むのかどうか、問題です。  そのゴミ発電工場である「福山リサイクル発電株式会社」ですが、すでに五月 二四日に設立されました。広島県・福山市・電源開発(株)・(財)広島県環境保全 公社で、この会社は立ち上げています。社長は、電源開発の部長、広島県の部 長・福山市の部長・環境保全公社の常務理事が取締役となり、現場の所長は電源 開発より派遣されます。来年、府中市も二六〇〇万円出資します。その他、この ゴミ発電にRDFを持ち込むので、この会社に出資を予定しているのは、大竹市・ 廿日市市・甲世衛生組合(御調町・久井町・甲山町・世羅町・世羅西町)・油木 町・神石町・豊松村・三和町・上下町・内海町・沼隈町・東城町となっていま す。出資比率も、ゴミの排出量に比例します。参加市町村に出資させることによ り、今後一五年間RDFを契約に基づいて搬入することを義務づけさせます。 ゴミ発電、採算にのらないといっていたのに、日本鋼管に仕事をさせるために、 一六〇億円の施設を建設する  ゴミ発電プラントの総事業費は、一六二億円、内訳は国の補助金が六一億円、 自己資金は一六億円、長期借入金が八五億円です。この八五億円の借金は、発電 した電気を中国電力に売った収入とRDF引取料の収入から経費を差し引いた利益 から返していくことになります。この方式は全国で検討されていますが、採算に のらないと試算されています。広島県でも、これまで検討して無理だろうという のが結論でした。ところが、その採算は別にして、一六〇億円もの巨額なプラン トを地元の日本鋼管に建設させることに意義がある。不採算の造船部門から撤退 した日本鋼管に仕事をさせるという政治力が働いて、一気に、全国で計画されて いるゴミ発電プラントの中でもっとも大きな日量三九〇トンのプラントとして計 画されました。規模が大きければ大きいほど、ゴミ質の均質化が問題となり、処 理が難しいといわれています。また、借金を返済していかなくてはなりません。 利益は、売電とRDF引取料です。売電単価はすでに決まっているから、上げると すればRDF引取料だと、県は説明しています。 問題だらけのゴミ発電とRDF、府中市の規模にあった焼却方式の方が、環境にも 採算にも合っている  いずれにしても問題だらけのゴミ固形燃料化とゴミ発電です。これまでの焼却 炉の大改修でやれば二六億円で充分でした。いま計画しているRDFのプラントと 比べても半分の建設費で済みます。RDFは、燃やさず乾燥させるだけでダイオキ シンが発生しないといいますが、詳しいことはわかりません。焼却施設でないの でダイオキシンの測定が必要ないからです。環境ホルモンの発生がいわれていま す。まだまだ、完成された方式ではありません。時間がないからと拙速にRDF・ ゴミ固形燃料化を急ぐのでなく、広域処理の足かせがなくなった今、府中市のゴ ミ処理はどうすればいいかを考えて、分別・減量化を徹底し、必要最小限の焼却 炉で処理するというのが、環境にやさしく経費も最小限になる道ではないでしょ うか。