〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜■ 老後の暮らし ■〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ■生きがいづくり支援を  板野郡内の特別養護老人ホーム。「ケアマネジャー(介護支援専門員)一人が担当できる人数は三十人が限度だ」 「在宅サービス利用者は光熱費が保険の適用外。施設でサービスを受ける人と比べ不公平ではないか」。施設長の元 には、職員や利用者から介護保険制度に対する疑問や不満が続々と寄せられる。  介護を必要としているお年寄りを社会全体で支えようと、同制度がスタートして一年半。昨年の県のアンケートでは 、要介護認定の結果に対し「満足」「納得の範囲」と答えた人が合わせて九割近くに上り、県長寿社会課は「おおむね 順調に運用されている」との見方を示す。しかし、この施設長は制度は定着しつつあるが、課題は多い」との意見だ。  「行政に言うべきことは言って、運用しながらいい制度につくり変えていかなければ」と言う。だが「保険料徴収へ の不満は相当根強い」と感じている。  徳島市内の女性(65)も不満を持つ一人。「介護が必要にならないように日ごろから健康に気を付けているのに、 保険料はうむも言わさず年金から天引きされる。社会全体で支えると言われても…」  十月からは六十五歳以上の保険料が満額徴収される。各市町村の保険料徴収案内が対象者に届き始めた七月ごろから、 各自治体の窓口には多くの苦情や問い合わせが寄せられている。  介護保険スタートに合わせ県は昨春、新たな高齢者福祉保健計画「とくしま長寿社会プラン2000」を策定した。計画 には介護保険に関する施策を中心に「元気なお年寄りの生きがいづくり」支援も盛り込まれた。  県内では生きがいづくりを目的に活動するお年寄りが増えている。今年五月に県からNPO(民間非営利団体)の認定 を受けて発足した「シニアパワーネットワークとくしま」もその一つ。社会の一線を退いた人たちが経験や知識を生かし ながら、街に花を植えたり、お年寄りの話し相手になるなど、さまざまな取り組みをしており「介護が必要にならないよ う、行政は健康づくり、生きがいづくりに力を入れるべきだ」という。  徳島市佐古地区の名所・旧跡を資料にまとめて後世に残そうという市民グループの代表、大滝正理さん(69)=徳島文理 大学教授=は「行政も一緒になって高齢者の活動を支えてほしい」と注文する。 【写真】パソコン教室で講習を受けるお年寄り。高齢化が進む中、生きがいづくりや介護への一層の支援策が求められて いる=徳島市内http://www.topics.or.jp/gazou/senkyo/chiji01/kadai/p4.jpg  インターネットをはじめ情報技術(IT)社会が進展する中で、情報格差(デジタルディバイド)に危機感を募らせる 高齢者もいる。「これからはパソコンが使えなくては暮らしていけない」。県消費者団体連合会副会長の櫻井嘉壽子さん (75)=同市新浜本町一=はこう話し、同市内で開かれるパソコン講習会に積極的に参加している。  県が五月に同市山城町東浜傍示一の徳島工芸村に開設した「とくしまITビレッジ」で開かれている講習会にも、お年 寄りの姿が目立つ。県では高齢者にパソコンを教えるボランティア養成講座を五月に開講。終了した七十人が、県や各市 町村の講座で活動している。「高齢者がコンピューターを理解するのは難しい。講習会をもっと開いてほしい」。櫻井さ んは訴える。  全国平均に比べ十年早く高齢化が進む徳島県。介護保険の導入で応分の負担が求められるなど福祉は転換期にある。そ んな中、高齢者の意識も変わり、自分の力を社会で役立てたいという人は少なくない。お年寄りが生き生きと暮らせる社 会づくり。行政の果たすべき役割は大きい。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 徳島新聞の連載記事『知事選 現場の課題/地域の声』のhttp://www.topics.or.jp/senkyo/chiji01/kadai/ 『4.老後の暮らし』です。http://www.topics.or.jp/senkyo/chiji01/kadai/p4.html